けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

どれだけ転職しても、もとの待遇には戻れない。

私は、転職を3回行い、今が4社目の会社です。

3回も転職したのは、最初の会社でメンタル疾患で休職、退職した後に、最初の会社と同レベルの待遇の会社に転職するためのステップアップでした…。
メンタル疾患で退職した後の、自分が生きていくためのモチベーションは、1社目と同じような待遇に戻ることで、自分はメンタル疾患から生還を果たした!と宣言をすることでした。

しかし、ステップアップを続けて、いざ、その待遇に戻るために行った3回目の転職は、1回目、2回目の転職活動の時よりも多くの会社の面接で落ち続ける結果となりました。転職によりキャリアを重ねてきたつもりでしたが、転職して得た経歴は全くと言っていいほど面接官の興味をひくことができませんでした。面接での質問は1社目での仕事のことばかりで、10年も前の話、いわば若造の修行時代のことに興味を持たれることに、とてもガッカリしたことを覚えています。1社目の若造の頃の成果など、ほとんど上司のおかげでしかないのに…。

面接官は今の自分を、メンタル疾患後、闘病の結果、社会復帰しキャリアを積んだ自分を評価しないのだろう、と気落ちしていました。

しかし、最近になって、その理由にようやく気付きました。
1社目と同じような会社と待遇の会社に応募しているのだから、面接官が質問してくるのは1社目の職務になるのは当然のことであると。2社目以降は会社の大きさが違い、役割も変わったので、同じ土俵で見ることはできないのに。

なぜ、自分は1社目の待遇に固執するのだろうと自問しました。
1社目は、知名度のある大手企業です。人から勤め先を聞かれて答えると、好反応を受けた会社です。いわゆる良い大学に行ったことでその大手企業に入ることができたのです。仕事はハードでしたが、給料も研修時期から結構頂いたうえ、年功序列制だったので、もし現在の年齢でも勤務を継続していたとすると、恐らくかなりの給料になっていたと思います。

結局、自分は他人に評価されたかっただけなのです。世間体がよいレールの上に乗ってきたのだから、その境遇のまま安心安定したかっただけです。メンタル疾患のせいで、レールから落ちたと嘲笑されるのはもうこりごりだったです。もとの待遇に戻ることで、いわばメンタル疾患での退職自体をなかったことにして、もう一度レールに乗りたかったからです。

でも、この考え方は、メンタル疾患の再発リスクの視点で見たらどうでしょう。
最初の会社はハードな仕事で、再発する要素がてんこ盛りです。そこにもとに戻ること自体が再発リスクです。

また、転職しようとする会社の面接官から見て、私のような考えの人間が必要でしょうか。元に戻ろうとしようとしているれども、遠回りをしてしまった分、同年齢からして遅れをとっているうえ、いまだ再発リスクもある…だれが採用するでしょうか?

しかも、元に戻ろうとしていること自体、他人の評価の奴隷である自分に気づきました。その自分に気づいたうえで、今の職場で仕事の自分の態度について振り返ってみると…

自分はなぜ、職場の人間に怒っている? 
上司、部下である自分の評価も落ちるから。

自分はなぜ、不安になっている?
失敗したとき自分の評価が落ちるから。

自分はなぜ、焦っている?
締め切りを、ノルマを果たせないと自分の評価が落ちるから。

自分はなぜ、電話の相手先にビビっている?
電話の相手先との交渉が上手くいかなかった時、自分の評価が落ちるから。

他人の評価、評価、評価。完全に他人の評価で雁字搦めです。再発しなかっただけラッキーです。

では、自分はこれから何をどうすればいい?と今自問しているところですが、
まずは他人の評価の奴隷から抜け出そうと思っています。

抜け出した先は再び無職かもしれませんが。