巧遅は拙速に如かず

仕事、自己啓発、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

「残クレアルファード」という揶揄と深層心理

今日は「残クレアルファード」というネットミームについてのお話。

9月に入ってから当初書いていたものを誤字を含めて、1万字未満にするために修正した。

ネットの流行語に興味がない人は、ここでブラウザバックを推奨。

 

前置き:残クレについての説明

さて、YouTubeでは「残クレアルファード」という歌が流れる動画の閲覧回数がものすごい数になっている。残価設定型クレジット、略称「残クレ」を利用して、高級大型車「アルファード」という購入する人たちを揶揄した歌である。

私が「残クレアルファード」という言葉を知ったのは、そもそも車を購入する際に販売店にて「残価設定型クレジット」なる仕組みを提案されたからだ。

正直、現金一括購入するつもりだが、販売店の店長から「オプションサービスも値引き額もアップするので、残価設定型クレジットの利用を一度検討してほしい。」といわれ、一回家に持ち帰って一度検討することにした。

しかし私はこの言葉を知らない。知らない言葉を聞いてすぐに断るのも、また受け入れるのもどうかと思い、検索してみることにした。セールスのいうことはメリットが中心。デメリットも知りたくなったのだ。

そしてYouTubeにたどり着いた。そこで仕組みをざっくり解説した動画を見て理解したところ、おススメ動画にこの歌が表示されて、「残クレアルファード」なるネットミームを知った。ちなみに、私は「アルファード」とは検索していないし、購入する気もなかった。「残クレ?アルファード?なにそれ?」が最初の印象である。

まず残価設定型クレジットについて、ざっくりと解説。

購入する*1車を3年or5年後(以下、3年後と略す)にディーラーが買い戻す*2ことを前提*3にして、車両価格から3年後の売却価格、つまり3年後に残った価格、略して”残価”を引いた金額に対し、月割りして、毎月固定金額をしていく制度。通常の「ローン」との違いは、その新車の価格から設定された残価を差し引いた金額から毎月払いしていくこと。これにより、新車そのものの価格を毎月払いするよりも、月々の支払い金額が減っていてお得…のようにみえること。残価を設定して、代金を後払いする、その後払いの方法月々の固定金額で、ということになる。そして3年後に返却か、買取かを選べること。その時に売却して、3年前の残価設定額より高く売れたら、実質的に安く乗ったことになること。

以上が、ネガティブな表現のない、ざっくりとした説明。

かつては「いつかはクラウン」といわれていた。これが収入がそこまで高くない若いときに高級車に乗れるので「今すぐアルファード」である。

一見、ローン払いを有利にした制度のように見えるが、そこには注意点がある。ここからはデメリットの説明。

まずは金利。高額な利息が乗っている場合が多い。但し、キャンペーンで低利息の場合や特典(オプションプレゼントや車両価格の値引き)があるし、ディーラーや車によって率も違う。一律〇%ではない。実際の利息と支払金額は自分で確認しておいたほうがよいだろう。

もう一つは3年後に返却するタイミングでのこと。3年後に返却するか買い取るかきめることになるのだが、買い取る場合は残価分を一括で支払い、返却するとしても残価が想定した価格より下落査定していた場合、その不足分を”一括”で支払うことになること。走行距離が多いほど車両価格が落ちるし、傷つけたり、汚したり、車内で煙草をすったりすると価格が落ちる。

この3年後に想定残価を下回った分の金額は”一括払い”する、というのが将来に不安を残す。走行距離が多い人や、運転が得意でない人は神経を使う。その一括払いに備えておけばいい、という反論もありそうだが、備えておくならば、現金一括払いや、金融機関からマイカーローンで支払ったほうがいい。あと、厳密には「残クレ」中の所有者はディーラー。ディーラーから借金して、毎月利息とともに定額の利用料を支払う仕組みである。

