けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

仕事の悩みを職場で共有することの難しさ

今朝のニュースで、老人ホームでの夜勤介護職員による入居者の虐待事件について報道していました。

朝見たニュースで詳しく覚えていないのですが、その事件から夜勤の介護職員がストレスと悩みを抱え込んでしまう現状と、その対処としてストレスや悩みを職場の同僚上司に打ち明けて共有し解決していくことの大切さを訴えておりました。

夜勤介護職員の辛さ、ほぼ一人での勤務からくる肉体的精神的負担の重さは想像できます。これをどうにかする方法としてテレビではいくつかの案が提示されていました。

適当な司会者と、適当なコメンテーターによる適当なコメントで終えるワイドショーや情報番組とは違った内容で評価に値すると思います。

ただ、どうしても解決案が弱いという印象は拭えませんでした。というのも、やはり、根本的な原因である人手不足の解消の手立てに踏み込めなかったことです。従業員や利用者へのフォローも従業員の充足があってこそ。周りの職員も自分のことでいっぱいいっぱいで、他の職員をフォローする余裕がないのは介護業界に限らないと思われます。

介護職員でもそうですが、どの職業も人間だったら誰でもいいというわけではありません。その仕事への適正と教育が必要ですし、そのためには時間とお金が必要です。

しかし、そんなにお金を増やすことは容易ではありません。労働者の報酬を挙げようとすれば40歳以上が負担する介護保険料をあげないといけないし、そもそも介護事業は労働主役型であるため、労働者一人当たりの生産性が低く、給料があがりにくいという問題が立ちはだかります。

誤解しないでほしいのですが、私はこの番組を批判するつもりは毛頭ありません。単に加害者を叩くだけでなく介護労働者のつらさ過酷さに目を向けた構成は評価したいです。

明日上司に説明できる雇用調整助成金情報 (10/30)※11/2修正

 

kesera22.hatenablog.com

10月28日に発表された話は、過去記事にて。

詳細は、リンクを貼っておきましたので、そちらでどうぞ。

www.mhlw.go.jp

今回は、明日出社して上司にどうなんだ?と聞かれた時の回答用。自分用なので、あっているかどうかの保証はできませんのでご注意ください。

Q 何が発表された?
A 簡単にいえば、12月から助成率は通常制度に戻ります。ただし、特に業況が厳しい会社には来年1月末まで経過処置が設けられています。

Q 具体的な計算は?
A (中小企業、簡易版用紙の場合) これまでは、休業手当の合計額×助成率80%(解雇なし90%)、上限(8355円×休業延日数)でしたが、12月から休業手当の合計額×2/3、上限は同じに変わりました。解雇がない場合や、雇用人数を維持した場合の助成率の上乗せはなしです。
Q 特に業況が厳しいところとは? 
A 売上などが3か月平均で30%減のところは、来年1月まで経過処置があります。ただ、11月までの業況/地域特例とは、別枠になっていて、見たところ、助成率と上限が変わっており、上限が9000円に下がり、助成率は解雇なしの場合は90%ですが、解雇があったりした場合の助成率は通常と同じ2/3になってます。枠を分けたところから、何か他に違うところがあるのかもしれません。

Q 2/3って66%?、67%?66.6666…%?
A 過去の資料を見ると、小数点切り上げ、と書いてあります。

Q ほかに発表されたのは?
A 申請用紙の簡易版は、来年3月末まで継続されるようです。ただ、12月以降にはじめて雇用調整助成金を利用する場合は、通常版で申請するそうです。
Q 通常版とは?
A HPの11/2のリーフレット問い合わせ先の下にリンクがありました。(わかりづら)
 ガイドブックがありましたが、60ページぐらいあって、ややこしそうです。(提出用紙はWord?計算式ないの?面倒くせ。これ使うのか?)

