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仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

雇用関係助成金の私見④ 人材開発支援助成金⑥ Off-JT訓練の対象外訓練とは (令和6年度版に修正)

「人材開発支援助成金」における最大のハードルは計画している訓練がこの助成金の支給対象となるかどうか。今回はそれをテーマにした記事。

はじめに…

① どの会社、どの労働者でも100%対象となる訓練はない

今回の記事に関して、先にお断りしておく。

まず、具体的に〇〇という訓練は対象になるかどうか?という質問に対し、絶対OKです、という回答は誰にもいえない。ガイドブック等を読んでもよくわからなかったし、ホームページやYouTubeなどで解説を見たが、肝心の対象となるかどうかの説明は見つけられなかった。

「事業主向けQ&A」や「ガイドブック」が厚生労働省のホームページで紹介されているが、「この訓練は絶対対象になるというものはない」と明記している。

例えば訓練機関がそうお墨付きをしていたとしても、だ。訓練機関のパンフレットに”人材開発助成金対象訓練”と書いてあった場合は、”申請すれば助成される可能性がある”という意味らしい。正論をいえば「会社の業種、労働者本人の職種によって必要となる専門知識や技術が異なるから絶対はない。」というところだろう。

だが、逆にいえば、助成対象とならない訓練というのはあり、ある程度予測できる。対象外も該当しなければ、対象となる。それが今回の記事。

② 対象になるかならないかの判断基準(支給要領より)

支給要領から以下転記。対象になるかどうかの判断、つまり審査(労働局)の判断の仕方が書かれているので、参考になる。

06061 審査にあたっての基本的な考え方
人材育成訓練の助成対象訓練等か否かについては、職業訓練実施計画に基づく訓練等であるか否か、職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練等であるか等について、総合的に判断する必要がある。
とりわけ、助成対象とならない訓練等として、「職業又は職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの」、「趣味・教養を身に付けることを目的とするもの」、「知識・技能の習得を目的としていないもの」等の判断に当たっては、職業訓練実施計画届(様式第1-1号)の記載事項及び訓練カリキュラム等により判断することになるが、仮に判断が難しい場合には本人の職務内容と訓練等の内容との関連性等について事業主より聴取すること等により、具体的状況の把握に努めることとなる。具体的状況を把握した上で、不合理な点が認められない場合に、助成対象とすることを原則とする。 

注目すべきところに色をつけた。カリキュラムや計画届の記載ぶり、事業主の聴取が重要というのがわかる。具体的状況と2回も繰り返していることから何を訓練しようとするのか不明瞭なカリキュラムだとまずい。またその把握から不合理でなければ認められる可能性もある。

この「合理」「不合理」という考え方は助成金に限らず、法律上かなり重要な要素である。合理的な説明というのは、対象外訓練には当てはまらないという説明に無理がないこと、筋が通っている必要があるだろう。

③ 訓練の定義と助成対象

そもそも訓練というのはなんだろうか?辞書で調べてみる。

訓練…訓 (な) れるまで教え,練習させること。

何かしらを教え練習させれば訓練といえるし、その訓練自体が無駄、無意味と断言できることはない。ただ、その訓練が助成対象となるかどうかというと話は別。私の推測だが、【雇用保険料を原資して助成するべきのものかどうか】、と”線引き”をしているのだろう。

④ 今回の記事は「人材育成支援」コース

今回「人材開発支援助成金」の「人材育成支援コース」の支給要領のうち「人材育成支援」のOFF-JT訓練の対象とならない訓練をピックアップして、ひとつひとつ検証してみる。

念のため補足するが、人材開発支援助成金には数多くのコースがあり、それぞれで対象外とならない訓練は違う。そこはガイドブックを確認してもらうとして、要は一番オーソドックスなコースのOff-JTのみの訓練をベースに話をすすめる、ということである。

前提

各項目の話にうつる前に、前提について述べたい。 

① コースによって対象となる、ならないOff-JT訓練は異なる

まず、教育訓練休暇付与コースは今回の案内より対象外となる訓練はかなり少ない。逆に「有期実習型訓練」という非正規雇用の処遇改善はもっと細かい。各コース微妙に異なるので詳細はガイドブックで確認されたい。