私の中では、クレジットカードの支払いで利息が発生する「リボ払い」と同じようなイメージ。一括払いならば支払い不要の利息を「リボ払い」を選択することで利息を払うことになる。その余分な出費という事実をわかりづらくするために、またはクレジットカード会社が「リボ払い」と表現し、さらには「スマート払い」とか「毎月定額払い」とか表現を言い換えて、借金に対する抵抗を減らす、巧みなやり方であるところも似ている。後は、2年後に返却する販売店で契約するスマホにも似ている。

この制度は、ディーラー(または自動車製造元の金融部門の会社)がより儲かる制度。収入が低い若い人に高級車購入を促せる制度。残クレを思いついて導入した人、会社は商才がある。また、現金一括払いをしようとしても、アルファードという人気車種は「残クレ」を利用する人よりも納期が遅れる場合があるため、仕方なく「残クレ」を利用する人もいるらしい。

本題:残クレアルファードというネットミームは「嫉妬」が原因か

前置きが長くなったが、ここからが記事の本題である。

この「残クレアルファード」に対してとあるネットの記事をみた。3年間「残クレアルファード」に乗り、その後、別のファミリーカーを購入した夫婦の話。

「残クレアルファード」とバカにする人は、自分たちへの「嫉妬」から、そのような言い方をするのだ、とその夫婦は反論していた。アルファードに乗っている自分たち家族が羨ましいからだと。高額な利息を払っていることや、3年後の一括払いのリスクも承知のうえで、アルファードを、今、利用する価値があると自分たちで判断したのだから、それに文句をいわれる筋合いはない。だから、その指摘をする人は自分たちに「嫉妬」しているだけだ、と。

はて?「残クレアルファードを馬鹿にする人間は、皆”嫉妬心”から馬鹿にしているのか?」

まず、”嫉妬”という言葉を、国語辞典から引用する。

嫉妬

自分よりすぐれている人をうらやみねたむこと。「他人出世嫉妬する」
2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。やきもち。悋気りんき。「夫の浮気相手に嫉妬する」

この場合は上記の1のことを指すのだろう。”自分よりすぐれている人を…”

はて?自分よりすぐれている???

本題に入る前にお断り。

夫婦のいうとおり、他人の消費活動に対して、赤の他人が文句をいう筋合いなどない。現実社会で、アルファードを運転している人に対して「残クレアルファード(笑)」と言う人など殆どいなかろう。どんな車に乗ろうとも個人の自由である。

そして流行した理由。本人に直接言わないような言葉が、ネットでは流行るということは、視聴者の本音に刺さった、ということ。また、「残クレアルファード」という曲の出来の良さ。社会風刺、コミックソングでありながら、メロディも歌詞もキャッチーで記憶に残る。プロが作ったのかと思うぐらいの出来。「アルファードを外で見ると、この曲が頭に流れてくるようになった」というYouTubeのコメントは、この曲のインパクトの大きさを示しているだろう。他の車の曲と比較して再生回数が群を抜いて多いのにはわけがある。ただ、調べてみると「残クレアルファード」以外も、車ごとに揶揄した曲はたくさんあるようだ。だが「残クレアルファード」の曲が群を抜いて視聴回数がある。ただ曲がいい、というだけの理由にはならない。

「嫉妬」の話に戻ろう。

たしかに「嫉妬」、つまり優れていることを羨んで言っている人もいるのだろう。ただし、それは、私は世界中の人の心の中を知らないから。

だが、私は「嫉妬」が理由で馬鹿にしていない人のほうが多いのではないか、とも思っている。もし「嫉妬」するとしたら、「残クレアルファード」ではなく、「家族」に対してだと思う。「家族で楽しくドライブしている幸せ」に対してだろう。多分、シエンタ、フリード、ボクシー、ステップワゴンなど他の車でも嫉妬する。というか、別の車で家計に優しい価格でかつ座席も乗りやすい車のほうが嫉妬する。嫉妬の対象は「残クレをしてまで借りた高級車、アルファードに乗っていること」ではない。

私から見れば、アルファードという高級大型車は、自分の今の生活、周囲の狭い道路を考えれば、使い勝手の悪い大型車。駐車場も狭いのでキツイ。加えて燃費も悪く、運転手からみて視認性も悪いと聞く。そして、なによりあのイカツいフロントのデザイン。あのデザインは好みがわかれる。

