巧遅は拙速に如かず。急いては事を仕損じる。

仕事とメンタル不調に関する思考バイアスに自分で気づくための日記帳

雇用関係助成金の私見㉞ 令和7年初めの全コース(暫定版)

さて、昨年末に「雇用関係助成金」すべてを3年かけて見直すらしいという記事を書いた。その根拠は令和6年12月初旬に開催されていた職業安定分科会雇用保険分会の資料を見たからであるが、先日その議事録が公開されていたのに気づいた。

その資料をみるに雇用関係助成金は、14の助成金で合計52コース、あるいか13の助成金で合計50コース、と書かれている。

「はて?そんなに助成金とコースがあるのかな?」と思い、厚生労働省のホームページから確認したところ、一覧表があったので以下、転記してみた。数えてみるに、確かにそれぐらいある。

助成金が14個か13個かの違いは厚生労働省のホームページに掲載されている雇用関係助成金の一覧の14番目の「障害者雇用納付金制度の助成金」を含むかどうかだと思う。理由はこの助成金が3年かけて見直す計画の中に名前がないからだ。これは「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」の仕事だからかもしれない。多分。知らんけど。

コース数は50コース以上ある。最後の助成金のコースを除いても50コース以上ある。一覧表の中には補正予算で創設されたコースや休止しているコース、期間限定コース、廃止が予定されているコースもあるから、それらをカウントするかどうかで異なるのだろう。まあ大体あってるから、これ以上は踏み込まない。

さて。

折角数えたし、年の初めでもあるので、現時点での私見でも一言ずつ書いてみようかと思う。尚、各助成金がどんなものかは、「雇用関係助成金」のキーワードの記事を見てもらえると大体の助成金のことは古いものもあるが私見の記事を書いているのでそちらを参照されたい。

ちなみに「業務改善助成金」「働き方改革推進支援助成金」は「雇用関係助成金」ではなく、「労働条件等関係助成金」なので、この一覧には含まれない。

また、以下の私見の中での数字は上記の分科会での公表資料から抜き出したものである、令和4~5年度のものであるので、ご留意いただきたい。

1万字を超える記事になったので、ここで一旦改行する。

最初に:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構について

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」という名称が助成金の中でところどころでくる。この独立行政法人は色々な組織が合併された結果かなり幅広い業務をしていて、他の助成金でも結構その名前ができたりする。名前のとおり、高齢者と障害者を中心とした雇用の支援をする独立行政法人で、この組織も助成金の窓口となる。

つまり、この独立行政法人の名称が助成金に出てくる場合は、ハローワークや労働局が担当ではない。

この独立行政法人の管轄の助成金、とくに15番目の障害者関連の助成金は説明を省略して名称だけ載せる。その理由は、見直し対象ではなさそうなこと、私が障害者についての知識が乏しいのと、この独立行政法人に業務を移管しているのか理由がわからないから。

おまけ。

この独立行政法人、JEEDという略称らしいが、「こうしょうきこう」と呼ばれていた気がしている。実際「こうしょうきこう」とインターネットで検索すると最上位に公式ホームページが表示されるので、調べたい人は、この長い名前ではなく「こうしょうきこう」とひらがな入力をすると入力時間を省略できる。

1.雇用調整助成金

コロナ禍で知名度を上げたこの助成金。この助成金が雇用関係助成金の代表格の歴史ある助成金である。後から見ればわかるが、この助成金はコースは1つしかない。”特例”を別コース扱いにしない理由は知らない。

ただ、この助成金の出番があるということは、売上が急激に落ち込んで従業員の雇用を守れそうにない、出勤しても仕事がないような時が想定されるから、通常時に使う場面があるということは経営状態がよくない裏返しである。

雇用調整助成金

休業、教育訓練や出向を通じて従業員の雇用を維持する

上の引用元は雇用関係助成金の一覧から。以下のコースもすべて同じ。

雇用を守る手段としては、

①休業させて休業手当を支払う 
②仕事の代わりに業務命令で教育訓練を受けさせる 
③他の法人(グループ会社は除く)に出向させる

いづれかの手段を用いる。

実は申請書類の作成は助成金のなかでは簡単なほうであると今更ながら知った。

但し、「残業相殺」とか、「支給限度日数」とか、「クーリング期間」とか、この助成金独自の用語満載である。通常版は「支給限度日数」があるので、コロナ特例と違い、使える期間に制限がある。最近は添付書類に税金関係のものが入ってきた。おそらく、コロナ特例の不正受給のせい。