尚、「建設」業用のコースを利用する場合はかなり異なり今回の記事は殆ど参考にならない。というのも「建設業」は人材開発支援助成金のコースの中の「建設業」専用となるコースがあるからである。建設業の場合、その専用コースが利用できる訓練ならばそちらを利用した方がいい。それは別記事にしているので、この記事の最後にリンクを貼っておくので、建設業の方はそちらをあわせてご確認いただきたい。

② 訓練時間、実訓練時間、賃金助成対象時間の違いを理解する

訓練時間というのは、3つに分類される。

ざっくりいうと、

・総訓練時間は、実際の訓練時間から昼休憩時間だけを引いたもの
・実訓練時間は、総訓練時間から、移動時間と、この記事の話のメインである対象外訓練と、オリエンテーションや小休止の上限時間を超えた時間を引いたもの
・賃金助成対象時間は、実訓練時間のうち、所定労働時間内で行った訓練のことである。

賃金助成対象時間が文字通り助成金額に影響するので重要ではあるが、実訓練時間というのも重要で、賃金助成の上限となる時間の判定に使われるし、10時間以上、出席率8割の確認に使われる。

総訓練時間数は開始日と終了日が重要で、この日を基準として提出期限が定められている。総訓練開始日の1か月前に計画届を出し、総訓練時間の終了日から2か月以内に支給申請書を提出しないと原則「期限徒過」で不受理、不支給である。

③ カリキュラム、計画届の記載内容と合理的な説明が重要

支給要領を見るに、事業主の説明の仕方如何で対象になったりならなかったりするのでは?と思う人もいるだろう。恐らくその感想は概ね正しいと思う。以下列挙する対象外訓練ではないと証明できうるカリキュラムと計画届での説明と、訓練内容の具体的説明が判定基準になるからである。概ね、といったのは嘘は言ってはいけないから。嘘=虚偽で、不正にもなりかねないからである。

 

(表1)OFF-JT のうち助成対象とならないもの 

対象となる訓練か、対象外かを線引きをしている項目である。不支給になる場合は大抵訓練内容が下記のいづれかにあたるからだから、注意深く該当しないか確認してほしい。*1特に、例示は高確率で対象外になるだろうから、とても大事である。

尚、訓練自体が対象となったとしても、解雇等があることや、実訓練時間数が10時間未満*2だとか、色々あるので確認されたい。

助成対象となるのは、訓練時間10時間以上、かつ出席率80%以上である(通信制とEラーニングは除く)。

下記に該当する対象外となった訓練は訓練時間数から除外される。

1 職業又は職務に間接的に必要となる知識及び技能を習得させる内容のもの(職務に直接関連しない訓練等)

(例:普通自動車自動二輪車)運転免許の取得のための講習 等)

その訓練受講者の職務に”直接”関係しない訓練は対象外。

そもそも人材育成支援助成金の訓練は、職務に直接必要となる訓練が対象となるのが大前提ではあるが、それが”間接的”だった場合は対象外になる。

”直接”か”間接”は、以下のように自問してみるといい。

①その訓練を受けた結果、その受講者の仕事にどう活かされますか?

②別にその受講者でなくても、別の職種、業種、役職の人、または仕事以外でもよい訓練ですか?

①で明確に答えられ、②でその受講者の職務、業種、役職以外の職務だと必要でない知識や技術、と答えられるかどうか。

普通自動車運転免許が例示されているので、これで考えるとイメージがしやすい。普通自動車免許を取得していないと仕事にならない場合が多く、必要となる”技能”ではあるのだが、普通自動車免許は仕事以外の日常生活のためにも必要で取得する免許。労働者ならばだれえも必要な免許。別にこの受講者でなくても普通に使用するよね?それなら対象外ということだと思う。

尚、「事業主向けQ&A」では中型免許、大型免許は職務で使用する場合は対象となる、と規定している。普通自動車ではダメで、大型免許ならOKの基準はなにか?おそらく大型免許は限られた職務の人や仕事でしか必要でない免許だからだろう。別に趣味でとることが可能だが、それだと上記①の質問に答えらえない。

