けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

「数値化の鬼」 会計の話ではなく、行動”量”を促す本

今回は「数値化の鬼」、という本の書評。

ビジネス本である。ひとつひとつの章で分離しているようなエッセイではなく、論理的に構成されている。著者の言いたいことが簡潔明瞭でわかりやすく、サクサク読める。

「数値化」というタイトルから、ノルマをどう達成するか、または会計の知識を身に着けておくべし、という本かと思ったが、本屋で見たところどうやらそうではないようで面白そうだったので購入して読んでみた。

分類としてはPDCAに関する本に分類されるのであろうが、話のメインは、”まず第一に行動する”量”を重視し、そしてその行動”量”の基準は”数値”を用いるべし、という本である。そしてその後に”量”に関する補足や論理武装としての肉付けとしての章がある。

尚、数値といっても、”%”とかは使わないようにくぎを刺している。前年比110%、成約率50%とかではない。”まず量”をこなせ、といっている本である。比率にすれば、行動”量”が調整されるからである。%を気にすれば、例えば前年比150%、翌年が前年比80%となると前年比80%になるのを防ぐためにその年の抑えてしまうからで、前年比101%、101%と前年越えがつづく事を重視してしまいがちだが、上り調子の時には比率ではなく稼げるだけ稼ごうとしたほうが良いという考えである。また成約率とか成功率で考えるのも✖。成功率を挙げるために、失敗しないようにしてしまう、するとチャレンジ精神が失われるし、楽な方楽な方へと流れて行ってしまうからである。

会社にできない、やらない理由を屁理屈こねている生産性のない”評論家”などいらない。失敗を咎める人間はいらない。過去に囚われる人間はいらない。絶対的なエースなどいらない。成功者の体験談などは仮説。

尚、この本はPDCAサイクルの話といっても良い。その中のDの話が中心であり、そのDは行動”量”として扱っているが、その前提となるPや、行動した結果のCやAについての話も当然でてくる。当たり前だが、行動する前提としてのP(企画)と、行動した結果を分析するC自体が間違っていれば、D自体も意味をなさなくなるのだから。そのPやAまで書いたら書評ではなく抜粋になってしまうので割愛する。

だがこの本の言いたいことは簡潔明瞭。

仕事は行動量であり、その行動量は数値で示す、ということである。