最近は能登特例の新バージョンが登場している。

資料によると令和6年度は能登半島地震特例と物価高により想定より多い利用だったようで、令和7年度予算案も100億円に迫る金額になっている。

2.産業雇用安定助成金

生きとったの?と思った助成金。もともとはコロナ禍用の雇用調整助成金の出向の拡充版だが、それは令和5年度に廃止済。そして、令和5年度途中から雇用調整助成金とは関係のないさらにコースが追加されていた。②については出向している必要はない。どうしてこの助成金のコースなの?という疑問は残る。

②産業連携人材確保等支援コース

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされたため、生産性向上に資する取組等を行い、当該生産性向上に資する取組等に必要な新たな人材を雇い入れる

上の転記を見ても何のことやらさっぱりだと思う。私もだ。

調べていると、「事業再構築補助金」または「ものづくり補助金」の交付決定を受けた事業に関する業務に就く者であって、年収350万円以上の専門職または係長以上の待遇で雇入れた場合に助成金がでる、というものらしい。助成金を利用する前に、上記の中小企業庁管轄の補助金の理解が必要。つまり労働局に質問するのではなく、補助金を管轄しているところに質問しないといけないところもある。

このコースは出向に関する助成金ではなく、雇い入れの助成金特定求職者雇用開発助成金の高度専門職版?といったところか。

令和5年度途中から創設されたコースのため、実績はよくわからない。

スキルアップ支援コース

労働者のスキルアップを在籍型出向により行い、出向から復帰した際の賃金を出向前と比較して5%以上上昇させる

コロナ禍用のコースの場合は仕事がない人を出向させた場合で、雇用調整助成金の出向の拡充版であったが、このコースは労働者をスキルアップさせるために出向させた場合で、出向から戻ってきた後賃金を5%アップさせたら助成金がでる。

令和4年12月に創設されたが、令和5年度の実績はなんと0件である。出向期間とかを考えると、まだ数字がでない?不明。

グループ会社は対象外、助成金は出向元のみで出向先にはでない。出向先にとっては、助成金上はメリットがないうえにスキルを持っていかれる、ということになる。グループ会社で出向して自社にいては身につかないスキルを高めるケースがある。それのグループでない版。理想はわからないわけではないが、復帰してすぐに賃金5%アップさせないといけない(正社員の昇給は毎年定期のところが多いと思う)ことを含めて、利用するにはハードルが高すぎると思う。

④災害特例人材確保支援コース

令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされたため、在籍型出向により労働者の雇用を確保する

令和6年12月に創設された新コース。出向元の事業所の所在地が限定されているので、限定的な利用になるだろう。雇用調整助成金の出向や、上記スキルアップコースと違い、出向先にも助成金がでる。

3.早期再就職支援助成金

労働移動支援助成金(⑤⑥)と、中途採用等支援助成金(⑦⑧)が令和6年度からくっついてできた新助成金。かつて両助成金は名前とは違いかなり利用できるところが限定的であったが、合併した後その中身がどう”変わったか”までは把握していないため、私見も前の助成金の名前のときからのものである。

⑤と⑥は、事業所の閉鎖や大量離職が発生した場合の失業者の雇用対策であろうから、利用件数が少なくても、なくなることはないだろう。

略称は「そうさいきん」らしい。ひらがなで検索してもでないが、「早再金」と入力すればヒットする。

⑤再就職支援コース

離職を余儀なくされる労働者の再就職支援を民間職業紹介事業者に委託等して行う

前提として、①か月以内に常用労働者が 30 人以上離職するような事業規模の縮小等がある場合に限られる。(この場合「再就職援助計画」というものをハローワークに提出する義務がある)ただの解雇者では対象外であり、かなりの”リストラ”が行われて初めて利用が検討されるコース。使う事業所はかなり限られる。

雇用調整助成金どころか、事業所の継続が不可能なレベルであり、できれば利用したくない助成金だが、大量の失業者の雇用を早期に見つけるためにも、なくなるということはなさそうである。また、事業所側はそうなる場合はこの助成金の手続きをした方がいいと聞いているが、幸いにもこの助成金を使う場面に出合ったことがないためよくわからない。

