けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

前職の職歴・役職名・企業名を優先して採用すると痛い目にあう

中途採用の話。

中高年で中途採用された人と話をすると、やはり過去の経歴を見て採用されているなあという印象を持つ。

未経験者よりも、同業他社で経験してきた人が採用されている。

金融機関出身の人が採用される傾向がある。聞いたことのない会社より信用力が違うのだろう。

また、他社で〇〇部長などという、役職に就いていた人も採用されている。〇長=管理職→マネジメント経験がある→マネジメント能力がある、という認識なのであろう。

しかし、である。最近この上記3つのパターンで採用されてきた人のポンコツぶりが際立っている。

結果がでない、スキルがたりない、マネジメントができないとかではない。社会人ならできて当たり前のことができないレベル。やる気がないのではなく、いわれたことすらやらない、やれない。これなら将来性のある新卒の方がマシ。だがこの事態を招いたのは採用担当者の責任である。単に採用担当者の目が節穴なだけである。

わが社の採用担当者は、なぜ彼ら彼女らはその職場から転職してきたか?というところを面接で踏み込んでいないのではないか?定年、もしくは定年近い年齢だったとしたら、なぜ彼ら彼女らは役員になっていないのか、またグループ企業や関係先、取引先に出向または転籍、再就職していないのか、というところまで考えが及んでいないのだろう。

若者ならばステップアップ、キャリアアップという選択肢もあるし、転職先でのリストラとか、会社を渡り歩く業界ならまだしも、中高年で廃業の危機でもない会社1社しか経験のない人が縁もないわが社を受けている場合は、本当の転職理由を把握しないといけない。

結論から言おう。彼ら彼女らは、その企業でその地位でその職場で、それに見合う実績を残せていない。もっといえば、グループ会社でも関係先でも雇いたくない人間である。終身雇用、解雇規制、年功序列制度に守られて、能力に関係なく年齢にあわせて役職についていただけである。そして、65歳まで雇いたくない人間である。

年功序列で役職についただけなのに自分が偉いと勘違いした、最低限の社会人としての振る舞いも忘れてしまった人間の可能性がある。厄介払いされて転職先を探して、自社の面接に来ただけなのに、肩書と企業名だけで書類選考を通過させて、面接でのなんの確証もない実績アピールにまんまとひっかかって採用しただけである。

履歴書と職務経歴書と面接で採用している以上、企業名、役職名、職歴が優先されてしまう。経験者重視というが、経験したが使い物にならなかった人間も、履歴書をみれば〇職に〇年従事、という表記になり、〇部長に昇進となる。本当は、他の部署に異動を拒まれた人間も結果的に長い経験を持つことを忘れてはいけない。

それではダメだといっても、では代わりにどんな基準で、と言われれば難しい。他の基準だと採用担当者が求職者との話での見聞きした主観的な判断になってしまうからである。中身のない経歴であることを見抜けない採用担当者ならば、その主観はもっとあてにできない。また、人によって態度を変える人間を面接で見抜くのは大変難しい。人柄は客観的な物差しではいえない面もある。

数字で判断すればいいという意見もあるだろう。しかし、営業成績№1、顧客先〇人、〇社と数字を言われても、その数字の根拠は確証をもてない。採用前に前職とコンタクトをとったとしても、できれば追い出したい人間だったら、解雇せずに転職・退職してもらえる絶好の機会なので、正直に事実を述べる会社はない。単に前任者から引き継いだだけ、そしてその引き継いだ数字が最大値の人もいるだろう。

新卒採用の基準で「学歴ではなく、経験重視で」といった人間が叩かれた理由は、若い頃の経験は親の金と力がなければ、手に入らない人のことを見落としているからである。同じように中途採用の経歴もマネジメント経験も、年功序列制度により黙っていれば勝手に身に就いたようにみえる会社があるのを忘れてはいけない。

それに気づかずに雇ったあとの顛末はこうなる。

「俺は(私は)〇〇会社の〇〇部長をしていた偉い人間だぞ~。お前ら中小企業の人間とは違うぞ~。俺様を敬え。俺様に従え。俺様に指図するな。俺様に雑務をさせるな、非正規、派遣、女にさせろ」と振る舞い、職場のモチベーションの低下を引き起こすだけである。

そして、パワハラを気にして上司はそいつを止められず、有能な彼ら彼女らより若い従業員に見限られ、去られる結果が待っているだけである。組織が高齢化しているのは、単に少子高齢化社会だからとは言い切れない。他に行くあてのない人間だけが残り、見限った若手が去った結果の場合もある。