けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

とある採用の実態

私「今年、専門職で採用した〇人。今年は一般職からの社内公募制度で合格した人の割合が多いけれども、外部に公表されている募集要項に書いてある必須資格を持っていない人が多いな。しかも、資格を取る気もないし学習する気すらなさそうだし。なんであの人たちを内部昇格させたんだ?」

 

採用の人「実はな…今年は社外からの求職者が殆どなかったのよ。今、人手不足でしょ。それで仕方なく。上の会議でも対応に苦慮したらしいが、結局合格させることになったそうだ。」

「外部からの求人の場合は、専門の資格保有が必須と書いているでしょ?そのせいで応募するハードルが高いから、もともと応募が少ないんだよ。」

「逆に内部応募の場合、採用基準である資格の保有が必須でない。だから、専門職がどういうものか調べずに、単に給料があがるチャンスと思って応募してくるのよ。仮に落ちたとしても、現状維持だしね。外部と違って応募してもリスクがない。」

私「内部公募の場合それまでの仕事ぶりで能力がわかるし、あと専門知識があるかどうかもわかるから、資格保有が必須でないんでしょ。資格は一発勝負だし実務能力があるかはわからないから、必須にしないこと自体はわかるよ。でも今年の内部昇格したうちの何人かについては、今までの仕事ぶりから専門知識がないことも、得ようとする意欲もないこともこれまでの仕事ぶりや面接からわかってたんじゃないの?」

採用の人「うん、わかってた。」

私「ハア?なんで合格させたのさ。」

採用の人「まあ、上の決定だから何とも…。仕事が回らなくなるリスクを懸念したと聞いている。ほら、優秀なBさんが前年末で転職、退職することがわかってたしさ。その後釜とまではいかないけれども、欠員補充は必須だし。」

私「でも、専門知識がないと仕事にならないから、かえって今周りに余計な負担が増えてるじゃん。」

採用の人「そうなんだよね…。だから、現在代わりに前からいるAさん達が仕事をしている。」

私「ハア?Aさん達の負担が増加するのを懸念したから合格させたんでしょ?全く意味ないじゃん。人件費が増えただけじゃん。既存メンバーの不満がたまるだけじゃん。Aさん達が辞めたらどうするのさ。」

採用の人「しかも、今回社内公募で合格したうちの何人かは、先輩たちが教えないからだとか、自分だけに厳しいだとか、中にはパワハラだとか今いいだしてるんだわ。」

私「最悪じゃん。もともと専門知識があること前提の専門職じゃん。合格したから自主的に覚える気がないんじゃない?人事の仕事も増えてるじゃん。何してんの?応募していないけど経験の長い一部の一般職の方がよっぽど専門知識が備わったし、使えるぞ。」

採用の人「そういうなよ、こっちもしんどいんだよ。数年前の外部採用の基準変更が大失敗したからもあるんだよ。」

私「ああ、あの年のあいつらな。応募条件を資格なしでも実務経験があればOKにした年な。面接で話していた実務経験が虚言に近かったんだっけ。自分でミスマッチとわかったから別のところに転職、退職した人もいたけど、一部はまだ残ったままじゃん。しかも転職先がなさそうな使えない奴が残って。しかも残った奴、間違った知識を広めてたからこの前俺𠮟ったんだけどさ、そもそも、自分の知識が間違ってること自体を自覚していないし、俺に自分の仕事の妨害をされたと周りに訴えてるし、本当に最悪じゃん。見る目なさすぎだろ」

採用の人「でも翌年はあいつらを反面教師として採用したからうまいこといってるけどな。外部採用、内部昇格、どちらでもそううまくはいかないんだよ。」

私「翌年の奴は協調性と向上心はあるけども、やっぱり専門知識が怪しいので専門職としてはどうかと思うぞ。やっぱり専門職は資格は必須にしとかんとダメだな。経験は応募者の説明に頼ってて、専門知識があるのかわからん。資格保有者の応募が少ないのは、待遇が悪いからだろ。」

採用の人「待遇を挙げると応募は増えるけど、面接で話を盛ってくる。ダメ元で応募してくる奴もいるし。」

私「そういうやつらを合格させたくせに。じゃあ、ダメな奴らを降格、異動させろよ。」

採用の人「制度上、待遇変更できないから。」

私「まあ、公募の奴らが能力が足りないことを知ってて合格させたのはお前らだからな。根本的に悪いのは、応募したあいつらでなく、合格させたお前ら採用。」

採用の人「まあ、お前もこっちの立場になったらわかるさ。」

※一部脚色しましたが、話の内容は殆ど実話です。