利用件数が少ないが、使われない=大量離職がないに越したことはなかろう。

⑥雇入れ支援コース

離職を余儀なくされた労働者を早期に雇い入れる 

上記⑤で離職させられた人を早期に雇入れた事業所に対して支払われる助成金である。

文字通り、なんらかの事情で退職を余儀なくされた人を雇うだけでは助成されない。「再就職援助計画」がでている事業所で働いていた人で離職を余儀なくされた人を雇うことが対象である。

助成金全体の予算額のほとんどがこのコースのようだ。

中途採用拡大コース 

中途採用者の雇用管理制度を整備した上で中途採用者の採用を拡大する

単に中途採用しただけでは助成されない。事前に計画届をだして、2人以上雇い、かつ助成金上で定められた計算方法による中途採用率を20%をあげないといけない。(45歳以上の場合は、10%以上)

令和5年度の予算執行率は8.1%。少ない。

ただ、令和7年度予算案に賃上げ対応策として記載されていたので少なくとも令和6年度で廃止ということはなさそう。

⑧UIJターンコース 

東京圏から移住者を雇い入れる

これも、単に前職や学生の時に東京に住んでいた人を雇うだけでは助成対象とはならない。就職説明会などをする必要がある。

あと、特定求職者助成金とかのように雇い入れたから助成金〇万円、というわけでなく、説明会とかで必要となった交通費や印刷代などの”経費の助成”である。

また雇い入れる時は、ハローワークとかで求人票をだすのではなく、地方公共団体が解説・運営するマッチングサイトに登録している人を採用する必要がある。う~む、使いづらい。

中途採用等支援助成金という名称のコースの時の実績ではあるが、令和5年度の予算執行率は0.4%、支給実績は1件39万円。

…少な。

4.特定求職者雇用開発助成金

資料をみるに、令和6年度の予算額では3番目に金額が大きい助成金。しかも予算執行率は7割、コースによっては9割を超えているから、使われている助成金としては2番目に多い助成金だろう。

まあ、労働者に対し雇われた会社の担当者に伝えるようハローワークが薦めてくるぐらいだから。

そもそもこの助成金は、民間の人材紹介会社だと商売にならないであろう、”就職困難者”の人が対象。(とはいってもハローワーク限定ではないが)助成金を事業主に支給することで雇用を促す。

助成金の趣旨からすれば、雇入後の職場定着も重要。すぐに退職したら助成金の意味がない。だから自己都合退職でも助成金が不支給になってしまう、という理解を私はしている。

裏を返せば、就職困難者とは、仕事が続けられるか、仕事がこなせるか事業主(場合によっては労働者も)が不安視しているから採用されにくい。助成金は国が達成したい雇用関係の政策誘導である、ということがよくわかるのがこの助成金

中途採用をしている会社ならば、結果的に助成金の対象となっている可能性も高い。知っておいて損はない。

コースによっては、雇われ方が正社員のみとか、前職を退職している状態でいないとダメな場合とかあるので、確認されたい。

⑨特定就職困難者コース

高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる

オーソドックスなコース。高年齢者、障害者、母子家庭の母などをハローワーク経由で週20時間以上の勤務で雇用したら、対象になる可能性が高い。今時60歳以上の高齢者を雇うケースなど多々ありそうである。上記3つ以外にも”就職困難者”に該当する場合はあるので参照されたい。

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース

発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる

この助成金発達障害者と難病患者を障害者とは別扱いのコースにしている。障碍者手帳を持っていない人の場合、他の助成金では障害者という扱いにならない場合があるらしい。

予算執行率は90%台。

障害者に関する助成金は、そもそも障害者に該当するかは理解しないとわからない点が多い。以降、この障害が対象になるかどうか、とかはこのブログでは自分が理解していないので触れない。

就職氷河期世代安定雇用実現コース

正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を雇い入れる

令和6年度をもって廃止予定。代わり?に中高年齢者安定雇用支援コース(仮称)が新設。

就職氷河期の集中的な支援は終了」という表現が分科会の資料?にある。

生活保護受給者等雇用開発コース

自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる

公表されている報告書を見るに、生活保護受給者というのは健康問題を抱えていて仕事を続けられない人が多いのだなあ、という印象を持った。とある市役所の中に、ハローワーク端末を見かけたことがあるのだが、市役所経由での紹介が対象なのかどうかは不明。

