巧遅は拙速に如かず

仕事、自己啓発、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

政権与党のトップを選ぶ選挙に関して思うこと

今回は、政党のトップ(総裁、代表)を選ぶ選挙が真っ最中なので、その話。

完全な私見と、根拠なき予想記事。

興味がない方用に、また支持している人が気分を害さないように一旦区切る。

 

前段:投票について

国会議員、地方自治体の首長や議員を選ぶ際の投票は非常に難しいと最近特に感じている。昔「わからないから投票しない」という意見があり、それは民主主義の根幹を揺るがす行為だとして「投票に行きましょう」というキャンペーンがあった。

たしかに投票にいかないことは民主主義の放棄。「興味がない。」という理由での無投票は話にならない。

だが、「誰に投票すればよいかわからない」という意見はどうか?私はその気持ちは正直な意見だと思う。「わからないから、名前を知っている候補者に投票する」人でも、「投票すべき」というべきだろうか?

最近「誰がなっても同じ」というわけにはいかなくなったという事態が発生している。そう、某県知事、パワハラセクハラ三昧の市長町長、一度も議会に出席しない参議員議員、他人を侮辱するパフォーマンスを行う市長、色々な人間がでてきた。権力を持つ首長に問題のある人物を選ぶことで、行政の停滞、そして住民の生活に支障をきたしている。

「誰がなっても同じ」ではない。政治をおかしくし、部下に精神的苦痛を与え、死に追いやるような人間に「国や地方自治体の代表として、国民県民市民の負託を得た」という免罪符を与えてはいけない、と強く思っている。

改革している、前に進める、規制を取っ払うという名のもとに、生活や人を破壊する者を、拍手喝采して選んではいけない。

だが、そういう人間であることを選挙活動期間での言動を通して見いだすのは非常に難しい。というか無理だ。実際に会ったことがあっても無理だ。人間は、権力を持つと豹変する者がいるし、その権力を持ったことがない人が選ばれるとどういう政治を行うかは投票時には誰にもわからないからだ。

一方その逆で、「地位が人を作る」という言葉もある。今はあまりぱっとしなくても、その地位に就けば、それまでとは打って変わって、優秀なリーダーに変貌する可能性がある。

そんな人間を見いだせるのは神の領域かもしれない。だから「わからない」から投票できない、という意見は正直だ。だが、どうなるかわからない人間を人間が選ぶ際に、世襲制、君主、共産主義でもない、国民が選ぶのが民主主義だ。「民主主義は最良ではないが、これまでよりは良い」とはよく言ったものだ。

しかし、今では問題を起こした人間でさえも知名度があれば得票数を稼ぐ時代。ポピュリズムよりさらにひどい、まさに「悪名は無名に勝る」状態。

間違った投票をした結果の被害を被るのは国民。だからこそ、わからなくても、その責任の重さを痛感して怖くなっても投票するのが民主主義である。

投票する際に「立候補者の中に適任者がいない」というのはよくわかる意見である。誰にでも欠点はあり、先に述べた通りに実際にその職に就いた後にどんな仕事をし、どんな人間になるかは投票時点ではわからないからだ。だが、その考えだと現職を永遠と選ぶしかない。

選挙協力という形で、候補者を絞ることは、政党間の協力としてはわかるけれども、投票する有権者としては自分の投票できる選挙区では選択肢が減るのでやめてほしい。

私が投票する際にひとつの基準としているのは「候補者のなかでは一番ましだろう」と思う人に投票するという考え方。自分と主義主張が一緒な人が自分の選挙区で立候補する機会にない人もいるだろう。ましてや野党が選挙協力したりすると、選択肢は狭くなる。だからこそ、「よりまし」な人を選ぶ。ベストではなくベター。こういう考えもある。

候補者の主義主張、公約をベースに選ぶのもスタンダートな考えだ。候補者の人間性も重要。信用できるかどうかも重要。政策をどうやって実現するかも重要。困難な問題に対して逃げたり先送りしたり、他人のせいにしたりする人間でなく、解決する強い意志、能力、胆力を持つ人を選ぶのも重要。

つまり、複数の考えが合わさって選ぶ形になる場合もある。

と、ここまで述べたが、私の考えが正しい、そして、他の人も私の意見に賛同すべきとは思わない。他の人に自分の意見を押し付ける気もない。それは独裁者の思考だ。だから、この考えは私の意見である。