私は今のアルファードという車に対して「嫉妬」を覚えたことはただの1度もない。

YouTubeでたまたまその存在を知って、確かに街中でアルファードを多く見かけることに気づいたぐらいなので、全く興味のないもの、大型車のひとつであるが、フロントを見ない限りは他の車と区別もつかない車に対して「嫉妬」の対象になるわけがない。

「嫉妬」で言っているのではなく、この歌における「残クレアルファード」は、古物商に言われて相場より高い値で骨董品を買う人、ブランド品を借金してまで買う人、その機能を十分に使いこなせないのに携帯ショップの高額かつ複雑怪奇な料金設定でIphoneの最新の最上位モデルを毎年か2年ぐらいの期間で買い換えている人に対して抱く感情に近い。

iphoneの最新機種をわざわざ一番価格が高い販売店で購入したり、不要な縛りをかけたり、2年で返却する契約を結んだ人に、appleで直接購入して、一番安い回線料金で契約した人が、わざわざ不利な契約をした人に対して嫉妬するだろうか?

なぜ、そこまでiphoneの最新機種に拘る?月々の支払に拘る?という素朴な疑問をもつし、iphone以外でもスマホはある。この指摘がiphoneからアルファードに変わった、という認識である。

ただ、現実でバカにはしたことはない。

ネット情報では、自身の収入に見合わない高級品を多額の利息を払い、借金をしてまで乗っているらしい『見栄っ張り』というネットという狭い世界で笑いのネタになっているのに過ぎない。

ちなみに別の記事では、独身でアルファードを現金一括払いで買ったことを会社の同僚にアピールしている人間が、会社で「後部座席に乗せる人もいないのに、見栄を張ってアルファードに乗っている」と馬鹿にされて、よく考えれば自分の生活にとって不要で、かつ維持費も高いことに気づき、数年後に他の車に乗り換えた、という記事もある。インターネットの世界では「見栄っ張り」を象徴する車になったようだ。

残クレという制度を理解し納得しているのか?

最初に話を戻す。

「残クレ」なるものを調べたし、利息を含めたトータルの支払金額を確認し、ディーラーに直接質問した。その結果、その利息を支払ってまでも「残クレ」を選ぶ理由がなかった。ぶっちゃけ金に苦労していない。個人で3年間、”借りている”状態は希望していない。

尚、トヨタのホームページの価格を見る限りアルファードを現金一括で払える現預金はあるので貧乏人の僻みでもない。ただ、あの値段を払ってまで欲しいとは思わない。

そして「残クレ」なる制度をディーラーから言われるがままに使わなくて良かったとは思う。ディーラー、それを商売としている企業はホームページでもメリットを強調してそのデメリットはいわないものなので、YouTubeでの情報提供が自分には役立った。正直金融機関による「マイカーローン」とどう違うのかもわからなかったし、「サブスク」との違いもわからなかった。その違いを知るきっかけになったので、よい情報提供だとは思う。

とあるユーチューバーが「結局、どんなことでも、誰かの意見を鵜呑みにせず、自分で計算してみたり、他人の意見を聞いたり、自ら勉強して判断すればいい」という発言をしていたが、この考えが正解だと思う。

「残クレを利用する奴はバカ」という他人の一言で断念するよりも、自分でその利息金額を確認するのが一番である。ディーラーにいえば利息金額を教えてもらえるはずだ。

それで比較して、自分の資金力と状況、自分の車の乗り方を含めて検討してみたらいい。納期が早まるのなら、100万円ぐらいの利息の上乗せぐらい大した金額ではない、早期納車オプションみたいなもの、と思う人もいるだろうし、全員にとって受け入れられないことではないはずだ。

車の購入で現金払いはバカというのは本当か?