私はここが今回列挙したなかでの2番目の難所だと思う。具体的には俗にいう転職活動で使われる「ポータブルスキル」がその典型。「ポータブルスキル」、つまり、どこの会社でも通用できるスキルというのは、裏返せば、職務に直接的に必要とみなされないものも含まれており、これに当てはまる可能性があるからである。

ちなみに「事業展開等リスキリングコース」などDX化による訓練では間接的でも認められる。これはDX化によって、今の職種が変わってくる労働者もいるからだろう。

2 職業又は職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの

(例:接遇・マナー講習等社会人としての基礎的なスキルを習得するための講習 等)

簡単に言うと、社会人十年目の人に仕事場での挨拶の仕方とか、名刺の渡し方とか電話の受け方などは誰でも仕事をするうえで基礎中の基礎だからである。

尚、職業職種の種類を問わず、という言葉が先に来ているので、この業界や職種にとっては必要で、他のものでは必要でないという限定的、専門的な接遇やマナーだと対象になりうるかもしれない。

さて、ここの表に掲載されているため、この項目自体が一見ダメっぽいと思うかもしれないが、訓練”全体”の中の”一部”に組み込まれている場合は対象になったりする

理由はガイドブックに書いてある。以下、ガイドブックの表の下段の説明を転記。

上記2について、OFF-JTの実訓練時間数に占める時間数が半分未満である場合には、助成対象となります。
また、上記2について、訓練コースが認定職業訓練*3である場合に限り、助成対象となります。 

読んでのとおり助成対象となりうる場合がある。上段は訓練の中に2に該当するものがあったとしても、全体の半分未満の場合は、2の時間分を除いた時間が賃金助成の対象になる、という意味。裏を返せば訓練の半分が2に該当すると、その一連の訓練全部が助成対象外。

また認定職業訓練だと基礎的なマナーも対象になる。認定訓練がそういうものを含めて行うからであろう。

3 趣味教養を身に付けることを目的とするもの

(例:日常会話程度の語学の習得のみを目的とする講習、話し方教室 等)

趣味教養との線引きは、やはり職務に使用するか、仕事に必要なレベルがどうか、そもそも仕事をするうえで必須となるものかどうか。英会話自体は仕事にも必須だが、旅行のために習う人もいるだろうし、話し方教室はそりゃ話が上手くなればどんな仕事もいいに決まっているが、そもそも”専門的”な”技能”の”習得”といえるレベルのものかどうか。例えば場内アナウンスの仕事をしている場合は対象になりうるかもしれないが、話し方の訓練は下記4の通常業務に該当しそうでもある。

英会話や話し方教室は例示だが、多分英語(英会話)を習う、というのはどう専門性か職務用のものかを説明できないといけないだろう。職種、業種的に必要な英語は対象になる感じがするからである。

ただ義務教育で習うレベルはまずダメだろう。そもそも”専門知識やスキルの習得”が対象なので、専門とはいえない普通高校のレベルでさえも怪しい。そもそも”専門的なスキルとしての英会話”とは何か?と言われると私にはよくわからない。それを裏付ける具体的なカリキュラム、専門性が認めれる教育機関という情報の提示が重要になるかと思う。

ちなみに、昔のコースには”語学力”をメインとしたコースがあったらしい。また、中国語とか外国人労働者用の日本語ならどうなの?と思う。

4 通常の事業活動として遂行されるものを目的とするもの

(例:

  1. コンサルタントによる経営改善の指導
  2. 品質管理のマニュアル等の作成や改善又は社内における作業環境の構築や改善
  3. 自社の経営方針・部署事業の説明、業績報告会、販売戦略会議
  4. 社内制度、組織、人事規則に関する説明
  5. QC サークル活動
  6. 自社の業務で用いる機器・端末等の操作説明
  7. 自社製品及び自社が扱う製品やサービス等の説明
  8. 製品の開発等のために大学等で行われる研究活動
  9. 国、自治体等が実施する入札に係る手続等の説明 等

おそらくここが最重要かつ最難関。その証拠にここは例示がかなり多い。例示に該当するのは間違いなく対象外だろう。会議への出席、自社製品の理解、業務の見直しや引継ぎなど、誰かから説明を聞くことに主眼を置かれていることは訓練でなくて、その職務をする人に就く人にとっては通常業務だろ?ということだろう。

