巧遅は拙速に如かず。急いては事を仕損じる。

仕事とメンタル不調に関する思考バイアスに自分で気づくための日記帳

流行りのカタカナ言葉を使用すれば、そこで思考は停止する。

とあるユーチューバーの動画を見ていた時に以下のような趣旨の発言を聞いた。

「日本語でいえる言葉をあえて今流行しているカタカナ語(横文字)を使うのはやめたほうがいい。便利な言葉に逃げてはだめ。その先のことまで考えていない。物事の本質を理解できていない。」*1

アグリー。強く同意する。我が意を得たり。

要するに、そのカタカナ語を使うことで分かった気になり、虚栄心を満たし、相手より見識をもっているかのように錯覚し、その言葉の意味を知らない人よりも自分のほうが頭がいい、知識がある、物事を理解している、という自己陶酔に浸っているわけである。

しかし、そこで会話は、議論は終了である。具体的には、わざわざそのカタカナ語を使うことで話の本筋、本質を踏まえた話し合いはストップする。これはその言葉をどう定義するか、すり合わせるか、という話の本筋から離れたところに話がいくし、「時間の無駄だし、もういいや」ということになる。話が本筋に戻ることはほぼない。

もしカタカナ語を使ったことで自分が相手を「論破」しているように思えていたのなら、それは違う。詳しい人が聞けば、そこで自分が話している話の本質を理解していないことが丸わかりなのである。日本語で置き換えたら、中身がまるでないこと、そこが浅いことが丸わかりなのである。

結果、相手と議論をして、より良い話し合い、つまり今後の解決策を相互で理解し次の行動に移す、といった「なんのために議論するか」という話し合いの目的はどこかにいってしまう。

話をまとめたいのではない。解決策をまとめたいのではない。まず第1に自分の知識、見識のなさがばれるのが怖いから、カタカナ語を使って煙に巻くのである。物事を自分の脳みそを使って思考しようとするなら、解決策を話し相手と話しあいたいのならば、横文字に逃げてはだめ。

別にカタカナ語だけではない。宮〇氏などの学者が使う、辞書を引かないとわからないような難解な日本語も理屈も同じ。相手と話す気がない。一方的な知識自慢。その根底は自分の虚栄心を満たしたい。自分は博識なんだと一目置かれたい。見下されたくない、という心理のほうが強い。一部は思惑通り「あの人は博識なんだ」と誤解するが、わかっている人には「ああ、特に解決策がないということを隠したいんだな、見栄を張っているな。小心者なんだな。」とバレる。

こういっても具体的には伝わらないかもしれない。より分かりやすい例えとして、「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」というラノベ、アニメに出てくる玉縄というた学校の生徒会長の話がでてくる回を見てもらうとすごく伝わると思う。

ストーリをざっくり説明すると、2つの学校共同でクリスマスイベントで何をするかという話し合いをしているのに、カタカナ語を連発し、結果、何も具体的なイベント案が提示されず、会議の時間だけが過ぎていく、という皮肉を込めたコメディーシーンである。最終的にはヒロインに「何をいっているかわからない」と直球を投げられて、カタカナ語を使わない人たちだけでイベントが決まる。小説の主人公は高校生だが、大人社会の会議での皮肉たっぷりのお笑いシーンだ。

え?アニメやラノベなんて、子供向けのものは見ない?

直球でいうと、子供向けのアニメやラノベよりも、子供よりも、実社会でカタカナ語を使っている人間のほうが馬鹿だといっているのだ。

具体例をあげよう。

「コストプッシュ・インフレ」と学者がYouTubeとかSNSという短い時間内で最近言っているのを聞いて、そのままその言葉を真似て使うことで理解した気になっているが、その実態はただ学者の意見を丸パクリする人。つまり、自分で理解していない。自分の言葉で話していない。反論されても、それ以上は意見がいえない。なぜなら、学者のいっていることをパクっただけだから。自分で考えていないから。

インフレとは何かと知識があるように話しても、インフレについてどんな過去の実例があるか、とか複数の事例と想定について話が広がっていけば、インフレについてヒトラー以前のドイツのインフレぐらいしか知らないから話が広がらない。知らない言葉を覚えたことで満足し、知らない言葉を使えたことで満足して、そこで思考が、知識が止まっているから。知識が広がっていかない、インフレの仕組みもしらない。複数の意見や事例を調べて想定もできない、思考もできない。「コストプッシュインフレだから悪いインフレ」という話ししかできない。

だがインフレというと話が広げられない、知識がないことがわかるが「コストプッシュインフレ」といえばさも知識があるかのように虚栄心を満たされる。人に自慢できる。見下されない。そんなところだ。

以上は前置き。別にコストプッシュインフレについて語りたいわけではないし、本筋はそのYouTubeでの投稿者と視聴者を馬鹿にしたいわけではない。自分の職場という実生活の話がいいたいことである。

私の職場には、とんでもない阿呆がいる。ノイズハラスメント男、通称オナニーマスターKがいる。最近、他の労働者から「(自説を延々と大声で話して、周りの人が迷惑していることも理解できない)常識がない男」という称号もゲットしていた。

そのオナニーマスターの口癖が以下の3つである。
「なるほど、なるほど」
「そのエビデンスは・・・」
「その説明だと”マル”」

これを顧客や年下の同僚にいう。(私には、また仕事場でオナニーしているのか?と言われるので言わない。論破したいのではなく、自分のほうが上だとアピールしたいからである。)それに対するもやもやをやっと他の動画を通じて言語化してもらった気分である。

「なるほど」という下の人間が言っていることを私は理解しましたよ、という意味の言葉を2回も繰り返すことで、自分のほうが意見を「組み入れてあげる」、上の立場にいるというをアピールし、

エビデンス」というカタカナ語を使って自分が博識であることをアピールし、

「マル」(逆の場合はバツという。多分、了承しました、という言葉を使いたくないのだろう)という、なぜか急に小学生や幼稚園児に語り掛けるかのように相手の言動の判定をすることで自分が裁定を下せる立場であるかのようにアピールし、

3回自分のほうが上だとアピールする年上だが権限もない平社員に対して、不快に感じる理由が理解できた、というお話である。

 

kesera22.hatenablog.com

 

*1:YouTubeの投稿者に迷惑をかけないように表現を変えていて、かつ、意訳している。