巧遅は拙速に如かず

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

十二指腸 下行脚 隆起性病変疑い

前に記事に書いた人間ドックの話の続き。

人間ドックの結果が書面で届くのをずっとイライラしながら待っていたのだが、その結果と消化器内科あての紹介状が同封されて会社にやっと届いた。

結果としては予想通り、内視鏡検査(胃カメラ)が”要精密検査”であった。予想はしていたが、その結果を文字で改めてみて恐怖で震えた。

本題に入る前に、まずこれまでの経緯をまとめる。

そもそも私が人間ドックで年齢的にバリウムのところを追加料金を払ってまで胃カメラを受診していたのは、その前にバリウム検査で「経過観察」となっていたからだ。胃にポリープがあるという診断結果があったからだ。

だから去年からバリウムでなく胃カメラを受けた。その結果が「要再検査」であり、経過観察ではあるが、12か月以内に再検査をすることを求めていた。

その結果に従い、先月に胃カメラを受けたわけである。その結果が「要精密検査」であった。

精密検査が必要な理由として以下の記述があった。

「十二指腸 下行脚 隆起性病変疑い」

「隆起性病変」言葉を調べてみると、その名の通り膨らんでいる病のような変なものがある、ということらしい。ただ、ポリープではないらしい。

隆起性という言葉とは逆にへっこんでいる場合もある。1年前の胃カメラ検査にも隆起性病変の記載があったが、胃についても「陥凸?」という記載があった。つまりへっこんでいるところがあるらしい。

「十二指腸 下行脚 隆起性病変疑い」をインターネットで調べてみたが、検索に殆ど引っかからない。十二指腸でなく胃ならばヒットするのだが、十二指腸では結果が数個しかない。しかも学術用で素人には理解できない。また胃に陥凸がある場合は胃がんの可能性も疑われる。

前置きが長くなったが、そういうわけで「要精密検査」の結果が書かれた書類と紹介状を持って、病院を訪ね、胃カメラの精密検査を先日受けてきた。

精密検査をする前から「生検」、つまり病気の部分の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べ癌などの病気であるかどうかを確定させることを医師から告げられていたため、「生検」の結果がわかるまでは最終結果はわからない。

だが、医師の胃カメラの画像を見ての初見は以下のとおりであった。

胃カメラで見る限りは、十二指腸にはどこにも隆起性病変も陥凸も見当たらなかった」

(ちなみに健康診断の際に紹介状のなかに写真が入っておらず、具体的なことは胃カメラで見てみないことにはわからない紹介状だったらしい。)

また胃も1年前の結果を見せたため調べてもらったが、3年以上前に診断結果に書かれてあったポリープもなかったらしい。結論からしてがんや腫瘍、ポリープ、ピロリ菌も見られない綺麗な胃、十二指腸、食道であったとこのことだった。

その結果を受けてかなりホッとした自分がいる。正直、ある程度覚悟はしていた。できれば良性のものか、内視鏡で対応できるレベルの初期の癌であることを祈ったが、ここ数十年祈っても悉く悪い結果だったので、今回も悪い結果になることを予め想定していた。だから今後の将来に対して何か新しいことを始める気にもならなかった。

その診断結果が「隆起性病変は見つからなかった」である。

繰り返すが、医師は「生検」の結果が出る前に「がん、病気ではない」という確定判断はできないと念押しされたが、インターネットで調べる限り「生検」は視認できる病変(例えば乳がんの場合はシコリの部分)から抜き取るものであるらしいし、精密検査に入る前に「生検」をすることは告げられたので、まだ油断はできないが、胃カメラの再検査開始前よりは不安感がだいぶ減っている。

不安は確かにある。なぜ健康診断時に隆起性病変があると判断されたのか?病変が見当たらないと言われたが「生検」をする以上は、医師が告げないだけで何かあったのを隠しているだけなのではないか?などなどいくらでもある。ただ、これは考えてもきりがない。「生検」で白黒はっきりする以上、あれこれ考えても不毛な時間である。