通常の…と書いてあるが、ざっくり言うとその仕事をするのにあたってマニュアルを覚える時間は対象とならない、ということ。特に⑥⑦は要注意。これが普段の業務として直結しているもの、つまりマニュアルがあるようなものを教わる行為を指しているのだと私は推測する。

5 実施目的が訓練等労働者の職業能力開発に直接関連しない内容のもの

(例:時局講演会、研究会、座談会、大会、学会、研究発表会、博覧会、見本市、見学会、視察旅行、ビジネス交流会、オンラインサロン 等)

トレンド研究や、講師の話を聞くだけでは対象外。要するにどんな専門家の役に立つ話だったとしても”情報収集”は、”専門技能の習得”ではない。訓練の対象外。

視察旅行、ビジネス交流会、オンラインサロンが令和6年度に明記された。よってこれに該当するものは内容がどんなにためになろうが助成金としては対象外。著名人、実業家の成功体験に基づくテクニックなどを聴くのは、労働者の職業能力を開発するものではない、と厚生労働省は位置づけた、とも言える。まあ、著名人にお金を払ってお知り合いになる時間に雇用保険料を使って助成するのか、という視点もあるかもしれない。

※令和6年4月5日追記 令和6年度に修正が入った個所は赤字で修正しました。

6 法令等において講習等の実施が義務付けられており、また、事業主にとっても、当該講習等を受講しなければ当該業務を実施できないものであること

(例:労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)に基づく講習(法定義務のある特別教育な
ど)、道路交通法(昭和 35 年法律第 105 号)に基づき事業者に科せられる法定講習、派
遣法第 30 条の2第1項に基づく教育訓練(入職時から毎年8時間の教育訓練) 等)

 なお、労働者にとって資格を取得するための法定講習等である場合は除く。
(例:建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)の定める土木施行管理技士を取得するための訓練、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和 62 年法律第 30 号)の定める介護福祉士試験を受けるための訓練等)

法令で義務付けられている講習についてどこで線引きするかは、その資格が必要となるのが”労働者”か”会社”かの違い。

具体的に言うと”会社”がその講習を誰かがうけることを法令で義務付けられている場合、会社を代表して受けている場合は対象外になる。労働安全衛生法は例示でもあるので、この法令に限ったことではない。

尚、絶対OKはないといったが、ここで例示のある建設業の対象労働者の「土木施工管理技士」と介護職の介護福祉士の受講は、9割方対象になると思う。(後の1割は私が想定できないようなケースがあるかも、という意味。)

あと、最初に書いたが、「建設業」用のコースでは、人材育成支援と違って「特別教育」でも対象となるものがあったりする。注意されたい。一方、人材開発支援は「特別教育」と「技能実習」がセットになっている訓練があるが、「技能実習」部分のみが対象となる。

職業又は職務に関する知識・技能の習得を目的としていないもの

(例:意識改革研修、モラール向上研修 等)

ザックリいうと、メンタルや思考、意識のようなものは助成対象外。それは仕事の専門知識や技能?といいたいのだろう。

営業マインドとか、〇〇メソッドとか、〇〇思考、モチベーションアップとか、誰々から学ぶ〇〇とかは、職業または職務に関する”知識や技能の習得”ではないということ。

イメージしにくい?多分、YouTubeとかでビジネス論を話している人がいるでしょう?その中に理想を話して、具体的な中身がない人いるでしょう?具体的な知識やスキルの習得はないでしょう?多分ああいう人の講演を指すのだと私は思っている。

人生全般において役立たないというわけではないだろうが助成金の対象外。この助成金の前提である”専門知識や技術の習得”という表現は、このマインド系セミナーを除外する表現だと私は思っている。

そもそも、物事の考え方とらえ方とかは仕事をするうえで重要な要素。経営者にはこのような考え方を労働者に持ってもらいたいとかいう熱意がある人もいる。だが、正直、かなり胡散臭いのもあり区別不能。お上からお金を得られるから受けるんじゃねえ、という気概のある経営者でなければ、助成金を貰うため受講しない方がいいと思う。

※追記 令和6年度版で表現が変わったので追記。”職業または職務に関する”という表現が加わったことで、メンタル系、意識改革系も”知識”!という反論を封じた形。

8 資格試験(講習を受講しなくても単独で受験して資格等を得られるもの)、適性検査

資格でも自分で参考書を買って読んで資格を取得した場合は対象外。資格は講習を受けることが義務であるかどうかは不明。私は独学だと、やったかやらないか証拠がないからだと思う。裏を返せば、学校に通って講習を受けて資格を取得すれば対象になるのでは?

