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アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」を見ての感想

さて、昨年10月から12月に放送されていて話題となっていたアニメ「ぼっち・ざ・ろっく」を今さながらAmazonプライムで一週間で一気見しました。
というわけで、今回の記事はその感想です。
この作品の良さは至るところで発信されており今更感はありますが、一度自分でも一回感想を書いてみたいと思った次第です。以降、ネタバレも含みます。

この作品は、主人公のギタリスト「ぼっち」と、バンドメンバーであるドラマー「虹夏」、ベーシスト「リョウ」、ボーカル兼ギタリスト「喜多」4人で構成される「結束バンド」の物語です。
アニメは、重度のコミュ障(対人恐怖症?)で陰キャラである主人公「ぼっち」の奇行ともいえるギャグパートが中心ですが、この作中で披露される演奏シーンと、主人公と陽キャラ「虹夏」「喜多」との1対1のシーンが秀逸。
そして、この作品はライブハウスでのデビューする8話と、文化祭での演奏シーン12話を話のピークにもっていくように構成されています。そして、その8話と12話の盛り上がりが素晴らしい。
まず楽曲について。8話と12話には、各2曲が披露されています。
8話はいわゆる主人公「ぼっち」ちゃんのギタリストとしての覚醒ともいえる話。他者との交流経験のなさからギタリストとしての本来の実力を発揮できずにいた主人公が、ここにきて覚醒、圧巻のギターソロにより他の3人も巻き込んで一気に盛り上がります。物語としても主人公の覚醒は熱い展開。楽曲名「あのバンド」で盛り上がりが最高潮です。
そして12話も文化祭でも主人公が再覚醒。主人公が思わぬトラブルに見舞われながらも、喜多ちゃんのアドリブ、そして主人公の再びの圧巻のギターソロ。熱いです。

そして、8話には「虹夏」ちゃんの秘めた想い、12話には「喜多」ちゃんの秘めた想い、それぞれの「ぼっち」ちゃんへの期待と尊敬がそれぞれ表現されます。これがまた心に来ます。8話の虹夏ちゃんの最後の一言で、最終回といってもいいぐらいです。12話の「陽キャラ」喜多ちゃんからみた「ぼっち」ちゃんへの評価とあこがれは演奏シーンでも垣間見れます。

逆に「ぼっち」ちゃんからみた「喜多」ちゃんへのあこがれは、「ぼっち」ちゃんが作詞をした楽曲「星座になれたら」の詩でも表現されています。陽キャラ「喜多」ちゃんを一番星に例え、そこに自分も加わりたいという思いが詩に託されています。8話の「あのバンド」の詩は自身の内面にスポットがあがっていますが、12話「星座になれたら」の詩は自分のネガティブな感情を表現しつつも、周囲に加わりたい思いがあふれています。その曲をボーカルであり一番星といえる「喜多」ちゃんが歌う。お互い性格は真逆であるのですが、お互いが自分にない相手の良さを認めている。それがとても素晴らしい。
主人公が実力がある、ヒーローである、というのはアニメとしてはごくありふれたもの。しかし、この主人公は無双しているわけではない。ギター以外はどうしようもない奴です。最近のアニメはスタートから主人公がチートともいえるスキルをもって苦労もせず余裕で勝利し、周りが勝手が持ちあげる。そんなアニメが多い中、この主人公が活躍するシーンは全12話でわずか数分。でもそれがいい。それで一気に盛り上がる。
また、バンドメンバーのぼっちちゃんの奇行への対応はその扱いは決して見下したものではなく、暖かい優しい世界。そして、それぞれが主人公のギターの持つ才能(人を引き付ける圧倒的な演奏)に対するあこがれ、驚きが表現されるシーンもほんの一瞬。喜多ちゃんに関しては12話は心の声であって声にだしていない。でもそこがいい。
バンドアニメは数年前からいくつかありました。大ヒットアニメもあります。
ただこのアニメの決して2番煎じではない独特の魅力があります。
あと、アニメ終了後に発売されたアルバムの売上も配信もかなりの好調だそうです。もともと良い曲なのですが、私はアニメの舞台である陰キャ「ぼっち」ちゃんが作詞していて、その暗い内面的な曲を陽キャ「喜多」ちゃんが歌うという構図を思い浮かべて聴くと良さが陪乗です。歌詞も歌手にもいろいろ思いが膨らみ、曲の魅力を底上げしています。

でもこの4人それぞれすごい才能を持っています。主人公のギターレベルは語られていますが、喜多ちゃんも初心者とは到底思えないほどすごいし、リョウのベースについてはあまり語られていませんが、作曲能力はすごい。でも…結果的にこの3人を見つけた虹夏ちゃんのスカウト能力が一番すごくね?

以上、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」の感想でした。
そういえば、アニメの感想をブログで書いたのは初めてです。アニメ、ドラマ、映画の感想は色々なブログ等で見たことがありますが、実際書いていると全然うまく書けませんでした。でもこれも練習。また、書き直したり、他の作品も書いて文章能力を向上させようと思います。