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雇用関係助成金の私見⑪ 65歳超雇用推進助成金

今回は「65歳超雇用推進助成金」について。コースは3つ。

65歳超継続雇用促進コース

A定年を65歳”以上”に引き上げ
B定年の廃止
C希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度
D他社による継続雇用制度の導入

A~Dのいずれかを実施した事業主に助成金が支給

現在の法令がこういう定年の引き上げが65歳までなので、それを65歳”超”に引き上げた場合に支給されます。助成額は事業所に60歳以上の被保険者の数と定年の引き上げ幅により助成額が変わります。事業所にいる60歳以上の雇用保険被保険者が0人の場合は助成されません。

※要注意 この助成金は以下の要件があります。

就業規則により定年の引上げ等を実施する場合は、社会保険労務士等に就業規則の作成又は相談・指導を委託し経費を支出したこと。
または労働協約により定年の引上げ等の制度を締結するためコンサルタントに相談し経費を支出したこと。

自社で定年の規定を変えただけではダメ。専門家が制度設計に必ず関与して、その経費を支出する必要があります。(だから社労士等がこの助成金を推すわけです…ボソボソ)助成金ありきではなく、定年変更ありきで考えたほうがよさそうです。定年した後にパートとして雇うのではダメなのかも含め会社のメンバーも見て、仕事内容も見て、定年制度を変えればいいと思います。定年を65歳超に引き上げた後、65歳で退職させたら”解雇”になりトラブルになる可能性大。では質問です。65歳超に”定年”は引き下げて、60歳で役職”定年”させた場合はどうなるでしょう?

答えは専門家の営業妨害にならないように省略。このコースの説明はここまで。

高年齢者評価制度等雇用管理改善コース 

高年齢者向けの雇用管理制度の整備等に係る措置を実施した事業主に対して助成するコース。どこかで見たことあるなあと思った方はおそらく正しいです。そう、人材確保等支援助成金の休止中のコースに似たようなものありました。それの高年齢者版といってもいいのかもしれません。ただ人材確保支援助成金は、制度設計と離職率の目標以上の低下により”定額”の助成金がでましたが、こちらは「経費」の一部を助成します。どこかの自称プロが宣伝するようなの定額助成金で経費との差額で稼ぐ、というものでありません。

その経費とは以下のいづれかです。
①専門家への委託費・コンサルタントの相談等に要した経費
②雇用管理制度などの措置の実施に伴い必要となる機器、システムおよびソフトウェア等の導入に要した経費(その経費が50万円を超える場合は50万円)

高年齢者無期雇用転換コース

50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換させた事業主に対して国の予算の範囲内で助成

令和3年度まであったキャリアアップ助成金の正社員化コースの有期雇用から無期雇用転換のようなもの。似ているようですが、計画届の内容はこちらの方があるかに指定が多いです。尚、キャリアアップ助成金の正社員化コースと併給は不可。

以上。

提出先(相談先、支給決定権がある人)がハローワークや労働局ではなく、別組織の独立行政法人のようです。理由は知らない。