けーせらーせらー

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

不満と向き合う

ふとイラつく時がある。

  • 口は達者だけれども、行動に移さない人間。
  • やれああだこうだと、やらないいい訳だけは立派な人間。
  • 後になって登場して口だけだす人間。
  • 周囲の手助けをせず、自分のために行動した人間の方が評価される時。
  • 他人に遠慮したら、怠慢だと評価される時。
  • タイパがいいとばかりに自分は調べようとせず、他人に聞いて解決しようとする人間。つまり自分のタイパを気にして、他人のタイパを犠牲にすることはなんとも思わない人間。
  • 引継ぎを1から10まで教えてもらえるものと思っている人間。
  • 人に質問しておきながら、あらかじめ自分の答えがあり、それが一致しないと自分の考えを押し通そうとする人間。

最近私は他人に期待しないことにした。その結果人間関係でのストレスは減った。でも他人からの干渉や身勝手さで損をした時、評価されない時、いやな気持になった時はモチベーションが下がる。仕事なんて個人で勝手にやるのが一番だと思う。

そんな時は席を外す。周りの喧騒から逃れる。1人周りから距離を取って食事をとって休憩する。そうすればいやな気持ちが少し和らぐ。いやな記憶が薄れる。そうやって仕事をやり過ごす。

人材開発支援助成金の私見Ⅱ 助成対象となる経費、ならない経費

人材開発支援助成金助成金は「賃金助成」「経費助成」「OJT実施助成(一律)」の3つを合算する構成。それについて過去に記事にしていなかったので、令和6年度改正を契機に記事にしようと思った次第。

今回は「経費助成」について。ガイドブックはわかりやすく、支給要領は法令用語でより詳細に書いてあるが、改めてアウトプットして確認してみる。ちなみにこの「経費助成」はOff-JT訓訓練のみであり、OJT実施中の経費は「経費助成」という項目には含めない。また事業内訓練と事業内訓練、事業外訓練とで経費の考え方は異なる。また事業内訓練と事業外訓練どちらも共通の経費もある。

支給対象となる経費

事業内、事業外、共通、事業主団体の4つで構成されている。なんのこっちゃと思う場合は実際支給申請書の経費助成の計算式を見るとわかりやすい。尚、総額から100円未満切り捨てた金額が助成対象となる。この「100円未満切り捨て」は雇用関係助成金の共通要領が根拠だろう。

事業内職業訓練

費用ごとに細かく分かれている。実際請求されて支払われた費用がベースになるのではなく、独自の計算によるもの。そのため、計画届には料金がわかる資料が添付資料になっていない。そして各費用に上限が設定されている。またこの金額の総額を総受講人数で割って自受講者でかける金額で計算する。具体的に10万円の経費で対象労働者5人、他の無関係の人2人(役員とか被保険者でないパートとか)が聴いていたら、計算は10万円×5人÷7人×助成率、となる。つまり対象者でない人でも良かれと思って受講させた場合は助成金が減る。

講師への謝金、手当

講師料、といったところ。実訓練時間1時間当たり15,000円が上限。この15,000円は所得税控除前の金額となる。講師が会社ではなく個人でやっていたら請求書は源泉所得税が書いてある場合もあるので、源泉所得税の断りがあるのであろう。かつては1時間あたり30,000円だったのが数年前に下がった。

「部外」講師が対象なので、部内講師のその日の給料のうちの講演時間相当分を計算しても助成対象外。

講師の旅費

講師の自宅又は勤務地から訓練地までの費用。車代、食費代は含まない。旅費総額の上限は国内からの講師が1の職業訓練実施計画あたり(1日あたりではない)5万円、海外から招聘した場合は15万円。宿泊費は1日当たり15,000円が上限。新幹線のグリーン席の料金は含まれないし、船の「特1等」は含まないし、タクシー代も出ない。また東京近郊、大阪近郊は対象外。またこの交通費は支給要領を見ると「最も経済的な通常の経路」で計算するので、速いほうではなく複数の鉄道が走っている場合は安い方になり、実際支払った金額ではない。日当は1日3,000円まで。

そんな金額で講演を受けてもらえない、という講師もいるだろう。その講師の依頼分の金額が上限を超えていても払うこと自体は問題ない。ただ助成金としては上限がある、ということ。

施設・設備の借上費

教室、実習室、ホテルの研修室等の会場使用料、マイク、OHP、ビデオ、スクリーン等訓練で使用する備品の借料で、助成対象コースのみに使用したことが確認できるもの。”のみに”と書いてあるので、常日頃賃貸しているところの家賃を日割りしても恐らくダメだろう。