適性検査は自動車学校の適性検査のことだと思う。採用手法の一つの適性検査を受けることは訓練ではないだろう。尚、操縦とかの適性検査は訓練カリキュラムの一つに組み込まれている場合は対象になる。

(表2)OFF-JT のうち助成対象とならない訓練等の実施方法

これに当てはまると助成対象外だよ、ということが記述されている。カッコ書きで〇〇を除く、と書いているのでぱっと見理解しづらい文章だが、意味がわかると(表1)ほど難しいことは書いていない。

1 業務上の義務として実施されるものではなく、労働者が自発的に行うもの(育児休業中の者に対する訓練等を除く。)

”所定”労働時間中に行われる訓練が対象であり、所定労働時間内である以上、労働者への業務命令。業務命令だから賃金が支払われる。逆に「人への投資促進コース」の”自発的”訓練はその名の通り”自発的”でないとダメ。「教育訓練休暇等付与コース」も同様。育児休業は、そもそも「休業」だから、休業中に業務上の命令をしてはダメだけれども対象になるからカッコ書き。

2 E ラーニングによる訓練等及び同時双方向型の通信訓練のうち、定額制サービスによるもの

定額制サービスは「人への投資促進コース」の”定額制訓練”と「事業展開等リスキリングコース」のみ。尚、~のうち、と書いてあるのは、「定額制サービス」はEラーニング、または同時双方向の通信訓練のどちらかである必要があるから。

3 教材、補助教材等を訓練受講者に提供することのみで、設問回答、添削指導、質疑応答等が行われないもの(通信制による訓練等の場合に限る。)

通信制の定義を書いてあるに過ぎない。添削サービスのある通信講座を受けたとしても、家にテキストが山積みされていて添削課題にも取り組まなかった場合も対象外。尚、通信制といっても帰宅後(つまり労働時間外)や休日に自宅で受けてはダメ。あくまで労働時間として受けないといけないのだと思う。

もともと通信制とEラーニングは対象外であったが、コロナ禍を踏まえて対象になった。コロナ禍がある程度落ち着いた今、通信制についてはどうなるかなあとは思う。

4 広く国民の職業に必要な知識及び技能の習得を図ることを目的としたものではなく、特定の事業主に対して提供することを目的としたもの(e ラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等に限る。)

Eラーニングと通信制の定義に該当しない場合を書いてある。広く国民…と書いているが、要は自社とか自社グループ労働者向けの自社の労働者しか受講できないようなE-ラーニングや通信制は認められないということ。クローズで、本当にその講座が開かれているか確認できないもの、お得意様専用、紹介制とかもダメだと思う。Eラーニングや通信制でそんな訓練があるかどうかは知らないが。

5 専らビデオのみを視聴して行う講座(e ラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等を除く。)

このビデオは”ビデオテープ”のことではない…。DVD、BDならOK、ということではない。
ビデオ視聴する”だけ”、または視聴することが中心ではダメということ。講習の中にビデオを見ることが含まれていること自体がダメというわけでない。

尚、eラーニングや通信制は除くと書いてある。つまり、Eラーニングと通信制の定義に該当する場合、つまりEラーニングの場合は進捗状況を確認できる機能があるならば、通信制ならば添削指導等があるならば、大半の時間は”ビデオ”視聴でもいい、という話。進捗状況はいつに何時から何時までこの動画を見た、とかがわかる機能。1時間コースをいきなり終了まで早送りしたかのような数秒の受講で対象になるかはわからない。

6 海外、洋上で実施するもの

(洋上セミナー、海外研修 等)