Q 売上比較を再確認するとは? 
A 一年以上、助成金を受給しているところは、売上を再確認するということでしょう。少なくとも、コロナ下前の水準より”10%”下がっていなければ、助成対象外かと。どの月と比較するとか、12月分がダメな場合、自動的に1月以降もダメなのかは不明です。(売上増えているのになんで休業するんだと不正を疑われると思うが)

Q ほかの特例の要件緩和・撤廃はどうなる?
A 12月から通常版に戻る場合、一部の緩和(※1)は残るようです。売上、雇用量要件(労働者数が一定割合増えた場合は対象外)は原則に戻るようです。他(※2)は不明ですが、リーフレットの表現から通常に戻る可能性が高いと思います。
  
※1 計画届不要、残業相殺、短時間一斉休業
※2売上減少、労働保険料の滞納除外、教育訓練(金額UP、訓練内容)、雇用保険被保険者期間(6か月以上)、休業規模、対象事業(風営法関連)、クーリング期間etc.。

Q 計画届がいるなら、事前に休業予定日設定するんだろう?濃厚接触者の休みはどう対処するんだ?
A 計画届は来年3月末までは不要なようなので、現状どおりではないかと思うのですが、詳細は不明です。(もともと濃厚接触者の休みの助成金じゃないからなあ。)

Q 給料の計算が月をまたぐような場合、(例:11月21日から12月20日分)はどうなる?11月と12月でわけるのか?11月、12月どちらかの助成率でまとめて計算するのか?
A 不明です。(11月か12月扱いと思うけど。計算面倒だし。)4月1日以降は未定だそうです。不明

Q 緊急雇用安定助成金はどうなる?
A 雇用調整助成金同様、来年3月末まではありそうです。但し、コロナ感染症の影響に伴い事業活動を縮小を余儀なくされた場合の休業のみが対象、と強調されていますね。おそらく、上記に該当しない休業をしている人がいるから強調しているのでしょう。具体的なことは不明です。不明です。(雇用調整助成金”等”の”等”だと思うけど、確証が持てない。)

Q クーリング期間制度は3月末まで適用しない、と書いてあるが、4月から助成されないという意味なのか?それとも4月以降からスタートのカウントがはじまるということか?
A 不明です。4月以降は未定だそうです。
Q クーリング期間制度の適用除外となる事業主って、誰のことか?
A おそらく、申請してから1年経過したところのことかと。ここから日数をカウントし始めるということは何らかの意図があるかと思います。不明です。

Q …来年4月以降は、通常に戻るということか?
A 来年4月以降は未定、と発表されています。(年末年始のコロナの感染状況と失業率の確認のためだろうな)

Q…てめえ、さっきから不明ばっかりじゃねえか。電話して聞け!
A (…今日電話して答えられるのなら、もう発表してるっつうの。とりあえずは11月”上旬”確定するまで待つしかないんじゃね?)

追記 11/2 今後の予定がHPで公表されたため、取り急ぎ一部修正。青字が修正箇所です。今後の発表があれば、また修正するつもりです。
11/10 11/2に発表した”予定”が11月上旬を指しているのだと、思いなおしたので修正しました。

12/4 確定版用、作成しました。

 

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転職面接で、採用担当者の様子を見て会社の状況を判断する、という考えへの反論

ひさしぶりに転職の話。なんか、雇用調整助成金のブログになってしまっているので。
とある記事で「採用面接の際は面接官の様子を見て判断しろ」という意見がありました。
なんでも、面接官が暗い、疲れている場合を見て会社の状況し、逆に頼もしかったらその下で働くのもありだと。

ちょっと待ってほしい。
まず、人間はその日、その時で、感情も体調も違います。
疲れているのは仕事が原因とは限りません。育児・介護・飲み会・遊びの翌日で疲れているかもしれないです。暗いのも眠たいのかもしれません、あと、中途採用がめったになくて場慣れしてない面接官もいます。

具体例をあげます。

私の最初の就職先の採用担当は、明るく楽しい人でした。おかげ面接会場も明るかったです。でも、その人、後に不正を行い懲戒解雇されました。

人事課長はいわゆる圧迫面接の場で面接を仕切っていたため印象が最悪でした。でも、内定式では明るく楽しい人でした。高圧的な相手への対処を見るためにわざとやっていたみたいです。(当時は圧迫面接、結構あったんですよね)のちに会社の取締役にまでのぼりつめています。

…たった数分の出会いの場で、人の何がわかるのか?寧ろこの考えは危険だと思いますが如何?