投票に関する全般的な意見は以上。

自民党総裁選挙の立候補者について

以下届け出順に各候補について記述する。岸田首相の総裁選の立候補辞退と、派閥の殆どが解消したため9人が立候補する前例のない乱立状態。9人もいると比較も難しく、また各候補の話も短くなってしまうため違いがわかりづらい。最初の投票で過半数を取る候補者がいない可能性が非常に高いため、決選投票での決着になりそう。

以下、実際書いてみると、それぞれの候補者に違いがある。

報道各社の9/16時点の予想では「高市」「小泉」「石破」の3人が競っており、またこの3人の得票数が他の6人をかなりリードしているそうで、投票日前に何か大きな出来事がない限り、決選投票はこの3人のうちの2人でほぼ固いだろう。3つ巴の戦いらしい。

ただ、今回は先に書いたように派閥による、事前の候補者調整が行われていない状態でもある。(推薦人20人を集められなかった人もいるという反論もあろうが、党所属の国会議員20人集められないのならば、得票数を一番多く取り党の総裁になるのはそもそも厳しだろうし、知名度をあげるための候補者が乱立されては困る。)党員としては選びたい放題だ。

こういう場合、報道機関が想定していない人が選挙期間中に伸びて来たり、逆に沈んでいったりする場合があり、この記事を書いている時点では流動的な面もある。

国会議員票は党員に比べて固いだろうが、推薦人になっていない人は誰かに投票するかはわからない人も多い。国会議員の人から見ると実際会ってどんな人物が把握しているので、国会議員本人が一番良いと思っている人はいるだろう。だが、勝ち馬に乗る場合もあるし、地元の後援会などの意向や党員の投票先も無視できないだろう。

以下、各候補者の私なりの分析。尚、事実誤認をしている可能性もあるので、なるべく抑えた表現にしている。

高市早苗

無所属だが、安倍氏とかなり近い保守派。現経済安全保障大臣。総務大臣などの大臣経験も豊富。岸田首相とは距離を置いている。3年前の総裁選に立候補し、総理大臣候補に仲間入り。知名度が高く、国民、党員からは保守派の安倍氏の後継者として位置付けられているようで、党員票の投票予想では上位3位以内は固く、もしかしたら1位になる可能性もありうると現時点で予想されている。

数年前は、他人を見下しているように聞こえる発言と態度をする印象があったが、前回の総裁選立候補の時はかなりソフトな話し方で、笑顔をみせるようになったと思う。だが、いまだに人の質問を嘲笑う対応が国会やテレビで時折でるよなあというのが私の印象。一度、国会で辞職をかけた挑発に乗ってしまったこともあり、このあたりも安倍氏と似ているところがある。

ただ安倍氏に近いということは、旧統一教会問題、裏金問題に対しての解決は難しいだろう。総務大臣時代に放送法の改正でマスコミを脅すなど、手法は強権的。総理大臣就任後も靖国神社にも参拝を続けることを表明、また夫婦別姓に反対の立場。自民党支持層のなかの保守派からは熱烈な支持を受けるが、右に偏りすぎて、保守派以外からの支持が得にくいともいえる。

テレビをみるに、同じ保守派でも国会議員の同志は少ないようで、国会議員票は少なそう。ただ安倍氏の後継者と見る党員は多いようで、所謂岩盤支持層がいる。一方で流動的な票は流れてくるかはわからない。党員票により決選投票に残る可能性は高い。

小林鷹之

私はこの方の名前を存じ上げなかったが、保守派や若手の国会議員の同志が多いらしく、推薦人を早めに確保し、立候補1番乗り。旧二階派

この人が素早く立候補したことで、安倍氏に近い保守派と若手議員は、同じ保守派の高市氏でもなく、同じ若手の小泉氏でもなく小林氏を推薦した人が多いということがわかる。つまり、実際一緒員働いている国会議員から見ると、テレビとか演説でしか知らない有権者がもつイメージとは違う、実際の能力や人間性があるということだろう。

夫婦別姓に反対するなど、保守的な立場。テレビでは、模範解答が多いが、面白みに欠けると分析されていた。旧統一教会とのつながりがあったのではないかという指摘もあり、旧安倍派の支持も受けているので、刷新するという期待感は私にはない。

