けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

仕事の悩みを職場で共有することの難しさ

今朝のニュースで、老人ホームでの夜勤介護職員による入居者の虐待事件について報道していました。

朝見たニュースで詳しく覚えていないのですが、その事件から夜勤の介護職員がストレスと悩みを抱え込んでしまう現状と、その対処としてストレスや悩みを職場の同僚上司に打ち明けて共有し解決していくことの大切さを訴えておりました。

夜勤介護職員の辛さ、ほぼ一人での勤務からくる肉体的精神的負担の重さは想像できます。これをどうにかする方法としてテレビではいくつかの案が提示されていました。

適当な司会者と、適当なコメンテーターによる適当なコメントで終えるワイドショーや情報番組とは違った内容で評価に値すると思います。

ただ、どうしても解決案が弱いという印象は拭えませんでした。というのも、やはり、根本的な原因である人手不足の解消の手立てに踏み込めなかったことです。従業員や利用者へのフォローも従業員の充足があってこそ。周りの職員も自分のことでいっぱいいっぱいで、他の職員をフォローする余裕がないのは介護業界に限らないと思われます。

介護職員でもそうですが、どの職業も人間だったら誰でもいいというわけではありません。その仕事への適正と教育が必要ですし、そのためには時間とお金が必要です。

しかし、そんなにお金を増やすことは容易ではありません。労働者の報酬を挙げようとすれば40歳以上が負担する介護保険料をあげないといけないし、そもそも介護事業は労働主役型であるため、労働者一人当たりの生産性が低く、給料があがりにくいという問題が立ちはだかります。

誤解しないでほしいのですが、私はこの番組を批判するつもりは毛頭ありません。単に加害者を叩くだけでなく介護労働者のつらさ過酷さに目を向けた構成は評価したいです。