⑬成長分野等人材確保・育成コース

特定求職者雇用開発助成金の対象労働者を成長分野等の業務に従事する者として雇い入れる 、または未経験の特定求職者雇用開発助成金の対象労働者を雇い入れ、一定の訓練を実施して賃上げを行う

上記⑨~⑫の助成金額を上乗せするコース。特定の業種に未経験などの人を雇うか、雇った後に特定の訓練を実施すれば、上乗せされる。令和6年10月に支給要件が変更されている。

5.トライアル雇用助成金

労働者、雇い主双方の合意のもと入社後大体3ヶ月間の「トライアル期間」を設けて、そこで上手くいけば常用雇用という形をとる雇用に対して、助成金を支給するコース。ハローワークの求人票に「トライアル」という表現があるのは、この助成金のことを指す。

⑭一般トライアルコース

職業経験の不足などから就職が困難な求職者を試行的に雇い入れる

⑮と比べて予算額は3分の1ぐらい。予算執行率も50%~70%台。助成金の金額は月4万円×3ヶ月がベースで他の助成金と比べて、かなり少なめ。

⑮障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース

障害者を試行的・段階的に雇い入れる

予算執行率は90%~100%台という利用度の高いコース。障害のある人がその職場でやっていけるかどうか、労働者と事業主双方が試すことに同意すれば助成される。精神障害者の場合は助成金額が高い。採用のハードルが高い障害者を本採用にもっていくための助成金なので、本採用率が重要らしい。

⑯若年・女性建設労働者トライアルコース

建設業の中小事業主が若年者(35歳未満)又は女性を建設技能労働者等として試行雇用する

中小企業の建設労働者であることが前提で、そのうち若者か女性が対象となる。若者または女性建設労働者ではない。予算金額は⑮の1/50。

ネーミングからして、若者用のトライアルコース、または、女性建設労働者用のトライアルコースとイメージするが違う。

⑭⑮の上乗せコースである

⑭⑮が支給された時に、事業所が中小企業の建設業で、労働者が若者の建設労働者、または、女性の建設労働者であった場合に上乗せされるコースである。

誤解なくいえば、若年建設労働者上乗せ、または、女性建設労働者上乗せコースである。

以降、助成金の名称に”建設”という文字がある場合は、それぞれの助成金名で調べるよりも、建設業用で見たほうが分かりやすい。建設業でまとめたほうが分かりやすいと私は思うのだが…。まあ、何か理由があるのだろう。

6.地域雇用開発助成金

特定の地域限定での助成金。略称は「地開金」。尚、能登半島用のコースが令和7年度予算案で確認された。

⑰地域雇用開発コース

雇用情勢が特に厳しい地域で、事業所の設置整備をして従業員を雇い入れる

雇用情勢が特に厳しい地域は事前に指定されている。厚生労働省が認定している求職者と比べて雇用機会が著しく低い地域(要するに仕事を探しても求人がない)、若年層・壮年層の流出が多い地域、そして離島など。そこで設備投資を行い、一定数雇い入れた場合に助成金がでる。

⑱沖縄若年者雇用促進コース

沖縄県内で事業所の設置整備をして35歳未満の若年者を雇い入れる

引用した通りの内容の助成金

7.人材確保等支援助成金

この助成金は本当にややこしい。以下、引用。

(平成30年4月からの主な改正点)
 「職場定着支援助成金」、「人事評価改善等助成金」、及び「建設労働者確保育成助成金」の一部コースを整理統合の上、「設備改善等支援コース」を創設し、「人材確保等支援助成金」として平成30年度から運用を開始しています。

昔の名前の方がわかりやすい。この助成金は、職場の定着と確保が主目的、つまりは離職率を低下させることを目的としているため、定められた何かを実施しても、離職率が一定率以下でないと不支給になるコースが多い。

尚、設備投資支援コースは令和2年度に廃止されている。設備投資だけの雇用関係助成金は現在ないと思う。(業務改善助成金は、事業場内最低賃金引上げが必要)

色々な助成金が統合された結果コースとしての統一性がなさすぎる。

略称は「じんかくきん」。人材開発支援助成金の「じんかいきん」と似ている。都道府県にもよるだろうが、労働局に質問の電話をしたら、コース名を尋ねられる可能性大である。

予算執行率は、令和4年度は50%台だが、令和5年度は30%に低下している。個別のコースの支給件数とか金額が公開されていない。また予算金額は20億円程度とコース数の割に少ない。