まだ、経済安全保障大臣しか経験していないため、トップとしての能力は未知数。ただ若手による刷新を期待する層もあり、報道各社の予想では日ごとに支持率をじわじわとあげている。国会議員票も多そうで、総合では4位になりそうな勢い。今回は知名度獲得がメインだろうが、主要大臣か党の役職ポストを獲得できそう。

林芳正

旧岸田派。数々の大臣ポストをピンチヒッターで引き受けながらも、そつなく仕事をこなす堅実的かつ実務家のイメージ。エレベーターに閉じ込められても他人に当たらないなど、器の大きさも示す。失敗した、という印象もなければ、これを実現した、という印象もない。おそらく、他の未知数の候補者と比較すれば、「期待ハズレ」にはならないであろう候補者の1人。

長らく同じ山口県出身の安倍氏とのライバル関係で参議院から衆議院に鞍替えができなかったが、前回の選挙で衆議院議員となり、総理大臣の道筋が見えた。

弱点は知名度、「中国寄り」、旧岸田派のナンバー2だったこと、立候補表明で出遅れたこと。総理大臣は、次の選挙で負けた後、つまり禊としての衆議院選挙が済んだ後の後任狙いなのかもしれない。

小泉進次郎

若くして知名度がトップクラスのホープ。無派閥だが、事実上、菅前首相グループの一員。小泉純一郎元総理大臣の次男として、初当選時から注目されており、将来の総理大臣候補として常に名前が挙がっていたが、今回ついに立候補。

菅前首相の強いバックアップ、地方に応援で駆け回って培った演説の上手さ、人当たりと見た目の良さ、他の国会議員との間での確執もあまり聞かず、党員票と国会議員票をあわせれば、総裁候補の本命。

懸念は環境大臣時代のお粗末な答弁。レジ袋の有料化の説明。環境問題への対応。ジャーナリストの「知的レベルが低い」という表現は個人に対する侮辱だが、国のトップを任せるに足る資質、能力があるか、疑問視している人がいるのは事実である。

また、立候補した後に解雇規制や年金についての公約を掲げたことで、父のブレーンである竹中平蔵氏の「正社員廃止・年金廃止」などの政策を進めるのではないかと、特に小泉純一郎総理大臣時代に辛酸をなめた氷河期世代を中心に強烈な拒否感が生じている。

立候補会見ではジャーナリストの挑発に乗らずに回答して器の大きさを示せたが、その後のテレビ出演の際の質問に対する回答は、具体性に乏しく、質問した司会者に反論されてしまうか、あきれられる始末で、インターネットどころかワイドショーまでも話のネタにされる始末。他の候補者の答弁と比較すると、質問を理解しているとは思えない答弁で、明らかに質問に対する回答能力不足、政策に対する知識が不足している。自分が足りない分は、周りの仲間とチームで戦うというが、それは「神輿は軽い方がいい」ということではないか?外国の首脳会談を代わりに誰かにさせるのか?

総裁選の本命ではあるが、上記の能力への不安から、党員の投票数が高市氏に抜かれて3位に転落する予想もある。だが決選投票に残った場合は、高市、石破氏は国会議員のどちらも拒絶反応があるため、総裁に就任、最年少総理大臣になるだろう。

余談ではあるが、国会議員は、小泉氏の人気で、旧統一教会の問題や裏金問題を小さくでき選挙に勝てると予想しているようだが、私はその考えは、有権者は、見た目、知名度、イメージだけで投票しているとバカにした考えだとしか思えないのだが…。

3年前の岸田首相の解散は、タイミングがちょうどコロナがおさまりつつある時で、かつ、選挙数日前に安倍氏が凶弾に倒れたという悲劇からの同情票もあった。あと、立憲民主党や野党の自滅もあったからだ。

これから、自民党の立候補者との間の討論会もあるし、総理総裁になったとして解散した後も、選挙期間中は野党党首との討論会もある。

私は自民党の国会議員が彼を推す理由が、演説の上手さと若さと見た目以外、本当にわからない。演説は他の候補者も上手い人が多いし、若さでいえば小林氏もいる。

繰り返すが、彼は果たして国のリーダーとしてふさわしい資質と能力を持っているのだろうか?やらせてみればわかると思うのならば、せめて他の大臣ポスト(それも怖いが)で、国会審議やマスコミとの討論の中で、国民を納得させてからの方がよいのではないか?