さて、YouTubeで「残クレ」で検索すると、某実業家の「車を現金で買う奴はバカ」という発言の”切り抜き”か、ショート動画もおすすめされる。これも視聴回数が多い。残クレアルファードの歌と同じで、車の買い方で刺激されるからだろう。この実業家のいっていることは、タイトルどおり、現金一括払いなんてバカだといっているが、「残クレ」のほうがいい、とはいっていなかったと思う。

実業家の意見は、社用車、個人事業主高所得者高額納税者)、投資家目線での意見だろう。経営者、事業主、法人の経理処理という事務負担と、税金の計算と負担を考えれば、その意見に賛同する人も多かろう。

ただ切り抜きでも、現金払いが馬鹿だと言っている理由は、「車のローンの金利は融資と比べて格段に低いのだから、その安い利息をもって車を借りて、現金は別のことに投資して利益あげたほうが儲けが増える。」といっていた気がする。つまりは、「現金払いより”経済的”」、そっちのほうが安い、といっている。数年ごとに新車に乗りたいとも言っていた気がする。(たしかこの実業家は自家用ジェット機を所有できるほどの大金持ち。そんな大金持ちからしたら車など安いもの。彼の意見は一般人の参考にならないと私は思うが。)

つまりは、金銭的に得な手段は何かという話。借金したほうがいい、という話ではない。払う必要のない高い利息を余計に払うことを薦めている話ではないだろう。

尚、この実業家とか、他人の感情を逆なでさせて閲覧数を稼ぐスタイルの投稿者の動画を見るのは価値がないと私は思っており、彼が発信するYouTubeはブロックしているので、あくまでたまたま表示されてみたショート動画と、他の方の動画での解説を見た限りの話である。

車の価格は下げようと思えばどこまでも下がる

車の価格というのは、ディーラーの見積もり料金については、削ろうと思えばいくらでも削れる要素はある。オプションなんてほぼ外しても車は動く。またその前に乗っていた車の売却に関してもより高額で買い取ってもらえれば、トータルで安くなる。安く買おうと思えばいくらでも安くできる。なぜそれをアピールするかというと、同じ車をいいかに安く買った、と他人に対してマウントがとれるからだ。

ただ、値下げを突き詰めていくと、安くなる分、車を修理できる知識と技術、交渉・比較検討する時間、面倒な手続き、トラブル発生時の対応の発生など余計な時間と疲労が増えていく面もある。ひとことで言えば、面倒や苦労の時間と料金を天秤にかけてどちらを優先するかの選択。安くすれば、汚れやすい、壊れた時の対処を自分でしないといけないなど、掃除や手入れに時間とお金がかかるというデメリットもでてくる。どこで折り合いをつけるか、何を優先するかは各自の判断であろう。

ローンで借りて、手もとにある現預金で投資する考えは万人向けか

また某実業家たちのいう「ローンやサブスクなどで、低利息で借りて、その分現金を投資に回せばいい」という考えもある。だが、残クレより、大抵の場合金融機関のローンのほうが安いのだから、投資に回したいのならば、残高クレジットよりマイカーローンを利用すればいいし、そのローンを組めないのならば、金融機関が所有者の収入にみあっていないという判断をしているということなので、その車を買うのはやめたほうがいい、という意見も尤もだと思う。

それに、何に投資するのだろうか?利率が3%だとしても、3年間で毎年4%以上投資で利益を上げようとするのは素人にはかなり大変。ただ法人や事業主の場合は、資金繰りの関係で現預金を残す価値はあると思う。

あと、昨今のインフレを考えて、現金払いするために貯金する間にインフレが進む可能性もあるので、今後車の値段と利息が上がっていく前に借りておく、という考え方もあろう。

YouTubeで「残クレ」が流行る理由の考察

では、なぜユーチューバーは、この残高クレジットに対して否定的な意見を述べ、悪く言えば、騙されている情弱扱いをしてくるか?

一番の理由は、その投稿が閲覧数が稼げるからであろう。彼らの商売は閲覧数を増やして広告収入を手に入れること。他、自己の専門知識を披露することへの優越感、値段を吹っ掛けるディーラーに対する不満、などが考えられる。

では、なぜ閲覧数が増えるか?

