9連休が始まってから、久しぶりにボチボチと転職関係の本や動画を見ている。
それによって気づいたことをまとめた記事である。
前置き:転職面接で突破するための能力と、転職先で長く滞在できる能力は異なる
動画や本は、
①退職・転職するかどうか判断基準について
②転職するための面接について
③転職先の企業選びについて
のいづれかの場合が多い。
①の退職するかどうかと、③の転職先の企業選びについては、自分の内面や自分のスキルや得意なことなどの話が中心。自分中心。自分が何をやりたいか、今の仕事が嫌な理由で判断しろ、などの話がでてくる。
そして、転職すると決めた場合は、②転職するための面接についての話になるのだが、ここで①③と違い、視点は企業側の事情に変わる。②のフェーズでは、求職者の心の中、何がやりたいか、何を人生で重視するかなどは、正直企業側にとってみればぶっちゃけどうでもいい。簡潔に言えば、企業側からすれば、あなたが求める人材に合致するかどうか、働いて結果を出してくれるかどうかが全てである。
この両方を同時に見ていると正直いって混乱し萎える。だが、この両方を知らずして退職という手段には移れない。今の仕事が我慢だけして進歩がない場合は転職推奨ではあるが、転職しても、退職理由が後ろ向きで、今の職でなにも得るものがなかったならば、転職先でアピールすることがなく、面接で落ちるだけである。かといって焦ってとにかく受かればいいとハードルを下げれば、また我慢の日々が職場を変えて続くだけで何も変わらない。
どうしようもないと心折れる場合がある。だが、今の職場で中途採用の人を見てみると考えは変わってくると思う。
転職してきた中途採用の人が、とんでもない成果をあげている人ばかりであろうか?殆どが入社してすぐには成果を上げていないことに気づくはずだ。最初は既存の社員から、期待外れだとか、悪口とか言われる。悪口とまでは行かないが、期待通り、期待以上だと高評価される人など殆どいない。採用は何を見ているんだ?と言われる始末。
だが半年ぐらいたってみるといつの間にか職場に溶け込んでいく人、仲間として扱われている人はそれなりにいる。この人たちが転職に成功した人達である。
そそもそも最初から大活躍する人など大谷翔平選手ぐらいではないか?それぐらいいない。もしいたとしても、最初からそれだけ活躍する人は意外と社内で方針をめぐってトラブルとなったり、さらなるステップアップを求めて転職していく。
転職して生き残る人は、専門性がある人でも成果をすぐに上げられる人でもなく、職場に溶け込む能力、柔軟性、またはへこたれないメンタルを持っている人である。
つまり、採用される能力、と転職先で居続けられる能力は、異なると考えたほうがいい。
だから退職する場合にあっても、変化に対応できる柔軟性と、すぐに対応できなくても凹まないメンタル、焦らない性格は身につけておくにどんな状況になっても損はない。
前置きが長くなった。今回はそんな転職先で生き残る能力の話ではなく、採用面接を突破する能力の話である。
まずは3つの大前提をおさらい
転職面接にあっては、
①期待する成果をだせる人物かどうか
②組織の一人として迎えたい人物かどうか
③中長期的に活躍が期待できる人物かどうか
の3つの基準に当てはまることが重要である。これは過去の記事も書いてきたことである。①と③は面接や書類選考の課程でどうアピールできるか、そしてその根拠をこれまでの経験をもとに説得できるかどうかにかかってくる。
厄介なのは②。組織のメンバーの一員として貢献できるか、と言うのは、現状の組織の人員構成がかなり重要になってくる。例えば今のメンバーに高年齢の人間は不要な場合は、高年齢の人はどんなに①と③が上手くアピールできても不合格である。一方、若手がとにかくほしいというところは、①と③がへっぽこでも合格できる。
②は要するに企業側の事情なのである。だから、求職者からしたら、どうにもならない面がある。ただ、仕事を探すほうだって希望があるのだから、企業側だって希望がある。応募する前にそれがわかるのならば、時間の無駄は省ける、と前向きにとらえることができる。*1
最近知った新たな視点
さて、上記までは過去の記事で書いた事項であるし、過去の面接でわかったことである。これからは最近知った考え方。勿論、全企業で当てはまるわけ考え方ではないことはあらかじめご了承いただきたい。先に述べたとおりに、現状の構成メンバーに加えたいピースとなり得たら、どんな考えでも受かる可能性があるからである。
自分という存在を他人にさらけ出せるか
これは独立したい人、稼ぎたい人に必須な事項である。よくユーチューバーとかブロガーでもそうであるが、自分と言う存在をさらけ出す、つまり表舞台に立つ覚悟ができていることが必要だということである。
高い能力が必要なのではない。他人から認知してもらうためには、まず自分から自分の存在を知らしめる行動が必要だということである。
完全な自分、専門家として間違いのない自分をアピールするのではない。
ミスをして他人から批判される。相手にされず無視されたりする。間違いを認め謝罪する。
そういう恥をかく覚悟があるか、ということである。恥をかく覚悟がある人間は強い。つまるところ、失敗を恐れない、挑戦できる人は、恥をかいても表舞台に立ち続ける覚悟を持っている、ということだ。
スキルとか専門性を磨いても、表舞台にたってアピールできなければ、他人にはそのスキルはわからないのだ。
どんな価値を顧客や会社に提供できるのか
稼げる資格とかが特集されたりする。でもいざその稼げる資格をゲットしても食べていけないと先駆者に言われる場合がある。
それは何故か?