⑲雇用管理制度助成コース

諸手当等制度や研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間制社員制度を整備する

令和4年度より休止中。令和7年度予算を見るに、㉑と統合されて、復活する予定

休止前の令和3年度までと中身がどう変わるのかまでは不明。

⑳中小企業団体助成コース

事業主団体が中小企業の人材確保や労働者の職場定着を支援する

申請する主体が事業所ではなく、事業主団体。資料を見るに、支給実績のある団体は令和3年度3団体、令和4年度7団体。助成金の金額は大きいが、申請する団体自体が少ない。

㉑人事評価改善等助成コース

人事評価制度と賃金制度を整備し、生産性向上、賃金アップ、離職率を低下させる

令和4年度から休止中だったが、令和6年度に再開。人事評価制度と賃金制度を作り、賃金を上げて、離職率を低下させて、やっとこさ助成金がでる。離職率低下は、会社の努力できることでもあるが、離職するかどうかは最終的には労働者の意思。ハードルが高すぎる。

令和7年度予算案を見るに、令和7年度から⑲に統合される模様。

㉒建設キャリアアップシステム等普及促進コース

建設業の事業主団体等が、建設キャリアアップシステム(CCUS)や建設技能者の能力評価制度、専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度を普及促進する

㉒㉓㉔は建設業を営む事業主、事業主団体等に限定される。

分化会の資料によると「(令和6年度に)建設キャリアアップシステム普及等促進コースを廃止し、(令和7年度から)建設キャリアアップシステム等活用促進コース(仮称)を追加する」と言う表現がある。どう違うのかは不明。

㉓若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

建設業の事業主等が、若年及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を実施する、または建設工事における作業についての訓練を推進する活動を実施する

㉔作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

建設業の中小事業主等が、岩手県宮城県福島県・石川県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借する、または自ら施工管理する建設工事現場に女性専用作業員施設を賃借する 等

石川県も追加されている。自身の被災地での建設労働者の住まいに関するコース。

外国人労働者就労環境整備助成コース

外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備(就業規則等の多言語化など)を通じて、外国人労働者の職場定着を図る

外国人の職場定着、といいながらも日本人の定着率も支給要件に入っている。

資料によるとアンケートに回答した申請事業主が1件とかである。他のコースもそうだが、利用件数が少なく、都道府県によっては0件のところも多いのでは?どれぐらい利用されているのか疑問。

㉖テレワークコース

適正な労務管理下における良質なテレワークの導入・実施を通じて従業員の離職率の低下を図る

コロナ禍をすぎた今から利用されているのだろうか?人確金なので離職率の低下も要件の一つである。

資料をみるに、㉕㉖のコースは令和7年度から要件が緩和予定の模様。

㉗派遣元特例コース

派遣元事業主が、労使協定を改定し賃金制度の整備または改善により派遣労働者の雇用安定、待遇確保することを推進する

令和6年度に突如現れたコース。リーフレットをパッと見ただけでは私にはよくわからなかったのだが、派遣の賃金に影響する「ハローワーク別地域指標」の訂正が入った影響のようだ。なぜ「人確金」のコースなのかも不明。