上川陽子

日本初の女性総理大臣になるのではないかといわれてきた、ポスト岸田の「小石河陽子」(小泉・石破・河野・上川陽子)の1人。旧岸田派で、現外務大臣法務大臣時代にオウム真理教の死刑囚の死刑執行を行ったことから、その胆力と決断力で脚光を浴びる。岸田総理の後任として期待されていて、派閥が残っていれば、茂木氏との争いになった可能性もあったが…。

20人の推薦人確保に苦戦し、旧岸田派からは№2の林氏が出馬し、他の候補者と比べて明らかにテレビ慣れしていないことから、埋没している印象。外交の話は、茂木、河野氏外務大臣の経験者であるため、差が見えにくい。

何故か知らないが、SNSでは「お母さん」アピールをした動画を上げている。上川氏に期待するのは、法務大臣時代に見せた胆力と、わざわざ”女性初”という訴えをする必要のない国のトップになれる度量、という期待感だろうに、選挙戦略が滑っているとしか思えない。

テレビでコメンテーターが「これまで権力闘争に無縁だったのが苦戦の原因」と発言していたが、まさにその通りなのだろう。

加藤勝信

厚生労働大臣官房長官などを歴任した、かつてのポスト安倍の総称「岸破義信」(岸田・石破・菅義偉加藤勝信)の4名の1人。旧茂木派。マスコミがこういう頭文字をとった人はかなりの確率で総理大臣か自民党総裁になっているので、安倍氏の後任がこの4人のうちから選ばれているのをみれば、最有力候補の1人になってもおかしくないのだが…。

知名度不足は否めず、同じ派閥に少し前までいて、そしてその長であった茂木氏も出馬して、かつ宣言も出遅れた。コロナ禍時の厚生労働大臣時代に「37.5℃」の基準の責任を国民と医療機関に押し付けたことを忘れていない人から拒否反応もある。

恐らく、今回は総理大臣候補としての名乗りをあげることと、知名度アップを優先しているのだろう。

河野太郎

麻生派、現デジタル大臣。前回の総裁選では、高い知名度SNSを使った発信力で改革を期待され、また同じ知名度を誇る小泉氏、石破氏からの支持も取り付けたが、決選投票にて安倍氏が推す岸田氏に惨敗。だが党員票はトップ。となると、今回の総裁選本命になると思いきや、完全に埋没する。

報道機関の予想を見るに、党員票がこれまで首相候補として知名度があがっていなかった茂木氏と加藤氏との下位争いレベルになっている。茂木氏と加藤氏は総裁候補としての知名度不足(総裁を狙っているとは認知されていなかったともいえる)であり、今後挽回も可能な理由だろうか、河野氏に関しては明らかに不人気が理由。

まさか、ここまで党員からの人気が落ちているとは知らなかった。

その理由は、「マイナ保険証」対応で国民(党員)からの支持を失ったからとしか推測できない。ワクチン担当としての評判もあろうが、あれは菅前首相から押し付けられたともいえるし、誰がやっても苦労する仕事だろうから、ワクチン担当が主原因だとは思えない。

改革派といわれつつも、本人の資質は、反対意見に対して聞く耳を持たない、反対派は排除する、個人情報漏れは厚生労働省や保険者に責任転嫁するなど、強引、無責任、排他的な政治家というイメージがついたからだろう。現状の破壊者を期待するならそれもいいだろうが、国のリーダーとしては、その能力に疑問符が付く。

高い知名度は、一旦流れが変われば逆風になる、というよい例。しかも、マイナ保険証への移行延期を示唆する林氏に噛みつき、解雇規制の撤廃、年末調整の廃止を訴え、先進的なのかもしれないが、現場や国民の混乱を考慮しているのか疑問符が付く。誰のためになる公約なのか意味不明。

また、唯一解散していない麻生派という派閥に残ったことで自民党の刷新を期待する層からの支持もなく、さらにその麻生派の全員からも支援されないという、踏んだり蹴ったりの状態。

