昨日の話の続き。ひょんなことから、今自分がしている業務をこの業務未経験の人に教えているのだが、その中の1人の対応を見て戦慄を覚えたので記事にする。
もともと仕事ができる先輩だったので、「なんで後輩の自分が先輩に教えるの?」とは思ったが、先輩はその業務に関しては未経験だということで自分が教えた。
私は仕事上、今まで人に仕事を教える係になってきたが、大抵の人は最初はなかなか上手くいかないものだ。未経験の仕事はそんなものだし、失敗しながら、経験を積みながら、時間をある程度かけて段階的に覚えていく、身に着けていくものだ、と思っていた。
今回もまずできるだけ簡潔にまとめたマニュアルのような書面を渡して、口頭で説明して、関連する資料の保管場所とか、長年の業界のルールやわが社の慣習などを中心に1日教えて、いつもどおり、後は実際にやってみて、また折を見て伝えていく…つもりだった。
しかしその先輩は、上記のマニュアルの説明の際に数個の質問を貰ったのでそれに答えたぐらいで、すぐにもうその仕事を普通にこなしてきた。少なくとも私はその教えた業務をそんな短時間で、自分が教えた内容だけでそこまでのレベルにはいけなかった。
これでも自分は30歳ぐらいからは業務の遂行は無難にこなすほうだ。40歳を超えて自分よりはるかに能力が高い、仕事ができる同僚*1に久しぶりに出会った気がする。仕事の出来で久しぶりに他人に戦慄を覚え、感嘆した。
なぜそんな短時間の指導でそこまでのレベルに達せられたのか考えてみた。
以下が今のところの推測である。
- 資料を自主的に読んで調べて考えて覚える。これまでの経験だけで対応しないし、人に教えてもらえるまで黙っている「指示待ち人間」ではない。
- 不明な点があればすぐに質問して解消する。メンツを気にして質問を躊躇しない。
- これまでの他の業務で身に着けたことを他分野に応用できる。そこに経験した業務に対する偏った執着(こだわり)がない。
こうすれば、仕事は一定レベルのことはすぐにこなせるようになる、ということだろう。しかしそれは言葉で言ってもなかなかできるものではない。
しかも、その人は、「なぜ自分が」とか、文句や不満を殆ど言わない。そもそも仕事を覚える段階での文句や不満を言うのは、失敗したり恥をかいたことに対して文句をいって自己防衛、自己の正当化を図ろうとするからだ。仕事ができる人はその必要がないから急に仕事を振られても文句を言わないのだ。なぜならすぐに求められるレベルまで仕事ができるから。そう実感した。
そして今日は自分の仕事について不満をいうのを辞めた。不満をいうのは仕事ができないことを人のせいにしているようでカッコ悪いと感じたからだ。