けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

人に反応しない

人は夜に不安になるというが、私は何故か睡眠中の朝方に不安で起きる。理由はわかっていない。ただ、どれだけ不安になる原理を調べても、日中不安にならないように今に集中していても、睡眠中の頭の中をコントロールすることはできない。多分深層心理の中で不安でたまらないからなのだろうと思う。

どうして不安が収まらないのか?不安というのは未来に対しての意識であり、今現在起きていることへの危機感とは異なる。未来を悲観的にとらえているから、不安になるのだろう。

そんな時、メンタル疾患になった時の主治医から聞かされた言葉を思い出す。

「メンタル疾患の原因は所謂ストレス。そしてストレスは100%人間関係に起因する」と断言された。今流行の9割ではなく100%。つまり人と接するからストレスが発生する。どうすればよいのか?と主治医に尋ねた。その時、主治医は言葉でなく絵で回答した。その絵がすべてだと言われた。

その絵には、ストレスが発生している状態が描かれていた。

・人から悪くいわれることで、怒ったり、落ち込んだりする。

・人から評価されることで、喜ぶ。

・人から無視されることで、不安になり、落ち込む。

そしてストレスをなくす究極的な方法はこの逆になる。

・人から悪く言われても、動じない。

・人から褒められても、反応しない。

・人から無視されても、そのままにしておく。

つまり人に反応しない。それがストレスを減らすための唯一無二の方法である、と。

どうも腑に落ちなかった。人と接するのを辞めればよいとは思えなかったからである。すると主治医からとある映画を紹介された。

その映画のタイトルは忘れたが、武士の時代に仏教で悟りを開いた人の話であった。和尚には、悩める人が訪ねてくる。そのなかに、子どもが病で死にそうだから助けてほしいと懇願する母親がいた。その母親に和尚はこう答えた「あるがまま」と。

母親は怒り狂った。「何も解決していない。薄情、人でなし!」と。だがその和尚が何も意に介さない。どうなろうと、その結果を受け入れる、それが「あるがまま」であると。

多分人間の悩みというのは、自分で解決できないものを解決しようとするから悩む。自分では解決できないものを悩んでもどうしようもない。「あるがまま」だとその結果を受け入れることで悩みは消えていく。

孤独にさいなまれる人がいる。誰も人と会っていないのになぜ孤独という悩みを抱くのか?それは他の人と比較することで孤独を感じているから。比較する他人がいなければ孤独は感じない。孤独が悩みにならない。

人をどうこうしようと思うから、人に期待するから、人と同等かそれ以上になろうとするから、人に悪くいわれたくないと思うから、人に嫌われたくないから、悩み、ストレスになる。どうなろうと「あるがまま」と思えば、その悩みは消える。

こういう考えは自己成長を止めるのではないかと考えるが、これも他人と比較し他人より優れようとする自己成長と、自分がこうしたいと思って実施する自己成長は別物である。その結果が目標に達せなくても「あるがまま」と思えば、悩むことはなくなる。

最後に。主治医はそういう発言をした後、こう付け加えた。その領域に達することができる人は悟りを開いた人で、人類のうちのほんの数人だけだ、と。だから99%以上の人は悩むし、他人からの心理的影響を消しさることはできない。だが、それも「あるがまま」である。

ただ、その悩みの状態、ストレス状態から回復することは誰でも可能。その悩む時間を短縮できれば、精神を病むほどのストレス状態からは抜け出せる。一般人がそう簡単に悟りを開けるわけがない。ただ、この原理を知って、自分が人に反応していることに気づいて、ストレス状態からできるだけ早く脱することができれば、メンタル疾患になりにくいし、改善していくだろう、と。