今の彼が他の候補者より秀でていると言えば、嫌な役職を引きうけたことと、既存のルールの破壊者であることを証明できる経験か。

さて、報道機関の予想によると前回の党員票1位から大きく票を減らすことが予想されている。

他の8人の候補と違い、今回はダメでも次の総裁選で、という目もなさそう。

とはいっても、安倍氏からの禅譲を待っていたが、菅前総理に総裁選で敗れ総理になれなかった時、もう総理大臣の目はなくなったと思われていた岸田氏が、その1年後に総理大臣になったのだから、政治の世界に絶対はない。未来のことなど誰にもわからない。追い風が逆風に変わったように、今の逆風からまた追い風が吹くかもしれない。

石破茂

テレビに出演することで高い知名度を得、全国を回ることで、党員からの支持を得て、国民人気は全候補者の中で一番高い。幹事長か複数の大臣ポストも経験し、経験も申し分ない。非主流派で長らくいたが、裏金問題で再びチャンスが巡ってきた。ミスらしいミスもしないので、恐らく党員票は1位か2位を堅持でき、決選投票に行く確率は1番高い。

問題は、過去に自民党の総理大臣に対し退陣要求をしたことや、一度自民党が野党に転落した時に離党した経緯から、「後ろから鉄砲を撃つ味方として信用できない人間」として自民党内の国会議員に恨みを買っているらしいこと。特に麻生元首相から恨みを買っているらしく、また党員票で1位をとっても、2位とそう変わらなければ、引きづり降ろされる可能性もある。

今回は逆風下でなく大チャンス。麻生派河野氏、茂木氏、旧岸田派の林氏、上川氏は決選投票に上がってこれない。となると決選投票相手は、同じように国会議員に人気のない強硬な保守派の高市氏か、小泉氏。確執のあった巨大な権力を持つ安倍氏はもういない。あえて石破氏を外す人はそれほどいない。ただ小泉氏は国会議員票も強い。総裁になるかどうかは、党員票で小泉票を奪って大差をつけて、決選投票での国会議員票に影響を与えられるかだろう。

茂木敏充

旧茂木派。現在の幹事長。大臣経験も豊富で外務大臣も歴任。トランプ大統領になっても渡り合える人物、と評される。「能力不足というハズレ」はない1人。

頭も非常に良いらしい。だが、周りにも自分と同レベルのことができることを期待する、つまり他人に厳しいので、国会議員からも官僚からも人気がないらしい。

総裁が辞めた時は、幹事長が一番なりやすいはずなのだが、派閥の解体で順番が巡ってこなかった。どういう政策を実現したいのか、という発信力に欠け、知名度も不足している。幹事長なのに…。

まあかなり頭の切れる人らしいので、私のような凡人にはわからない何か狙いがあって、今回の勝ち目のない総裁選に立候補したのかもしれない。多分、次の総裁選への布石か、主流派としての主要ポストの確保だろうと思っているが…。

まとめ(私見

さて、長々と書いていたのはわけがある。別に予想を書きたいわけではない。

はっきりいおう。自民党の党員・党友と、国会議員は小泉氏と河野氏自民党総裁に選ばないでほしい。それをいいたいがためにこんな長々と文章を書いた。

勿論、これは自民党という政党のトップを決める選挙であり、党員・党友でもない党所属の国会議員でもない私がその決定にとやかくいう筋合いはない。だから正直言うと、総裁を選ぶ時点では「どうしようもない」ことである。

だが、小泉氏の政策は流石に労働者と年金受給者を馬鹿にしているとしか思えない。経営者は喜ぶだろうが、流石にあの公約はない。勿論、確固たる信念と未来への展望が描けているというのならば、話も聞かずにケチをつけるのは良くない。だが、解雇する場合の対応策を問われた際の回答が「リスキリング?」と「再就職支援?」。リスキリングはもう岸田現総理大臣が実行しているが?あきれてものがいえない。

リスキリングすれば転職できると本当に思っているのか?再就職支援は、もう20年も前からやっている。あれはただの洗脳。転職することを後押しする洗脳。

実際その2つで転職できる人材は、そもそもその2つがなくても転職できる人材である。転職先がないミスマッチを起こすその理由は現在の正社員の働き方にあって、ジョブローテーションと年功序列制が他の企業への移動を難しくさせる。