まずは「残クレ」なるものに対してデメリットを知りたい人がいるから。「残クレ」と検索すれば、お得な制度だと案内される。生成AIで調べても同じ。生成AIは悪口を言わない。

そこでYouTubeとか、ネットの匿名サイトで調べる。すると、YouTubeで調べると、車関係で商売をしている投稿者以外のほとんどが「残クレ」に否定的な意見を言っている。それに、企業に遠慮した広告塔のような発言をユーチューバーには求めていない。

他の車の批評や歌と比べて、残クレアルファードの視聴回数が軒並み多いのは、「周囲に見栄を張ったため、販売店舗の旨いセールスに乗せられて、損をする人」という話は、

他人からしたら笑える話である。笑える話を提供して閲覧数を稼いだ、ということだろう。

「チー牛」「豚丼」「弱者男性」とか他人を馬鹿にする蔑称はネットで流行る。その一つが「残クレアルファード」という言葉なのだろう。

車なんて所詮は社会的地位をアピールする手段か、自己満足

思うに、車というのは、他者と比較して自分たちのほうが格上だと思わせる商品の一つである。他者とのマウント合戦に利用する消耗品だ。(ほかはタワーマンション、腕時計、ブランド品など)

自分のほうが、あるいは、自分の配偶者のほうが高所得者だと見せびらかしたい、優越感を得たいがため。

家族のためという方便で、子供のお迎えの車が並ぶ際のマウント合戦に勝つため。

他人の収入はわからないが、所有している物でどちらが高所得者か比較できる。お迎えの期間だけマウントのとれるアルファードに乗れればいいから、3年返却でいいのだ。皆がアルファードに乗っている中で、軽自動車でお迎えなどしたら、子どもが、いや自分が恥をかく。

嫉妬しているというより、周りの評価と誰が優れているかという嫉妬を気にしているのは「残クレアルファード」に乗っている人のほうで、残クレだろうと現金一括であろうと、軽々とアルファードまたはそれ以上の高額高級車を購入できる人はなんとも思わないのでは?

アルファードは実用性があるからという反論もあろう。ただきな車ならば、残クレを利用してまでアルファードを買わなくても、安い車はいくらでもある。中古車もある。3年しか乗らず、そしてその後安い車に乗り換えるのならば、それは他人と比較して優越感を得たいから「残クレアルファード」に乗っているのだと、思われても仕方がなかろう。

若いうちに高所得者として誇示したい人に対して、ディーラーが提供した仕組みが残価設定型クレジット。利息に対する知識のない人には後から落とし穴が待っている可能性のある仕組みではあるが、アルファードという車自体がそれだけ若者にとって魅力があるから利用される。

「残クレアルファード」というネットミームは、アルファードに乗ることで自分が高所得者だと見せびらかしたい人に対して、それは「残クレ」を使って所得があるかのように見せているだけだろうと揶揄したい心理が働くのだろう。

この車に乗りたいというシンプルな動機なら、他人の批判など気にならないはず

アルファードを購入する人の中には自分が乗りたいから乗る、という人もいるだろう。そういう人はネットでそんな意見は目に入ったとしても他人のいうことなど気にも留めない。それに残価クレジットであろうと、現金一括であろうとも、自身の所得と資産からしたらアルファード程度の金額などすぐに稼げる人もいる。100万円程度の利息など屁でもないような高所得者に対して「残クレアルファード」と決めつけバカにしたら、バカにしたほうが惨めになる。

ただ、残クレアルファードの歌の歌詞にあるように

アルファードは公道ヒエラルキーの最高峰♪軽が道を譲ってドヤ顔♪」

と優越感を感じたいために、自分たちの収入に見合わない高級車を”借りた”人。周囲の人間は「嫉妬」しているのではなく、見栄っ張りな人間に対する「嘲笑」の対象にしている、と私は思う。