8.通年雇用助成金

コースは1つのみ。寒冷地で冬に働けない季節労働者を離職させずに1年を通して雇用した場合に助成。北海道や東北地方など対象地域が限定されている助成金

”雇用”といっても、雇用調整助成金のように出向させたり、教育訓練させたり、色々な方法で雇用を維持することも可能。冬でも同じ仕事をさせろ、と言う意味ではない。

㉘通年雇用助成金

季節労働者を通年雇用する

ホームページを引用。

北海道、東北地方等の積雪または寒冷の度が高い地域の事業主が、冬期間に離職を余儀なくされる季節労働者を通年雇用した場合に助成されます。 

9.65歳超雇用推進助成金

すべて、独立行政法人独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構管轄。

この助成金が他の助成金と違うのは、社会保険労務士などの関与が支給要件として入っているところ。

㉙65歳超継続雇用促進コース

65歳以上への定年引上げ等を実施する

上記の説明通りである。

㉚高年齢者評価制度等雇用管理改善コース

高年齢者の雇用管理制度を整備する

雇用管理制度については他の助成金でも似たようなものがあるので違いがわかりにくい。しかも併給調整が多いので難しめである。

㉛高年齢者無期雇用転換コース

高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換する

キャリアアップ助成金は有期契約から無期契約に転換した場合の助成金を廃止したが、こちらはまだ残っている。 

10.高年齢労働者処遇改善促進助成金

コースはひとつしかない。

㉜高年齢労働者処遇改善促進助成金

60歳から64歳までの高年齢労働者の賃金規定等を増額改定し、高年齢雇用継続基本給付金の受給総額を減少させる

高年齢雇用継続給付金というのを理解しないと始まらないので説明すると、60歳になって基本給等がそれまでの75%未満に下がった場合、一定額を雇用保険で補填する給付金。賃金規定を定めて、上記の低下率を75%以上までに挙げた場合、高年齢雇用継続給付金に変わって一定割合助成しますよ、という助成金

令和4年度、令和5年度に、支給金額0円を叩き出した模様。つまり助成金が支給された、利用された実績がない。

分科会の資料によると「令和6年度限りで廃止」、という記載がある。(令和7年度予算は経過措置期間。)

11.キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金のおかげで、キャリアアップできた労働者はほぼいない」というSNSの投稿を先日見て笑ってしまった。

つまり、正社員化コースは、労働者のキャリアアップに使われているのではなく、非正規雇用で雇って、会社の収入をアップするための助成金助成金狙いのために、入社した人を”あえて”6か月間、有期雇用契約労働者の身分にさせるのが「正社員化コース」である。(皮肉)

令和6年度予算の金額は1000億円超え。次に多い人材開発支援助成金が684億円、3位の特定求職者雇用開発助成金が610億円なので、いかに多いかがわかる。いったいどこがそんなに申請しているのだろう?しかも予算の執行率も60%~70%と高い。令和7年度予算案も977億円である。今の人手不足の状況でそんなにいるのかと私は思っているが…。

何度か記事にしているが、令和6年度からかなり正社員の要件のハードルが高くなっている。

尚、計画~準備~申請~支給までの間の期間がかなり長い。減額ではなく、不支給になる可能性がある助成金

㉝正社員化コース

有期雇用労働者等(契約社員・パート・派遣社員など)を正社員化する

この助成金のメインコース。そして、会社と社労士のお金稼ぎに使われる、助成金の糞コース3巨頭の一角である。(偏見。他は、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリングコースと業務改善助成金。)

令和7年度予算案を見るに、来年度から新卒が対象外になるかも?また、入社3年以内の正社員化の場合などは、令和7年度から助成金額も減るかも?

先日、YouTubeで毎年の運転資金に使えなくなりそう、という投稿を見た。つまりは、この助成金を使って今まで毎年資金繰りに活用していた、という意味である。

まじめに使っているところもあるだろうが、つまりは、そういうコースである。

㉞障害者正社員化コース

障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換する

㉝の正社員化コースと比較して、賃金が転換前と転換後とを比較して3%アップしていなくてもよいこと(減額はダメ)、有期雇用から無期雇用の転換も対象になること(㉝は数年前に廃止)、就業規則にあらかじめ転換規定を設ける義務がないこと、などの違いがあるようだ。

とはいえ、単に雇用契約を変えるだけではダメ(賃金計算の方法などが変わらないとダメ)なのが、キャリアアップ助成金のややこしいところ。

ガイドブックを見るに発達障害者も難病患者も対象に含まれそうだ。(皆が対象かどうかは不明。また特定求職者雇用開発助成金は障害者とこの2つをわけているが、違いが判らない。)

とはいえ、㉝との比較表などわかりやすいものは見当たらないし、障害者関係の助成金、コースは多々あるので、それらと併給が可能かどうか不明な点も多い。

最初に断った通り、私は障害の知識に乏しいので、公式で確認してほしい。

㉟賃金規定等改定コース

すべてまたは一部(職種別や雇用形態別)の有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し、3%以上増額させる

このコースの私見の記事は、令和6年度の雇用関係助成金の記事で一番のアクセス数を稼いだ。

おそらくパートタイマーの最低賃金対策に使える助成金だからだろう。最低賃金の大幅アップのトレンドは今年も続きそうなので、処遇改善コースの中では検討する価値がある。(8月、9月頃の最低賃金の報道を要チェック)

