けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

依存体質の人は転職しないほうがいい?

転職するかどうかの話で、以下のような意見がある。

「他責思考の人、他人に判断を依存する人は転職は薦めない。なぜならそういう人は転職しても、やれ給料が少ないなど、休日が少ないなど、会社のマイナス面ばかり見て転職を繰り返してしまい、キャリアや経験を積めない可能性が高いから。」

この意見について否定するつもりはない。

ただ、そういう人が”みんな”転職を繰り返すかというと、意外とそうでもないと最近強く感じている。

つまり、他責思考や他人に判断を依存する人(以下「依存体質の人」)が転職してきても、そこの職場環境がその人にあえば転職せずにそのまま居続けたりするのである。会社の文句は多いが、転職までには踏み切っていない。

依存体質の人というのは、現職や前職の職場の人間関係に影響された結果であって、あながちその体質はどこの職場にいっても変わらないわけではない、ということである。

他責思考は、その職場の決定権をもつ人間や社内風土に対する不満にすぎない場合もある。人に判断を依存するというのは、その職場の上司や先輩たちの意向に反した行動を抑制させているにすぎない場合もある。

 

人に頼りたい性格の人は、個人主義の組織には向かないが、上司や先輩、同僚と協議して行動する組織にとっては、チームプレイヤーとして役に立ったりする。

逆に個人の意思で判断する人は、マニュアルがなくとも自主的に行動をとれ重宝するかもしれないが、上司や同僚との根回しを重視する組織に異動した途端、”独善的な行動”をとる人間、と解釈され、先に居た人から見て厄介者扱いされる場合もある。

他責思考というのも、仲間内で愚痴や誰かの悪口を言いあうのが好きな人達に囲まれたら意外とウマがあったりする。またいざ権限を与えて任せてみたら、自主的な行動をとるようになったりする。

他責思考というのは、単に上司や同僚と考えが違っただけでその組織で上手くいかなかった人間が転職活動をする際に、採用担当者のレッテル張りに過ぎない場合もある。

逆になんでも自責の人は、メンタル疾患になって離脱したりする。

結局のところ、職場と言うのは自分にとって居心地がよく、人間関係でストレスをためにくい職場にいることと依存体質が問題にならなくなったりする。

だから、現職や前職での振る舞いで依存体質だと勝手にレッテルを張ってるだけで、その本人が転職に向くか向かないかを他人が判断するのは烏滸がましいのである。

そもそも職場なんて色々だし、人も色々。評価されるかどうかも色々。そして組織も人も日々変化する。それなのに、なぜその人の依存体質は変化しないと決めつけられるのか?

給料が低いという理由だって、傾いた職場や、業界的に低賃金な構造の職場に居続けても意味がない。どんなに成果を上げても本人の努力だけでは給料は上がらない。だとしたら高賃金な業界や、業績が好調な企業に転職できるなら、転職した方がいい。本人の能力が今の職場で評価されなくても、他に行けば、上司が変われば評価されるかもしれない。

その逆もある。今の職場で評価されても、転職したら同様に評価されると思ったら大間違いだ。同じことをするスポーツ選手だってチームが変われば成績がかわるのは、職場の人間関係とそこの風土が自分に合うか、という面が大きいからだ。野球の筒香選手が大リーグで契約が終了し日本に帰ってきたが、それは大リーグが筒香選手にあわなかっただけの話だ。欧州サッカーは移籍が盛んだが、イングランドプレミアリーグに移籍したのに活躍できなかった選手は「プレミアの水にあわなかった」と評されたりする。

同じことをして、基本的にソロプレイの野球選手でさえ、チームが変わって上手くいかない場合もあるのだから、同じことをしない仕事だったら尚更転職してみないとわからない。

私は同じ企業内の人事異動をした結果、やる職務は同じでも、職場と人間関係が変わっただけで急に成績が落ちて辞めた人を複数みている。

その逆に、転職ばかり繰り返していて、自社を半年ももたずに速攻辞めて他の会社に転職し、また半年後に転職先を辞めて自社の採用に申し込んできた人がいた。私はその人物のフラフラした行動をみっともないと低評価していたが、再採用した直後に辞めた時の上司が辞めたことで、今度は好成績をあげ続け、長期に居続けている人も知っている。

その逆にヘッドハンティングしてきた人も「水にあわずに」すぐ転職してしまった例も知っている。

結局は仕事においては、その職場における方針、風土、人間関係が自分にあうかどうかが一番なのだ。人間関係が良好ならば、そして自分のやりたいことができる環境ならば、多少賃金が低かったりマイナス面があっても退職に踏み切らないものなのだ。

いまどきの流行の本のタイトルだとこうだ。

転職が成功するかどうかは転職先での人間関係が9割

だからこういう性格の人は転職するな、とはいわない。いえない。

尚、大企業でジョブローテーションをする会社定期異動で人間関係や職務が変わったりするので、さらに一概にはいえない。今良くても来年はおかしくなったりするし、その逆もあるからである。

最近は副業を薦める人もいるが、私はあまり賛同しない。副業は体力が想像以上に必要だ。睡眠時間や休日を確保できてこその副業である。投資と同様、現状の不安を理由にするならば副業しないほうがいい。

また退職する際は怒りでブチ切れて、転職先も見つけずに退職するのは避けたほうがいい。そういう時は転職活動をして先に転職先を見つけたほうがいい。怒りの感情を引きづって就職活動をしてもなかなかうまくいかないからだ。

転職先を見つけずに転職するのはブラック企業とわかった時や、メンタル疾患になりそうな時など急いで逃げたほうがいい時だけだ。