アルファードは狭い道、近所の買い物に不釣り合い。燃費も悪い。ただし、後部座席の座席は豪華なので後部座席にたびたび載せる人がいてこその車だと私は思う。

それにYouTubeとかSNSがなければ、そこまでネタにされていない。SNSが常に他者と自分、どちらが優れているか、というマウント合戦に使われるツールであることから、自分は秀でた存在だと他者にマウントをとる人間がいれば、それに対して足元をすくうことでスカッとするマウント返しもある。マウントの取り合いに過度に踊らされ、心が揺さぶられるのならば、いうほうもいわれるほうも、どっちもどっちであろう。

「正義感」から「残クレ」の問題点を指摘し、啓蒙したいというのもちょっとズレている。別に赤の他人が余分な利息を払おうとも、高値で中古で売って、安上がりで高級車に乗ろうとも、本当はどうでもいい。ただ、「見栄っ張り」な他人を、安易な儲け話に乗って大損した人のように、嘲笑したいというのが人間の本音である。あとは、ディーラーに対して思うところがあるのだろう。

ネットの「フィルターバブル」とかいっている記事をみたが、あれはもっと的外れ。「フィルターバブル」とか、「ネットの正義感は9割嫉妬」、とかいいつつ、記事を書いた人がSNSに恨みをもっているのだろう。ネットに記事をあげておきながら、ネットを批判して飯の種にする、ちゃんちゃらおかしい記事で論ずるに値しない。

最後に 粗い運転手たちへの不満がネットという世界で笑いのネタにされただけだ

長々と書いたが、別に「残クレアルファード」を馬鹿にする意図はもともとない。

他人がどんな車に乗ろうが心底どうでもいい。

この記事は、アルファードに乗っている自分たちに「嫉妬」しているから生み出された言葉が「残クレアルファードだ」という意見に異を唱えたかっただけだ。嫉妬ではなく、不満と笑いの対象にネットにされたのが理由。特に運転の粗いアルファード乗りに対する怒りと不満をつかんで、笑いのネタに昇華されたのだと私は思う。

自動車は、YouTubeで検索すれば、どこかで誰かが車をディスっている。車を持っていない人もディスっている。何に乗ろうが乗らまいが、誰かが馬鹿にする世界である。それにどの車でも他車と比べれば劣る点はある。全部ハイグレードならば、価格でディスられる。そんなの気にする必要などない。

ただネットミームは「残クレアルファード」に限ったことではない。現実社会でドヤってる、イキってる、優秀であり、他人を劣等種扱いする人間に内心怒っている人は少なくない。そのはけ口にネットはなっている。(誹謗中傷は行き過ぎだが)

後、アルファードが「公道ヒエラルキーの最高峰」などと思ったこともないし、アルファードだからという理由で道を譲った記憶もない。譲るのは、道も譲らない、煽り運転しそうなヤバい運転手、と思われているだけである。

アルファードはいい車だという意見に対して否定する気もない。実際いい車だからあんなに街中で見るのだろう。

後、テレビだったら、トヨタの車にこんな揶揄をしたら、CMが引っ込んでしまうので決して流行ることはなかろう。トヨタの定額払いサービス「KINTO」も人を選ぶ。天下のトヨタのやり方に異を唱えることができる。そこにYouTubeという媒体の凄さを感じるのである。

それに自分の実生活に影響のない批判など、「嫉妬」という理由で自己防衛しなくても、無視すればいい。もし陰で批判されているのならば、近所・保育園・道でドヤっているからなんじゃね?それは「アルファード」のせいではなく、運転者とその家族の人間性の問題である。

追記 運転の粗い人間達が嫌いなだけである

9月に思いついたので追記。色々理由を捏ねたが、結局のところは、運転の粗い運転手が嫌い→アルファードが多い印象がある→残クレアルファードという曲と制度解説で、馬鹿にできる、笑いのネタにできる→嫌いな人間達を笑いのネタにされていたので、痛快なので、閲覧数が伸びた、ということだと思う。

その心理は、かつて「暴走族」を、「珍走団」という呼び名にして笑い者にしようというネットの流行となったのと同じである。不快なものを笑いにできた人がいることで、より笑いが広まった、というとであろう。

*1:(厳密にいうとディーラーに所有権が残っているので借りている状態)

*2:(借りる契約が終了する)

*3:(買い取り制度などの例外あり)