他の助成金は、零細企業向けともいえるが、こちらは非正規の多い業種向け。大企業でもいける。

ちなみに、業務改善助成金最低賃金対策として使えるが、あちらは設備投資が必要となる。

㊱賃金規定等共通化コース

有期雇用労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を作成し、適用する

このコースだけ記事にしていない。単なる賃金規定を正社員用と非正規用を作れば貰えるわけではなく、賃金テーブルの階層を3区分以上作って、うち2区分は正社員と非正規が同一の賃金区分、つまり、時給と月給に分かれている場合に、時給換算した時に非正規の方が正社員と同額または正社員より上の賃金にする必要がある。その区分に正社員と非正規が1人以上在籍している必要もある。正社員と賃金が同額以上の非正規雇用と簡単にいくわけもない。申請も1事業所1回限り。う~ん、作れる会社はかなり限られるか、作ってもすぐに運用できなくなりそう。

㊲賞与・退職金制度導入コース

有期雇用労働者等を対象とした賞与または退職金制度を新たに設け、適用する

こちらは記事にしたのだが、アクセス数がほとんどない。ということで㊱のコースは個別に記事にするのをやめた。

賞与は、非正規雇用にも金額の多寡はあれど支給している会社もあると思うが、契約期間のある非正規雇用に退職金制度(”慰労金”や”餞別”はあるかもしれないが。)がある会社はそんなにないと思う。

退職金制度を作った、といって、就業規則や労働条件通知書に退職金ありと明記すれば助成されるわけではない。積み立てる必要がある。退職金と一言でいってもかなり難しく色々な制度があるのに、紹介ページはかなり少ない。

社会保険適用時処遇改善コース

短時間労働者が新たに社会保険の被保険者となる際に、労働者の収入を増加させる取組(手当支給・賃上げ・労働時間延長)を行う

年収の壁用に創設された助成金。数年後には、週20時間以上の労働をするパートタイマーは全員社会保険の被保険者になるだろう。週20時間以上労働しているパートがいても、厚生年金被保険者数50人未満の会社、最低賃金が1019円以下の都道府県(時給1019円の場合は、1,019円×週20時間×52週=1,059,760円で、106万円以下)にある会社は、今後の動向を注目しておいた方がよいと思う。

ちなみに厚生年金に加入するかどうかの管轄は年金事務所であり、労働局やハローワークに聞いてもわからないと言われる可能性がある。え、同じ厚生労働省だろって?昔は厚生省(社会保険庁)と労働省だったから今でも違うんだなあ、これが。

12.両立支援等助成金

両立支援等助成金の”両立”とは、仕事と家庭を”両立”させることを支援するコースである。この”家庭”と言う意味は、育児・介護や医療による治療も含まれる。仕事と、仕事以外の何かを”両立”させる、と言う意味。

この助成金が最近どんどんコースも内容も代わり、拡充されている。育児休業、介護休業は何回も法改正がされている。法改正の知識とあわせて勉強しておいて損はない。令和6年度補正予算で拡充された模様。今後、加筆予定。

㊴出生時両立支援コース

中小企業が男性の育児休業取得推進に取り組む

㊵介護離職防止支援コース

中小企業が仕事と介護の両立支援に取り組む

育児休業等支援コース

中小企業が労働者の円滑な育児休業取得・職場復帰に取り組む

㊷育休中等業務代替支援コース

中小企業が育児休業取得者や育児のための短時間勤務制度利用者の業務を代替するための体制整備を行う

㊸柔軟な働き方選択制度等支援コース

中小企業が育児中の労働者が利用できる柔軟な働き方に関する制度の利用者を支援する

㊹事業所内保育施設コース

事業所内保育施設を設置・増設・運営する

不妊治療両立支援コース

不妊治療のための休暇制度等を利用しやすい雇用環境整備に取り組み、不妊治療を受けている労働者に休暇制度等を利用させる
 

13.人材開発支援助成金

600億円を超える予算がありながら、予算執行率が令和4年度で20%台、令和5年度で30%台を叩き出している。助成金額の多い「特開金」「キャリアアップ助成金」と比較すると、予算執行率がかなり低い。

調べてみると令和2年度、3年度もかなり執行率が低いが、よくよく思い出すとコロナ禍中に教育訓練ができたか?という疑問もあるので、この数字を厚生労働省財務省がどう捉えているかは不明。いや、単にコースが多すぎ、予算が多すぎなのかもしれない。

