けーせらーせらー

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クリスマスとメンタル疾患患者の教訓

クリスマスのCMをテレビでみたので、クリスマスとメンタル疾患の話題をたまには。
以下、実話です。
私が入院していた10数年前、休憩所で仲良くなったAさんがいました。私より遥かに改善していたAさんは気さくに話かけてくれる方で、12月初旬ごろ話した時には、年明けにも退院できるかも、といった話をしてくれていましたた。そんな12月初旬のAさんとの会話です。
Aさん「クリスマス前に一時退院することになりました。」
私「そこまで回復していたんですか、よかったですね。」」
Aさん「いや、パートナーからクリスマスを一人で家で過ごしたら、周りに何を言われるかわからないと怒られまして。海外に行こうとせがまれまして…」
私「はあ、そうなんですか」
そして、Aさんはクリスマス前に一時退院し、クリスマス後に病院に戻ってきました。
その後、Aさんに会ったところ、Aさんの顔色は別人のようになっていて、険しい表情になっていました。話しかけても、無視。そのまま自分の病室に戻っていきました。他の人に聞いたところ、クリスマス前後の一時退院と海外旅行から帰ってきてから、症状が急激に悪化したらしい、とのことです。
以降、Aさんは休憩室にいても、誰かが来たら一言も話さずに自分の病室に戻るようになり、翌年の冬にひっそりと退院していきました。どうも、転院されたそうです。クリスマスに遊んだせいで病気が悪化なんて、医者にも他の患者にも顔向けができなかったのではないかと思います。

さて、これは前置きです。別にAさん、Aさんのパートナーを責めるために書いたわけでもありません。ようは、メンタル疾患の悪化に繋がる要素として、クリスマスの強制イベントを例に挙げたかったわけです。
別にクリスマス自体が悪いわけではないです。そもそもは、キリスト教のイベント。そして、サンタクロースからプレゼントを貰える日。なのに、なぜか日本は、カップルがなんらかのイベントを実施しなければならない日になってしまっています。無論、楽しみたい人は楽しめばいい。でも、タイミング的にそうできない場合もあります。Aさんの場合は、順調にいけば、年明けには退院して、色々な楽しみ方もできたはず。ですが、「クリスマスイブの夜に一人で過ごすのは恥ずかしい」という、一人で過ごせば、かわいそうな惨めな人という扱いをされない、させないためにイベントを強行した結果、まだ休んでいなければいけない時期に、パートナーのために無理をしてしまう事態になったというわけです。

メンタル疾患に良くないのは「〇〇しなければならない」という義務感。そしてメンタル疾患を治すために必要なのは「十分な休養」です。メンタル疾患を悪化させる二つの要素をAさんは実行してしまった、というわけです。
もし、クリスマス、正月なんだから、〇〇しなければならない、と思っているメンタル疾患治療中の方がいたら、その義務感を忘れて、今年はお休みしましょう。他人に馬鹿にされてもいいじゃないですか。そして、その〇〇しなければならない、にとらわれている自分に気づくことが一番の治療だと思っています。
あと、遠出の旅行は、メンタル疾患の時に行くと休養にならない可能性が高いです。なぜなら、行先で想定外の出来事が発生したり、計画通りに動かないといけない縛りがあり、心が休めない可能性があるから。
ちなみに、私はメンタル疾患で入院した後、そして、この話の後から、クスマス、年末年始GW、は大抵家で過ごしてみます。他人の会話のための話題作りよりも、自分の健康を優先したいので。
え、今時はインスタ映えのためにクリスマスに限らず旅行?自分の健康より他人の評価を気にしているなによりの証拠です。治す気ないんじゃね?