教科書・教材の購入費

教科書については、頒布を目的としていて発行される出版物のみ。教科書と教材の違いは「教科書については、頒布を目的として発行される出版物を対象とする。」という規定があることから、教材はそれ以外であろう。

訓練コースの開発費

学校教育法の大学、高等専門学校専修学校又は各種学校職業訓練の訓練コース等を
委託して開発した場合に要した費用及び当該訓練コース等の受講に要した費用。

具体的には「事業主が学校教育法第83条の大学、第115条の高等専門学校、第124条の専修学校又は第134条の各種学校(以下「大学等」という。)に職業訓練の訓練コース等を委託して開発した場合に要した費用及び当該訓練コース等の受講に要した費用」とあり、事業主にあわせて講師が講義内容を作った費用、という意味ではない。 

事業外訓練

外部の教育訓練機関が対外的に公表している料金なのでわかりやすい。計画届に添付するパンフレットなどに記載されている受講料金がベースになる。ただしよく読むと…。

受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代等(あらかじめ受講案内等で定められているものに限る。)

訓練の受講料等である。ここでの要注意箇所は赤字で書いた「あらかじめ」である。受講案内は計画届の添付書類のなかに記載している必要がある。よって後になって増額しても多分助成対象とはならない。(多分、と書いたのは昨今の物価上昇を考慮してくれるのか不明の為)また事業外訓練に関しては「あらかじめ」と書いてあるのだから、事業内訓練はあらかじめでなくてもつまり計画届に記載していない金額でも経費助成対象になりうると読める。

問題は「受講に際して必要となる入学料・受講料・教科書代等」の”等”である。この”等”がどこにも明記されていない。対象外に明記されているのは受講者の旅費と宿泊費ぐらい。つまり”受講に際して必要となる”ことが証明できる経費ならば対象となりうる、と読み取れる。ただし、どこまでが対象の経費かという線引きがわからないともいえる。

事業内・外共通

共通という項目は、特定職業能力検定とキャリアコンサルティングは経費助成に加算する形をとり、消費税は税込みの金額を入力する、という意味である。

特定職業能力検定

特定職業能力検定を受けさせるために要した経費(受検料等)。支給申請書上はキャリアコンサルティングと同じ枠に入力する。ちなみに「特定職業能力検定」で検索したら膨大な検定が表示された。あとにも書くが、【事業展開等リスキリング】コースは国家資格などの”受験料”である。名前が違うのは、”検”定と試”験”の違いから?

キャリアコンサルティング

職務に関連した訓練を実施するに当たってキャリアコンサルタントが実施するキャリアコンサルティングを受けさせるために要した経費(キャリアコンサルタント謝金・手当(所得税控除前の金額、助成対象となる額は、実訓練時間数に含められたキャリアコンサルティング実施時間数1時間当たり3万円を上限とする)、キャリアコンサルティング委託費、相談料等)

厚生労働省厚生労働省管轄の国家資格キャリアコンサルタントが好きである。1時間の上限も部外講師より高い。キャリアコンサルティングが必須のコースもあるからであろう。

消費税

消費税込の金額で助成金額を計算するということ。理由は不明。税込なのか税抜なのか消費税について確認、計算するのが面倒なのかもしれない。または源泉所得税も控除しないのだから、税の対応を揃えただけかもしれない。以上、私の妄想。

事業主団体等が実施する訓練等

事業主”団体”についてはめったにないらしいし、わかりにくさがますので記述を省略。今回のガイドブックで”雇用保険適用事業所”であることが強調されて表記された模様。

支給の対象とならない経費

続いて対象外の経費である。令和6年からEラーニング及び通信制の経費が追加された?

事業内訓練

・外部講師の旅費・宿泊費のうち
Ⅰ上限を超えるもの
Ⅱ車代(タクシーなど)
Ⅲ食費
Ⅳ「経営指導料・経営協力料」等のコンサルタント料に相当するもの
・繰り返し活用できる教材(パソコンソフトウェア、学習ビデオなど)
職業訓練以外の生産ラインまたは就労の場で汎用的に使用するもの(パソコン、周辺機器等)など
eラーニングによる訓練等又は通信制による訓練等に係る経費

→ⅠⅡⅢは対象となる経費と比べるとわかりやすい。あとキャリアコンサルタントは認めるがただのコンサルタントの費用は認めない。

事業外訓練

事業外訓練は対象外もシンプルである。受講者の旅費宿泊費と該当する実施機関の受講料と教科書代だけである。該当する実施機関かどうかは、OFF-JT実施報告書に実施機関に入力してもらう形なので該当するかどうかは申請事業主が調べる必要はない。だが該当すると経費に含まれないが、おそらくそんなにないか、もしくは低額の費用だろう。