竹中平蔵氏は、非正規雇用労働者にとっての敵は正規雇用者と訴えているが、非正規雇用労働者にとって、敵は派遣を大量に増やした竹中平蔵氏とその仲間である。彼らが専門家以外の非正規雇用を生み出し、若者に不安定雇用を押し付け、少子化を加速させた。ただ、竹中平蔵氏の政策は経済学者としての案であり、実行したのは国民の負託を受けた小泉純一郎総理大臣である。小泉純一郎氏の政権を誕生させ、長続きさせたのは誰か?そう、国民である。だから、責るべきは日本国の有権者小泉純一郎だ。

だがその経済政策を国民は理解していなかった。郵政民営化というシングルイシューで単純に信任した。

ただ今はその事実を知っている。竹中平蔵氏の政策を実現すれば誰が被害を被るかは国民が歴史が知っている。そして、小泉進次郎氏はその竹中平蔵氏の意見を全面的に採用するつもりのようだ。彼は父親と違い、その公約を隠していない。他の問題を前面に出し、自民党をぶっ壊すとかいって隠していない。圧倒的な速度で、正社員と年金制度をぶっ壊すと言っている。

だからその政策を選ぶのは、まずは自民党の党員・党友であり、その後解散総選挙をすれば選ぶのは有権者だ。

私は、この政策に反対だ。だから彼を支持しない。

河野氏も同様に解雇規制の撤廃を公約に挙げている。彼は、反対意見に耳を傾けようとしない人物であり、責任もとらない、説明も充分にしないことは「マイナ保険証」で明白になっている。だから、河野氏も同様に支持しない。

実際、別に解雇規制の撤廃が実現しなくなったところで、もう私のような中年には何の関係もない。私は一度正社員を解雇されて、今は専門職であるから、別に解雇されようがなんとでも働き口はある。今の若者は転職を見据えて仕事をしている。だから他の中高年が路頭に迷おうが、さらに少子化が進展しようが正直私には関係がない。

自民党の党員になる方の職業を把握したことがないが、農業、漁業、建設業、医師などの自営業か、会社経営者が多いイメージだ。労働者は、連合を中心とした野党支持か、無党派層。だから正社員がどうなろうと知ったことではない人か、いらない正社員のクビを切りたい党員もいるだろう。だからそこまでこの問題に反対する気はないのかもしれない。

年金問題は、遅かれ早かれ、今の少子高齢化では破綻する。誰の政権の時に破綻するかどうかの話だから、小泉氏が自分の政権で破綻させる、ということを好意的に受け止めている国会議員もいそうだ。

よって、党員や国会議員によっては、小泉氏が総理大臣になっても別によさそうな気はする。あくまで勝手な想像だが。

個人的には「改革」とか「刷新」とか耳障りのいい言葉に酔って、単に「若者」であることをもって、公約を見ようとしないのはどうかと思う。それは今の兵庫県知事、大阪府知事を見ればわかるだろう。

そして、「一度若者に託してみてください」という意見にまた騙されないように、実際に会った時の人柄やイメージだけでなく、日本国のことを考えて投票してほしいとは思う。

まあ、党員でもないのに大きなお世話でした。

以上、小泉親子、竹中平蔵憎しの戯言でした。

最後に今回の記事作成のきっかけについて。

実はSNSで小泉氏の公約を見た投稿者の意見に賛同し、小泉氏に対し強烈な怒りを覚え、危うく汚い言葉で投稿しそうになった。感情をぶつけるのを避けるため、ブログで何日か時間をかけて、冷静な時に記事を上げた。個人を誹謗中傷する気はない。党員の投票にあれこれいってはいけない。

ただ、思っていることを書くことができてスッキリした。

ちなみに、立憲民主党の方は、恐らく野田元首相が勝つのだろう。元首相が再び立候補するということは勝ち目がある、ということ。ただ、野田氏を支持する国会議員のなかに小沢一郎氏がいることが気になる。また、民主党時代の国民そっちのけの党内の内紛が始まる懸念がある。まだ日本は、小沢、小泉、安倍氏中心で回っているのかと暗澹たる気持ちになった。

野党は、維新の会が兵庫県知事と大阪万博の問題で今劣勢の状態。野党がどういう風に自民党と戦うか、その戦略も選挙結果に大きく影響するだろう。自民党の反対票が必ずしも立憲民主党共産党にくるわけではないことは、東京都知事選で判明している。

あとは、自分が投票できる衆議院選挙が開かれるのを待つ。