「他責」というキーワードが嫌いでした。
この「他責」というキーワードが、転職面接のNGワードとしてよく話題になって、「他責思考」の人間を採用してはいけない、といわれています。ですが、根本的に前職の退職理由は「他責」しかないだろうと思っていたからです。退職理由の大半は「人間関係」「低賃金」「重労働」「パワハラ」「リストラ」などなど、「他責思考」ともいえる理由です。また、他責の反対は自責。「自分が悪かったんです…。」という「自責」の退職理由を聞いても、正直嘘くさい。また「あんた、会社組織を自分だけの力でどうにかできると思っているの?」とも思うし、そうなると他の回答も嘘くさく感じるようになります。要するに、退職理由を聞かれて答えたら大抵の人間は「他責思考」の人間になるに決まっているだろう、ということからです。
ところが「他責思考」の塊のような人間が異動で実際自分の職場にきて、この考えがかわりました。以下、実際の例。(特定避けるため、わかりやすくするため一部脚色しています。)
異動してきてそうそうに「仕事を教えてもらえない。パワハラだ」(イメージでいえば、Excelの基本的な操作方法を教えてもらえない、といったレベルの話。専用ソフトウェアならいざしらず、Excelの使い方は職場で教えることではない。また本を読むかネットで調べたらすぐわかるレベルのことも自分で調べずに、教えてもらえるものと思っている。)
「異動の内示から異動前日の仕事をさせられて新しい仕事の準備の時間がなかった。」(異動日前日まで前の部署の人間なのだから前の部署の仕事をすること自体何もおかしくないのだが、準備できてない理由を前の職場のせいにしている。)
教えてもらいながらも内容が理解できないときは
「仕事がわからないのは、上司、同僚の教え方が悪いから」
それではと、特別に時間を割いて集中して仕事を教えたら
「自分だけ扱いが異なる。パワハラだ」
ミスをしたときは
「指示どおりにやっただけ。自分は悪くない。ミスをしたのは指示した人間が原因。自分を責めるのはパワハラだ」
ならばと、仕事ができるようになるまで簡単な仕事で様子をみていたら
「自分だけ仕事を与えない。パワハラだ」
最終的には「パワハラ」を理由に職場を去っていきました。
ここまで「他責思考」の人間に私は初めて出会ったかもしれません。ここまで「人のせい」にする人間がいるのか、これが「他責思考」か…と。
上司同僚は、自分の時間を犠牲にして、神経を使ってこの扱い。叱っていなくてもパワハラ扱い、要するに自分の思い通りにいかないことは他人のせいだけにとどまらず、犯罪者扱いまでする。
これならば、他人の時間を邪魔しない分、余計な神経を使わせない分「仕事をしないおじさん」の方がよっぽどまし。
「他責思考の人間」を採用してはいけない、とエージェントや採用担当者、コンサルタントが言っている意味が、実際にそういう人間と仕事をしてよくわかりました。これは、組織として周りの生産性を下げる存在、欠員の方がまだまし、これ中小、零細企業で数人しかいない職場だったらつぶされかねないわ…。だから、求職側としてはこういう「他責思考」の人間と誤解されないよう面接対策が必要ということですね。ちなみに「人柄重視」という採用方針は、この「他責思考」人間はとらない、という意味も含まれています。(文字通り、人を傷つけることを平気で行うようなパワハラ人間も含まれていると思います)
尚、経験の浅い人や、仕事の飲み込みが遅い人のことを批判しているわけではないです。これは、読んでもらえればわかるかと思いますが一応念押ししています。