けーせらーせらー

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明日上司に報告できる雇用調整助成金情報 12月版(12/4) 

今回は、1か月前に記事にした明日出社して上司にどうなんだ?と聞かれた時の回答用の確定版。あっているかどうかの保証はできませんので、ご参考までに。尚、1か月前の予定の時と変化があった個所は、赤字で下線を引いています。

 

kesera22.hatenablog.com

 

Q おい、ワールドカップで金曜日に聞くのすっかり忘れていたが、以前聞いた12月以降の雇用調整助成金、確定版がでたらしいな。どうだった?
A (そのまま忘れておけばいいのに…。)はい、11月2日発表の予定どおりです。12月から助成率は通常制度に戻ります。そして、特に業況が厳しい会社には来年1月末まで経過処置が設けられています。

Q 具体的な計算は?
A これも予定通りです。中小企業、簡易版用紙の場合、これまでは、休業手当の合計額×助成率80%(解雇なし90%)、上限(8355円×休業延日数)でしたが、12月から休業手当の合計額×2/3、上限は同じに変わりました。解雇がない場合や、雇用人数を維持した場合の助成率の上乗せはなしです。

Q 特に業況が厳しいところとは? 
A 売上などが3か月平均で30%減のところは、来年1月末まで経過処置があります。ただ、11月までの業況特例と似ていますが、助成率と上限が変わっており、上限が9000円に下がり、助成率は解雇なしの場合は中小企業の場合90%ですが、解雇等がなければ、中小企業の助成率は通常と同じ2/3になってます。あと、雇用維持要件のひとつ、4/5以上の人数の確保はなくなっているようです。

Q 2/3って66%?、67%?66.6666…%?
A 小規模専用用紙を見ると、66.6666..%のようです。〇×2/3で、1円未満の小数点は切り上げるという計算式です。仮に休業手当総額が1,000,000円だとすると、助成額は666,667円です。(上限計算が別途あり。)通常版の用紙の場合だと、基準賃金額*1*2×2/3×休業延日数になっていますね。

Q ほかに発表されたのは?
A 申請用紙の簡易版は、来年3月末まで継続されるようです。ただ、12月以降にはじめて雇用調整助成金を利用する場合は、簡易版はなく、通常版の用紙で申請するそうです。簡単にいうと、コロナによる休業ということで、11月30日分までについて一度でも申請したことがある場合は「経過措置」扱いに、12月1日以降初めて申請する予定の場合は、「一部の特例」がありますが、それ以外は「通常」に戻るという形です。内容がガラッとかわるようですので、分けて考えたほうがよさそうですね。

Q 給料の計算が月をまたぐような場合、(例:11月21日から12月20日分)はどうなる?11月と12月でわけるのか?11月、12月どちらかの助成率でまとめて計算するのか?
A 11月扱いです。11月と12月で分ける必要はないようです。具体的には判定基礎期間の初日が12月1日以降から適用ですので、例えば11月21日から12月20日までの期間は、11月30日までの規定が適用されます。

 

Q …来年4月以降は、どうなるのか?
A 来年4月以降は未定のようです。これまでも数か月単位での発表でしたし、来年になってから発表されるのではないですかね?

※補足 経過措置と12月以降新規で全く回答が異なりますので、ここから、経過措置と新規で質問をわけます。

①経過措置用

Q 売上比較を再確認するとは? 
A 一年以上、助成金を受給しているところは、生産量(売上)を再確認するようです。少なくとも、コロナ下前の水準より”10%”下がっていなければ、助成対象外かと。初日がある月で比較するのが原則のようですが、例外もあるようです。

Q ほかの特例の要件緩和・撤廃はどうなる?
A 経過措置の間は、先ほどの売上比較以外は、助成率、上限以外はこれまでの特例と変わらないですね。あと、支給限度日数が復活するようです。

Q 支給限度日数の復活とは?
A 12月1日以降の申請から、支給日数をカウントするようです。小規模用の用紙に日数計算の式が加わったようです。参考値らしく、あと、小規模用紙の裏面をみると、残日数は後から送られてくる通知書に記載されると書いてあります。ただ、1年100日ですので、12月から令和4年3月末までの4か月で、平日の日数を考えると100日使いきるのはよほどのことがない限り心配ないかと。

Q じゃあ、なんで復活したんだ?
A 理由がわからないのですが、復活させた以上、なんらかの意図はあるのでしょう。週1日休で全休の事業所用の対策でしょうか?あと、行政側の都合なのかもしれません。来年4月以降に影響がでる可能性があるかもしれませんし、ここはもうちょっと調べてみる必要がありそうです。

Q 緊急雇用安定助成金はどうなる?
A 雇用調整助成金とほとんど同じのようですね。

②12月1日以降にコロナを理由とした休業で初めて申請する場合

Q 通常版とは?
A もともとあった雇用調整助成金に戻るということかと。HPにガイドブックが掲載されていました。(今度はリンクが見つけやすくなったな…。)11月30日付で更新されたようです。コロナ特例であったものは、ガイドブックに「経過措置期間」とかいてあります。見たところ、今回の12月1日~3月31日迄のことは赤字で書いているようですね。あと、計算式が入っている用紙はWordじゃなくて、Excelに変わっているようです。

Q ほかの特例の要件緩和・撤廃はどうなる?
A 計画届不要、残業相殺停止、一斉以外の短時間休業の緩和。以上3点です。これら以外の緩和措置はありません

Q 緊急雇用安定助成金はどうなる?
A 令和3年12月1日~令和4年3月31日用にガイドブックが用意されました。雇用調整助成金と違うところは、雇用量要件がないところと、新型コロナウイルスが原因でない休業は雇用調整助成金と違い、対象外となるところです。*3他は、雇用調整助成金の通常とそう変わらないようです。そのため、雇用された期間が6か月未満の労働者は対象外*4になるようですね。

*1:令和3年度労働保険確定保険料申告書の賃金総額÷令和3年度の1か月平均の被保険者数÷令和3年度の年間所定労働日数=平均賃金

*2:平均賃金×休業協定書に定める休業手当支払率(60%~100%)=基準賃金額

*3:雇用調整助成金の場合は完全な通常版で対応が可能

*4:雇用調整助成金の場合は雇用保険被保険者期間が6か月未満