個人的には、人より職場周りを見たほうがいいと思っています。求職者はなかなか見れませんが、汚いとか、古いとか景観を損ねるぐらい大きな文字のスローガン、訓示とかで感じが掴めると思います。

最後に、身も蓋もないことをいうと…
その面接官はその会社の労働者ではなくて、好みを排して公平に採点するための外部の面接官かもしれませんよ?

雇用調整助成金 コロナ特例 終わりの始まり?(10/28)

※12月15日追記 この記事は10月28日に書いたものであり、確定情報をもとにしたものではございません。ご注意ください。

10月28日(金)夕方、分科会が開催されて、雇用調整助成金の助成内容(案)がHPに掲載されましたね。

 

www.mhlw.go.jp

www.mhlw.go.jp

まだ案ですので、確定ではないですよ、と前置きしたうえでざっくりとまとめると、原則(一部除く)12月から、全事業所は来年2月から助成率、上限金額は”通常”に戻る。ということかと。

上記は大体報道どおり。報道されていないような細かい所を、ちょっと文章量を増やしてまとめると…

~助成率、助成金額上限~
① 12月から原則的な助成率と上限は、通常の雇用調整助成金に戻る。また、条件つきで今も売上10%以上ダウンしているか確認する要件が追加。→売上がコロナ前と同水準にまで戻ったところは、今年11月末で助成終了?
② ”特に”業況が厳しい会社は12月から来年1月末まで特例で対応。それでも、従来の特例と比べ100%助成はなくなり、最大90%、上限金額も1日9000円に縮減。
③ 1月末で②の特例もなくなり、2月から助成の金額に関する特例は通常に完全に戻る。

~その他申請面~

①クーリング期間制度は、来年3月まで適用しない。
②上記の適用から除外される場合は、12月から来年3月まで上限100日まで。
③申請書類の簡素化は、来年3月まで維持する。
④これまで申請したことがない会社が12月以降から初めて利用する場合は申請書類も含めて完全に通常に戻る。(そんなにあるの?)

おそらく、金銭面以外は3月末まで特例のやり方を殆ど維持するということでしょう。
①のクーリング期間②の上限日数は、申請の制限がかかる重要なところですが、発表されるまでは、よくわかりません。(特に②の除外対象が不明)
③は、来年3月末までは簡易版での様式で。来年4月以降は計画届などの通常版に戻る可能性があります。④はこれから初めて利用するところは、12月から先行して通常版の計画、申請に戻るということかと。そして、その他の要件の緩和がどうなるかは、未定の部分あり。

尚、これらの説明は用紙1枚で、これからの話に数枚用意されています。つまり、これからの話に重点がおかれています。恐らく、”休業”から、人手不足のところへの労働移動(転職、出向)に軸足をかえてきているのではないかと。あと、リ スキリング?来年2月から3月末までの間は、来年度予算での対応とか、色々な準備かなにか?あと、こうも制度を変えてきたのならば、今のスピード支給は難しいのではないか?と勘繰ります。

まとめ

そもそも雇用調整助成金は、労働者の雇用を維持することを目的としており、他のところに転職できるのならば、雇用は守られる、ということでしょうから、特例の目的は果たしたと政府は考えたのでは?(結果論ですが、特例期間が長すぎた感もあるし)

また、雇用保険は会社の存続のための保険ではないですし、労働者にとっても働かなくてもお金が貰えるという状態を”続ける”のは、働くのがあほくさくなる。予想できた流れでしょう。

10月29日追記 来年4月以降のことは未定と発表されたことを知ったので、
「来年3月末で」「来年4月から…」という表現を改めました。

雇用調整助成金の特例の財源は雇用保険二事業と税金なのでは?

・労働者が払った雇用保険料が、雇用調整助成金という名目で会社にバラまかれている。
雇用調整助成金のせいで、労働者の雇用保険料率があがった。

上記のような意見をSNSで見かけました。これは間違いなのではないか?と思い、今回記事にしました。理由は以下のとおり。

  1. 雇用調整助成金の原資は雇用保険2事業。
  2. 雇用保険2事業の負担は事業主のみで、労働者負担ではない。
  3. 雇用調整助成金の上限金額の1日8,355円(現時点)までは雇用保険2事業からでており、15,000円(12,000円)の上乗せ部分、つまり15,000‐8,355=6,645円は一般会計(税金)から支払われている。
  4. 労働者が負担している一般の雇用保険は、雇用保険二事業に”お金を貸している”状態であって使われているわけではない。

    上記の理由で労働者が払った雇用保険料が雇用調整助成金でばらまかれているわけではない思うけど、どうでしょう?