人材開発支援助成金の要件のひとつは実際に訓練しているか、労働局の職員が現地に出向いて確かめにいくことが可能なこと。海の上では確かめに行けないので”訓練”は本当にやっているかどうか確認できないため。

7 生産ライン又は就労の場で行われるもの

(事務所、営業店舗、工場、関連企業(取引先含む)の勤務先など、場所の種類を問わず、営業中の生産ライン又は就労の場で行われるもの)

訓練なのか仕事なのか区別できないからダメ。計画届に受講場所を記入したり、見取り図を添付するのはこの生産ラインまたは就労の場所で行ってはダメ、ということだと思う。ただし、「事業主向けQ&A」をみるにEラーニング、通信制の場合は仕事の合間に自席で受けてもはいいという風に読める。

8 通常の生産活動と区別できないもの

(例:現場実習、営業同行トレーニング 等)

仕事か訓練か区別ができないかららしい。証明責任は事業主側にある。仕事と明確にすみ分けろ、ということだろう。例えば営業で物が売れれば成果でありそれは仕事。では営業に同行して後ろで見ているだけと言われても通常とは区別がつかない。運転業務の助手席に乗るのも同じで、実際に対象者が運転していないかどうか確かめようがない。

9 訓練指導員免許を有する者、又は当該教育訓練の科目、職種等の内容について専門的な知識・技能を有する講師により行われないもの

教える人も重要。専門知識や技能を教えることができるということはそれ相応の専門知識や経験、技能があるということ。ぶっちゃけ何者かよくわからない人は対象外。

〇〇コンサルタントとか誰でも勝手に名乗れる肩書も同様。著名な実業家でも結局何が専門なの?という人も該当するだろう。

その道の実績のないただの話が上手い人(タレント、コメンテーター、自称〇〇のプロ)の話を聞いても専門知識や技能は身につかないだろう、と厚生労働省は言っているのだろう。

10 訓練の実施に当たって適切な方法でないもの

(例:

  1. あらかじめ定められた計画どおり実施されない訓練等
  2. 労働基準法第 39 条の規定による年次有給休暇を与えて受講させる訓練等
  3. 教育訓練機関として相応しくないと思われる設備・施設で実施される訓練等
  4. 文章・図表等で訓練の内容を表現した教材(教科書等)を使用せずに行う講習・演習等)

最後にまとめてダメな訓練を一挙提示。この例示はほぼ確実に助成対象外。

  1. 受理された計画届、計画変更届に書いていない訓練は✖。
  2. 業務命令の訓練が前提。”休暇”中に業務命令?。労働基準法にも抵触しかねない行為は✖ 
  3. そこは研修場所でなく、旅行先とか遊び場所ではないの?というのは✖。ちなみに、エッ〇ェル塔の前でポーズを決めた写真をとっても、子供連れで行ってもダメとは書いていない。
  4. テキストがないならば訓練の具体的な中身がわからないので✖。ただ講師が一方的に話していても確認のしようがないということである。(尚、訓練が実技だけで本当にテキストもない実技訓練の場合は免許証とかで確認するらしい。)

このなかでは1がとくに重要で、支給申請の際の資料として添付する訓練日時・場所・内容等が計画届(変更届)のそれと一致しないとその訓練は助成対象外となる。その結果、実訓練時間数が10時間未満になると不支給となる。要するに、”計画届”に添付するカリキュラムはかなり重要。講師が当日寝坊したから翌日以降に延期になっても、天災や疾病など理由でないためアウトだろう。

 

※以下のリンクは「建設業」向けの記事

kesera22.hatenablog.com

*1:8/12修正・・・当初、対象にならない訓練は計画届が不受理か不認定になると書いていましたが、支給要領をよく読むと人材開発支援助成金は計画届の不受理・不認定の規定が見当たりません。書類の添付忘れや記載漏れがメインで訓練の中身が対象外となるかどうかまで踏み込んでいないようなので訂正しました

*2:他のコースでは20時間のものだったりEラーニングや通信制、定額制は時間のカウントの仕方が違うので注意。

*3:職業能力開発促進法第24条に基づき、都道府県知事が厚生労働省令で定める訓練基準に適合するものであること
を認定した職業訓練