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雇用関係助成金の私見㉗ 前の記事のあとがきみたいなもの

先週、キャリアアップ助成金社会保険適用促進コースと業務改善助成金の記事を書いた。

約半年前に記事で書いたことのある助成金だったので、すぐに書けるに考えていた。だが、調べるうちに両方とも疑問点が満載だったのが正直な感想である。わかりやすそうに書いてあるように見えて、よく読むと「これはどう解釈すればよいのか?」と思うところが満載である。

一回でもおかしなところを見つけると、他のおかしなところも気になってくる。そうなると記事を書く前の資料読みを何度もしないといけない。実際、この4回の記事は何度も修正している。

社会保険適用促進コースについて

社会保険適用促進コースの受理件数が公表されているが、あの数字自体をどう評価すればよいのか私にはわからないのでコメントしていない。

さて、前回までの記事を書いた後に、このコースの創設に関する2023年11月の雇用環境・均等分科会の議事録が公開されているのを発見した。その他の議事録でいくつかの数字が確認できた。

まず、今回のコースの創設にあたって似たようなコースで令和5年度をもって廃止された【短時間労働者労働時間延長コース】は2,621人しか利用されていない。この不人気コースと比較して、利用が多いようにみえる棒グラフを見ても評価しようがない。

一方、キャリアアップ助成金のなかで人気が高いといわれている正社員化コースの利用件数はここ数年は年間10万人の利用者数をキープしている。

そして、年収の壁の調整を意識しているパート労働者は60万人ぐらいいるらしい。となると、この60万人をターゲットにしたコースということになるだろう。

一方で、年収調整していないパート労働者は全体の7割以上もいて、実際この年収の壁如何に関わらず、この時間でしか働けない、所定労働時間を増やせないので社会保険に加入することがないという事実もある。

また議事録を読んでもっともだと思うのが、なぜ「雇用保険2事業」、つまり事業主負担の雇用保険料を原資にして、社会保険加入に関する助成をするのか?という出席者からの質問だ。議事録で厚生労働省の回答を読んだが、私にはその理屈がさっぱり理解できなかった。

雇用保険料の事業主負担で補填、または助成金が利用できない分も事業主が負担、というのは事業主には納得ができないだろう。さらに雇用保険の財源枯渇といって保険料率を上げている最中に、このような助成金の対応をする、というのは理解ができない。

所詮は付け焼刃、急ごしらえの対策で、はやくとも来年度以降になる年金制度の改正へのつなぎに、キャリアアップ助成金を使ったという印象がさらに強くなっている。

付け焼刃、急ごしらえの対応に会社の事務負担を増やす。これは令和6年6月からの定額減税でも同じことなので、助成金というより、今の政権は、公務員や行政組織が各労働者に対応するのではなく、会社の事務部門に対応と事務負担の増加を押し付ける政権なのだろう。

業務改善助成金について

業務改善助成金は、正直言って、各都道府県労働局の審査というか、判断次第ではないかと邪推している。生産性向上が”認められる”とはこれいかに。

車やパソコンでなくても設備投資すれば現状より良い設備になるし、悪くなるもの、現状維持で買うのは壊れた時ぐらいだろう。その設備を導入することで労働時間が短縮できればそれは生産性向上といえるし、省エネになれば電気代が軽減し、経費は減少するから生産性向上。つまり、なんとでも”生産性向上”といおうと思えばいえる。生産性向上とは一体なんぞや?という話になる。そこで、ホームページの資料を読み込まないと安易に答えられない。

極論すれば、申請すれば殆ど生産性向上が認められて助成される状況ならば申請した方がよいだろう。既存の業務が変わってしまうほどの設備でないと認められないならば、審査はその確認のため時間を要するだろうし、申請する側の説明能力も重要になってくるだろう。その場合は助成金ありきの設備投資は控えたほうがいい。

あと、利益率などの経理面の話に関しても助成金の利益率計算は企業会計の処理とは異なる場合があったりする。月次決算で確認するのは、あとあと大丈夫かと思う。あと、設備をいつ除却、処分するかによっても変わってくる。

だから知っていれば知っているほど、責任ある立場の人ほど、助成金の簡単な紹介なら別として、短時間、短文での安易な答えはしないものだと私は思っているのだが、どうだろうか。私は慎重な性格なので、この考えを強制するつもりはないし、投稿者を否定するつもりもないが。

ちなみに20分ぐらいの簡単な助成金紹介を見たいのならば、一般人の投稿より厚生労働省YouTube公式動画で確認した方が内容は確実だ。

文章構成について

あと、記事の中身以外でも文章構成を見直した。なるべく改行し、タイトルをいれて文章を細分化し、読みやすさを追い求めてみた。

というのも、助成金について記事を書くと、過去の助成金の記事が関連記事として表示されるのだが、それで1年前とかの記事をみて、その読みにくさを自覚したからである。

ただ過去の記事の文章構成を見直さないでおこうと思っている。こういう機会に1年前の文章と比較して、自分の文章能力が向上しているかどうかを確認できる。その確認の後、ではどうすればわかりやすくなるか試行錯誤することができる。これはこのブログとは別に仕事でも役立つ。

まとめ

ということで、前の記事作成には時間がかなりかかった。しかし、助成金のことをまとめて書くとアクセス数が伸びる。ただ久しぶりに書いてみたが、かなり骨の折れる作業だし、1万字でも説明が足りないと思うが、文章量が多いと読みにくいので、そこも考慮している。

本当は、ホームページで事業主向けQ&Aが増えたり、ガイドブックで訓練対象の具体例が増えて理解できるようになった人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリングコース」の令和6年度版を書こうと思ったのだが、正直疲れたので時間をおこうと思っている。