訓練等に直接要する経費以外のもの

受講者の旅費、宿泊費などが該当する。受講する訓練機関が遠くても近くてもどこを選んでも良いが助成額に影響されない。つまり、わざわざ遠くに行って、公費を使ってそのまま帰りに観光しようとしても助成金はでない。例えば遠隔地の大都市しか開催していないのならば、今なら「同時双方向の通信訓練」のほうが事業所としては費用がかからない。

下記の組織が実施する訓練の受講料、教科書代

都道府県の職業能力開発施設及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の職業能力開発施設(高度職業訓練及び生産性向上人材育成支援センターが実施するものを除く。)
・認定職業訓練のうち、都道府県から「認定訓練助成事業費補助金」を受けている認定職業訓練(なお、広域団体認定訓練助成金を受けている認定職業訓練の受講料、教科書代等は支給対象経費とする。)
・訓練実施計画届(様式第1-2号)を提出している事業主団体等が実施する訓練
・官庁(国の役所)主催の研修

→多分税金などの公金がらみの調整だろう。国が主催する研修の費用を国が助成するならば最初からタダにすればいいだろう。

その他
受講料等が他の講座等と比べて著しく高額に設定されている場合

どういうことかというと「同一の訓練内容であるにも関わらず、助成金の有無のみによって差額を生じさせているなど、助成金の趣旨に照らして合理的な理由がない場合その他受講料等に著しく差が生じていることに明白な理由がない場合等」と規定されている。

令和5年度の途中からガイドブックで黄色の網掛けと赤字で警告されている項目。察するに、助成金分高額に料金を設定している輩がいたのだと思う。助成金の趣旨という表現が出てくるときは、よからぬ相手がいた時に対応できるよう支給判断の余地をあえて規定で作っていると思われる。

留意事項

①経費の支払いは支給申請書提出日までには終えること

訓練等に要した経費は、支給申請までに申請事業主が全て負担(専ら本人に帰属するもの(美容師のハサミ等)を除く。)していることが必須

→ここのポイントは以下の通り。

  • Ⅰ支給申請”まで”に負担していること
  • Ⅱ事業主が全て負担していること
  • Ⅲ専ら本人に帰属するものは除くこと

Ⅰは支給申請書提出時に振込通知書などを添付する必要がある。この日までに支払っていなければ経費助成は不支給となる。
Ⅱは上記の書類で事業主からの支払い(振込)が確認できることが必要
Ⅲ本人に帰属するものは除く、という意味は
A本人に帰属する消耗品などの購入費は助成対象外
B本人に負担させても良いという意味で経費として助成対象となる
のどちらかであろう。根拠はないが、パソコンなどが対象外なのでAだと私は思っている。

②事業主以外が経費を負担している場合の経費助成と賃金助成について

申請事業主以外の者が訓練経費の一部でも負担している場合については、当該経費は経費助成は0円。ただし賃金助成については他の要件を満たしている場合には助成対象となること(育児休業中訓練の場合は事業主が一部負担している場合でも助成対象となること)。

→これは①の補足。一部でも事業主以外は負担している場合は経費助成は0円だが、賃金助成は支給されうる、ということだろう。

③返金があった場合の経費助成、賃金助成

訓練経費を全額支払った後に、実施済みの訓練に関する当該訓練経費の一部でも返金(申請事業主の負担額の実質的な減額となる返金の性質を有する金銭の支払いも含む。)が行われた(行われる予定を含む)場合についても、当該経費は経費助成の助成対象とは認められないこと(賃金助成については他の要件を満たしている場合には助成対象となること。)。

→これは返金した場合の規定。返金があると経費助成は0円というわけでなく、あくまで訓練済みの分を返金した場合か、実質的に費用の減額となる返金をした場合が対象であって、訓練をまだしていない内容や時間分を返金された場合は0円にならない、訓練していない分に関しては助成対象外だが、訓練した分は助成対象になるかも、ということだろう。

③受講した労働者が経費を負担した場合

受講した労働者に訓練経費を一部でも負担させている場合については、助成対象経費とは認められない(育児休業中訓練を除く。この場合、他の要件を満たしていたとしても賃金助成の対象にならない)。

これは①②のことの繰り返しではないかと思ったが、①②と違い、受講者限定になっている。文字通りの意味で労働者に一部でも負担させた場合は経費助成は0円であるが、一方で例えば「訓練終了後に退職等の理由で労働者にこの訓練費用の全部または一部でも返金させた」場合も経費助成の対象外となる、という意味だろう。