とはいえ、会計検査院から不正の疑いの指摘を受け、行政レビューでも問題点を指摘されていて散々な評価をされているので、見直しか縮小されるかな?と思っている。

㊻人材育成支援コース

職務に関連した10時間以上の訓練、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練等を実施する

コースの中でさらに3つに分類される。細かすぎる。

キャリアアップ助成金は支給要件が難しすぎると書いたが、人材開発支援助成金はコース数、そのコースの中のさらに〇種類とかあって、わかりづらすぎる。細かいから予算執行率低いんだと思うよ。

3つのなかで唯一Off-JTのみの「人材育成支援」が昔からの一番オーソドックスな訓練だと思うので、こちらを読めばいいと思う。

㊼教育訓練休暇等付与コース 

有給教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得する

これもまた、通常、長期、短時間と3パターンに分かれる。そのうち2つは㊿のコースにも同じことが書いてある。わかりづらすぎる。

労働基準法で定められた分以外の有給休暇を労働者に与えて、労働者が自主的にその有給休暇で訓練を受講すれば対象になると思う。とはいえ、通常版の場合、3年間かけてたった5日間で何の訓練をするのか、甚だ疑問。

就業規則変更も必須なので、甚だ面倒。

㊽建設労働者認定訓練コース

建設業の中小事業主等が認定訓練を実施する、または建設業の中小事業主が建設労働者に有給で受講させる

このコースは賃金助成と経費助成で対象となる相手が変わってくる。

建設業の労働者が都道府県知事が認定した「認定実習訓練」(会社に在籍しながら学校に通うようなイメージの訓練)をした場合に、事業主が支払う賃金に上乗せされるのが”賃金助成”で、”経費助成”は認定訓練を行う側に対しての助成である。

㊾建設労働者技能実習コース

建設業の事業主等が建設労働者に有給で技能実習を受講させる

建設業用の訓練といえばこれ。この助成金だったら、これが一番アリなんじゃない?と個人的に思っている。業種が限られているが。

建設業の中小企業専用コース。建設業特有の特定された訓練をした場合はこのコースが利用できる。㊻でも利用できるが、助成率や金額や作成添付書類とかを考えるとこっちの方が有利。

”外国人技能実習生”用のコースではない。

㊿人への投資促進コース

デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施する

令和8年までの期間限定。これについては㊼と被る者を含めて6種類に分類される。このガイドブックを見て他のガイドブックとの違いを含めてすぐに理解できたら尊敬する。

私は人材開発支援助成金のなかでもこのコースのガイドブックが一番難しいと思う。本当にわからん。

定額制は、令和6年9月まで1人当たりの上限がなかった(事業所自体の上限はある)が、10月から1人あたり月2万円に。資料をみるに、この”定額制”でどうやら不正?があったようですなあ…。

51 事業展開等リスキリング支援コース

新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施する

これも訓練区分が3種類に分けられる。さらに㊿の定額制とも被る。難しすぎる。

ざっくりいえば、仕事のDX化を進めるための訓練、生成AIの操作、仕事で使うドローン操縦に関する訓練ならこれに当たる可能性が高いと私は思う。

DXといっておけば訓練の中身など関係ないという糞のようなセールスの記憶がある。

キャリアアップ助成金の正社員化コースとキングオブ糞(不適切利用)の座を争うコースである。(偏見)

14.障害者雇用納付金制度の助成金((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構

以下の助成金はすべて、”独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構”所管の助成金である。ほぼ障害者関連の助成金といっていいだろう。これらは見直しの対象ではなさそうなので説明は省略する。

52 障害者作業施設設置等助成金

障害者の障害特性による就労上の課題を克服する作業施設等を設置・整備する

53 障害者福祉施設設置等助成金

障害者の福祉の増進を図るための福祉施設等を設置・整備する

54 障害者介助等助成金

障害者の雇用管理のために必要な介助者等を配置または委嘱する

55 職場適応援助者助成金(訪問型職場適応援助者助成金

56 職場適応援助者助成金(企業在籍型職場適応援助者助成金

職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を実施する

57 重度障害者等通勤対策助成金

障害者の通勤を容易にするための措置を実施する

58 重度障害者等多数雇用事業所施設設置等助成金

重度障害者を多数継続雇用する事業施設等の整備等を実施する

59 障害者雇用相談援助助成金

障害者の雇入れや雇用継続のために必要な一連の雇用管理に関する援助を実施する

60 障害者能力開発助成金

障害者に対して能力開発訓練事業を実施する