さて、ここからちょっと別の話題になる。

人間ドックで胃カメラを見ながら医師があれこれ言っているのを聞いて、ここ1か月かなり不安な日々を過ごした。何も手がつかないというか、気を紛らわせるもので日々を過ごしているというか。

私は重度のメンタル疾患になり、もはやこれまでと何度も思った経験がある。安楽死させてくれと医師に頼んだ経験もある。だから他の病気になったとしてもその経験から最悪の事態がきても冷静に対処できるし、なんなら別に命が終ってももういいとは思っていたが、むしろ「要精密検査」の文字を見て病への恐怖がさらに増した感じがした。なにせ今回は自覚症状全くなし、自分で目視しても全くわからない箇所である。どう対処すればよいのかもわからない。

どうしようもない。どうしようもないのだから、他のことをすればいいのだが気になっている。あまり新規のことをしないように心掛けたし、再検査の前日までに仕事はきりのいいところで終わらせたぐらいである。即入院というケースも想定していた。

自分はまだ生きたいと願っている。まだこの世に心残りがある。この心境は一体何なのか?単なる痛みへの恐怖だけなのか?何をやりたいと思っているかと自問自答した。

そして再検査終了後、スッキリした感じで家に帰ってきたが、では新しく何がしたいかというと今は思いつかない。やはり単に病気や痛みへの恐怖でしかなかったのだろうか。

実は今年度に入って仕事上嫌なことが立て続けに起こり、早く12か月以内の胃カメラの再検査を終わらせて、退職と転職の活動に取り掛かろうと思っていた。だから、転職活動をする前に、その胃カメラの診断は経過観察を続けるのではなく、いったい何なのか白黒はっきりさせたいと思っていた。傷病手当金という制度も考えれば退職してすぐに手術入院するのは避けたいと思っていた。

だが、今「転職活動」をしようという気が起きない。会社内での嫌なことが軽減され、退職するレベルほどではなくなったのも理由ではあるが、心残りになるような新しいことをしようとも思えない。

いや、何かある。何かあったはずだが、思いつかないだけではないか。この猛烈な暑さで動こうと思わないだけではないか、とも思う。

と、そうこう書いているうちに思い出した。とあるXでの投稿を見た時だ。採用担当の人が50代の転職希望者に志望動機を聞いた時に、「カオスを味わいたいから」といったことが興味深かった、という投稿だ。

まさにそうだと思う。私は「カオス(混沌)」まで求めないが、「刺激」を求めているのではないかと。「新しいこと」を求めているのではないかと。現状で嫌なことがあっても、金銭を稼ぐために、転職が癖にならないために、無職期間を避けたいために、その嫌な状況を「周りの人間もが我慢している」と納得させようとしている自分に対して、怒りを感じていることを。

先にこの数回のブログの投稿がSNSへの悪口ばかりだったが、裏を返せば、今の自分に腹が立っているので、怒りのラインが下がっていて、取るに足らないことでもイライラしてしまうことを。

転職すれば物事が解決する、と思えるほど若くもないし、転職未経験者でもない。職場環境が良いところは退職者も少ないので、求人が少ない。裏返せば、求人を出している会社は何らかの欠陥や問題を抱えている。楽なところに行くわけではない。だが、今のできの悪い人間に足を引っ張られるような職場環境でこのまま終わることを良しとも思っていない。

また、病気の結果を待ってからとか、賞与を貰ってからとかでズルズルとしている状態も良くない。何か問題が解消してから、という考えは、何もやらないのと一緒である。

さて、生検の結果が出るまでの暫くの間、どう過ごそうか?

あと、胃カメラの結果を検索しても全くヒットしなかったので、タイトルをそのまま結果名にしてみた。しばらくするとヒットするかどうかせっかくなので検証してみたい。