けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

連休はどこかに出かけるのが当然と思っている人

先週金曜日の話。60歳超の定年後再就職のおっさんにこう話しかけられた。

「3連休はどこに行くの?」

このおっさん、私に限らず有給休暇を取って3連休とかにする人にはいつもこう尋ねる。

「なんの予定もありません。」

こう答えると、さも寂しい人のような扱いを受ける。

これが私にはどうしても腑に落ちない。例えば、祝日と有給、夏休みを組み合わせて9連休だったら海外旅行に行くかもしれないので質問するかもしれない。ただ、3連休は事前に外出予定を組むほどだろうか?予定がないと寂しい人のように扱われるのはどうも腑に落ちない。

思えば60歳ぐらいの男性には、こういうことを聞く人が多い気がする。頭の中にみんな”当然”こうする、という固定観念が強すぎると思う。

休みは「旅行」か「パチンコ」か「ゴルフ」か「レジャー施設」に行くのが当然。
仕事終わりには酒を飲んで当然。趣味は「パチンコ」「ゴルフ」で応援する野球チームがあって当然。結婚はしてて当然。嫁は専業主婦かパートなのが当然。1馬力で家族を養ったのが自慢で、今の友働きの男たちより偉いと思っている。子どもはいて当然。人の子どもがどこの高校大学企業にいるのか情報収集する。孫がいて当然。子どもは孫を連れて盆と正月に帰省するのが当然。会社は定年まで1つの会社で勤め上げるほうが偉い。〇〇部長の肩書を隙あれば自慢したがる。家はマイホームを持っていて当然。車は持っていて当然。高級車にグレードアップしていくのが当然。時計はブランド物で当然。

もう人生は一本の線しかないかのよう。最近は多様性を考慮しないとね~、と理解を示すかのように露骨に侮辱することはなくなってきたが、主流にいられなかった人として見下しているのが節々の言動で垣間見える。

思えば、この世代、戦前戦後の苦労もせず、高度成長期に乗って就職難でもない時に就職し、当たり前のように結婚できた、正社員も当たり前の世代。60歳の定年まで正社員で働けたのは、簡単に解雇できない法制度の恩恵を受けただけで、その代わりに採用が絞られた結果、自分達より若い世代は就職難で非正規低賃金の犠牲となったことに気づかない、自分が優れていたわけではないのに法制度と好景気という幸運に恵まれただけなことに気づかない世代。しかも60歳になり定年になったら今度は人手不足と若者の経験不足で適当な仕事に就くことのできる世代。本当に恵まれた世代。それゆえにこのレールに乗れていない人を見下している世代。

そう考えれば、この世代の価値観に乗る必要はないし、自分が恵まれたことを理解していないが、この世代になるように意図的に生まれてきたわけでもないのだから、怒っても仕方がない。八つ当たりにしかならない。

むしろ逆に自分が気にしているということは、その生き方が、その生活スタイルが正しいはずなのに、自分はできていないと負い目を持っている証拠ではないか。

相手にする必要がないのだ。休みの使い方でマウントの取り合いをしても、気分を悪くしても仕方がないのだ。

本当は、田舎過ぎて行きたい店舗が近くにないのでこういう休みをつかって往復〇時間かけてこのクソ暑い中、かつ都会の人ごみのなかに買い物に行くのだが、それをわざわざうちあける必要もないのだ。

あと海外・国内旅行に行く予定があっても言う必要もないのだ。知らせた以上はおみやげを買わなければいけなくなるのだから。今時、せっかくの休日に仕事場の同僚にお土産を買うという行為が面倒くさい。せっかくの休みに職場のために余分な出費とおみやげを選ぶ時間がもったいない。おみやげは親しい人限定でいい。これが本音かもしれない。