単純にその資格を持っていても仕事は舞い込んでこないからである。舞い込んでくるのは、慢性的な人手不足であり、仕事をするにあたって資格が必要であり、かつ頭数が組織として必要な看護師、保育士ぐらいだろうか。介護の資格の最上位でもあるケアマネージャーだって、そのケアマネージャーを持っていたとしても仕事は舞い込んでこない。
その資格であなたが顧客にどんな価値、どんなモノやサービス、どれだけ利益を提供できるか、そしてそれを効果的にアピールできた後にその資格の価値が発揮される。資格は提供できる”サービス”でしかない。
資格に限ったことではない。スキルや経験もそうである。そのスキルや経験をもって、どんな価値を提供してできるのか?ふんぞり返ってもその仕事は振ってこない。
ふんぞり返って仕事がしたいならば、絶対クビにならない公務員か、マスコミに忖度してもらえる芸能事務所に在籍する芸能人になるか、年功序列の会社で上司のご機嫌を取って今の会社に長く居座るのが一番簡単だ。
専門性やマネジメント経験は面接では殆ど重視されていない
私はこの考えを聞いた時に驚いた。いや、転職面接で受かるのは、専門性やマネジメント経験でしょ?と。でもどうやら違うようで、専門性やマネジメントなどそれほど転職先は希望していないらしい。勿論一から教えないといけない未経験者だと話は別だが、一からおしえなくていいぐらいの経験があればよいらしい。逆に前職で活かされた高い専門性やマネジメント経験は、転職先では機能しない確率の方が高いらしい。だから、専門性やマネジメント経験はそれほど重要視されない。あればよくて、そこから柔軟に自社に合わせられるか、と言う方が重要のようだ。
…いや、うちの人事、それで、前職のやり方に固執する中途採用者のせいで組織運営に支障をきたしているのだが?と思ったが、そういう失敗を経て、高い専門性やマネジメント経験を重要視されなくなったのかもしれない。
尚繰り返し補足するが、だからといっても、未経験の職種の採用は今でも厳しい。
親の介護に追われている時の転職は避けるべき
上の文章に「長く働いてもらえるか」に近い考えなのだが、しょっちゅう欠勤されてはたまらない。能力以前の問題である。例え公的企業であっても、仕事に来られない日が不定期にある人は不要である。業務が遂行できないし、周りにも迷惑が掛かる。だから、「欠勤しないこと」は問答無用の最低ラインの採用基準である。
病気は自分の経験からわかってはいたし、誰もが理解するだろうが、親や伴侶の介護に関しても採用側にとって見たら「長く働いてくれる」かどうかの懸念材料であることを知った。
介護の負担というのは綺麗ごとではない。介護は老齢だけではなく病気による介護もある。介護で休むとか、介護で退職した、とかいうと、介護サービスを受けなくて介護を他人に預けるのは恥だと思って自分だけで背負ったからだ、というコメントを聞く場合があるが、一概にそうはいえないのは経験者ならわかるはずだ。
介護サービスを受けるにあたっては介護事業所の選定が必要である。介護サービス中も何かあったら呼び出される。施設に入れるにも選定と手続きがいる。デイサービス、デイケアに行っても夜8時まで実施するところなどそうそうない。訪問介護は担い手不足と介護報酬不足で限界が来ている。デイサービスなどは16時に終わる場合が多い。だとしたらフルタイム勤務、ましては残業などできない。
介護休暇制度は毎年拡充してきているが、まだまだ仕事をしながらではキツイのが現状だという証拠でもある。それまで成果をあげていて、組織の一員として認められている会社に在籍しているのならば、ある程度は許容されるが(親と伴侶が存命している限り、皆が介護する側にいつかは回ってくる可能性があるから)、転職面接時に介護中だとなると話は別である。休むことが確実な人は、介護の時間を計算できるぐらいもう少し時期を見たほうがいい、と言う話。
ちなみに、私は3年前の年末には3月末に退職を考えていたが、1月に親が緊急入院したので退職転職を先送りにした。その理由は入院後介護が必要になる可能性があったからである。
結局は、あなたという人間を信用、信頼できるか
長々と書いてきたが、結局はこれ。採用担当者、責任者があなたを見て、信用がおけると判断できるかどうかである。能力より、信用できる人物かどうか。商売においても、人付き合いにおいても当然の摂理である。
信用をどう獲得するかについては、転職本よりもビジネス本のほうが参考になったりする。営業先でも、上司や同僚に対して、どうやって、何をもって信用を勝ち取るかというノウハウが色々書いてあるから。
尚、最近自分が失敗したな、と思ったのが「転職エージェントの信用を得ること」を考えていなかったこと。このブログの開設当時の最初の頃の記事は転職エージェントに対する恨みの記事がてんこ盛りである。最初に出会った転職エージェントにひどい目にあわされてから、他の転職エージェントを全員敵視してしまったのは良くなかった。
転職エージェントにとって売り込む商品は求職者。敵視、疑いの目で見ている求職者を信用できるわけがないし、信用していない商品を熱心に売り込むわけがない。だから寄って来るのは、ブラック企業に売り込んでも心が痛まないような人間を探している転職エージェント。そう、私のような失礼な態度をとる人間である。
次はこの失敗を糧に、まず転職エージェントに自分を売り込んでみようと思う。
*1:年齢とか性別とかの差別は良くないが、組織のバランスとしてのメンバー構成も必要なのだから、このあたりははっきりとさせておいた方がお互いによいのだが。