当然、貸した穴埋めのために労働者負担分も使われていると思うし、その貸した金額を一般の雇用保険料で賄う可能性もあるので、お金に色がついていない以上間違っているとはいえませんが、あっているともいえない。

あと、あれだけ休業補填しろとか、2年前騒いでいた結果として雇用調整助成金がばらまかれていたのだから、当然その財源は誰かが負担しなければいけなくなる。

雇用保険料が増加する人は反対している人は最初から雇用調整助成金に反対していたの?
または、雇用保険料の10月からのアップは、オミクロン株が猛威を振るっていた今年の春に決まったと思うので、その時に反対したの?と思う次第。

ただし、

私も負担する側なので、雇用保険料を値上げするのかよ!とは思ってます。だって私、この2年半コロナ禍でも休業をしていないから、休業手当を1円も貰っていないし、無職の時の失業手当はコロナ禍でも従来通りの日数で終了しているし、雇用されている人の給料は保証されているのに、このタイミングで無職の人はなんの保証もないのは不公平だし、雇用保険料をあげられるんだよ、ムカついてます。

ぶっちゃけ雇用調整助成金の特例は今すぐ中断して、休業手当とかではなく、国民みんなに対処しろ、と思っています。

尚、私が知らないだけで無職の人にも保証しているかもしれませんので、その時のことを考えて抗議とかはしません。

10/24 8月末の分科会の議事録が公開されましたね。

今日も雇用調整助成金のお話。
8月末に開催された分科会での「議事録」が10月24日に公開されたようです。

www.mhlw.go.jp

正確な情報把握には、議事録を読むのが一番ですが、

簡単にまとめると、
①雇調金は人手不足の企業の人材獲得の障害になっているので、段階的に縮小。
(コロナの影響受けていた飲食宿泊とかも今や人手が足りないし)
②ただし、回復が遅れている企業等への配慮はするよ、
③これからは、人への投資、労働移動を促進していくよといったところでしょうか。

雇用調整助成金 平成25年頃の要件改正が参考になるかも?

このブログ、「雇用調整助成金」の話題の記事がアクセス数が伸びるんです。このブログのタイトルとは無縁に見えるテーマなんですが、検索すると候補にあがるんですかねえ。マスコミ批判の記事はまったく読まれていないのに。まあ、あれは単なる文句なんで別にいいんですけれども。

そんな人気の雇用調整助成金で、予想を少し。

雇用調整助成金は、平成25年に何度も要件の改正をしています。(HPに掲載されて残っているので、証拠ありです。)おそらく、リーマンショックの時の終わりの対応だと思われます。
簡潔に書くと以下の通り
4月…助成率の変更。
5月…労働保険料未納、非協力的、書類不備など問題会社を対象から外す。
6月…残業した場合の調整など、制度の問題点を修正。
10月…申請できる日数の上限設定。
12月…クーリング期間追加。申請した翌年は申請できなくなる。
これにて、ほとんどの会社で雇用調整助成金は1年使用できなくなった、というわけではないかと。過去の事例を受けての予想ですが、今回もこのような対応をとるのではないかと。
まず、報道どおりになれば、12月か来年1月末かで、助成率は通常に戻る。そして、まず悪意のある会社を締め出し、問題点を修正して、申請できなくなる形にして終了、という流れになるかと。

このスパンをどれくらいとるかというところですが、金がないそうなので、順次するか、一気にするかは不明。さらに、不正への対処制度の欠陥の修正、人の移動を阻害していることへの対応があるのではないかと踏んでいます。

さて、某TV番組で巨額の不正を暴いたそうですね。それを受けて、厚生労働大臣の会見で不正の質問があったとか。

雇用調整助成金を取り巻く流れは、スピード支給から、不正摘発に変わってきています。