④受講者本人名義の支払いが義務付けられている場合

事業外訓練において、教育訓練施設等の都合により受講料等を受講者本人名義での支払いを義務付けているなどのため、受講者本人が立替え払いした分について全額を受講対象労働者本人に返金するなどにより事業主が負担したことが明らかである場合に限り支給対象とすることができる(育児休業中訓練を除く)。

これは事業主支払いの例外。事業主から訓練機関へ支払うのが基本だが、訓練施設等の都合で受講者本人の名義で支払う義務がある訓練の場合は、受講者本人が一旦支払い、その後事業主がその全額を受講者に支払うというお金の流れがわかった場合は支給対象とすることができる、ということ。”することができる”なので、可能という意味だし、本人が既に勝手に支払っていた場合はこの文章を見るにアウトだと思う。

⑤受講時間8割未満は賃金助成も経費助成も不支給(通学制・同時双方向の通信訓練の場合)

受講者の受講時間数が、実訓練時間数の8割に満たない場合には06012aロ(支給対象労働者の規定)及び06012bホ(有期契約労働者等の支給対象労働者の規定)により支給しない。

→受講率が8割未満の場合は、原則賃金助成も経費助成も支給されない。つまり不支給。

⑥修了していない場合は不支給(Eラーニング、通信制の場合)

eラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等については、この要件を適用せず、当該訓練等を修了していることが必要となるため、06054イ(ヲ)(終了証)の書類を提出できない場合は支給しない。

→Eラーニングや通信制はいつ受講するかは任意であるため出席率8割という基準ではなく、修了しているかどうかで判断される。修了していなければ経費助成は不支給。賃金助成はもともとない。

では、Eラーニングと通信制がミックスされた訓練はどうなるかというと、どこかで聞いたことか読んだ記憶はあるのだが…調査中。

⑦受講率8割未満の例外

なお、次のイからニまでのいずれかの理由により訓練等が実施できなかった場合は、当該時間数を加えた受講時間数が、実訓練時間数の8割以上であれば、経費助成については要した経費の全額を支給対象経費とし、賃金助成については実際に受講した実訓練時間数(次のイからニまでのいずれかの理由により訓練が実施できなかった時間数を除いた時間数)に基づき支給することができる。
また、eラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等については、次のニの理由により訓練等を修了できなかった場合は、要した経費の全額を支給対象経費とすることができる。
イ 労働者の責に帰するべき理由による解雇
ロ 労働者の都合による退職、事業主の責めによらない病気、怪我等
ハ 労働者の死亡
ニ 事業主又は労働者のいずれの責にも帰することができない天災等のやむを得ない理由

かなり長い文章を引用したが、要は8割要件といっても事業主の都合ではく労働者の都合の場合は経費助成に一定の配慮をしますよ、ということだろう。但し、受講者本人が欠席した場合や仕事を優先して受講できない場合は考慮されない。

具体例:実訓練時間100時間、受講時間70時間、怪我による欠席10時間、事業外訓練受講料10万円(欠勤分の返金なし)、人材育成支援コース、通学制、中小企業、正社員の場合

(70+10)÷100=80%となり、助成対象。

賃金助成 760円×70時間= 53,200円
経費助成 100,000円×45%=45,000円

尚、Eラーニングと通信制の場合は、ちょっと違い上記ロの場合に限って経費助成が満額支給されうる。ただし、修了できなかった場合に支給されるのは天災の時などで、自己都合退職した場合は修了できなかったら対象外。

事業展開等リスキリングコースの受験料

「事業展開等リスキリングコース」は訓練終了後の国家資格の受験料も対象になる。以下、引用。

次の(イ)から(ニ)のいずれかに該当する資格・試験に関する受験料(あらかじめ試験案内等で定められている資格証明書類の発行費用を含む。)及び受験の前提として必須となる検査に係る経費(以下「受験料等」という。)。

ただし、支給対象訓練の訓練カリキュラム等において取得目標とされている資格・試験であるとともに、当該課程の終了日の翌日から起算して6か月以内(天災等のやむを得ない場合は原則6か月以内)に受験したものに限る。

また、一の計画あたり各資格・試験につき1回分まで対象とする。なお、事業外訓練を実施する教育訓練機関等が設定している訓練カリキュラム等の中に、資格・試験の受験が含まれていることは必ずしも必要なく事業主が当該訓練カリキュラム等とは別に、訓練受講者に対して、資格・試験(当該訓練カリキュラム等において取得目標とされているものに限る。)を訓練受講後に受けさせ、当該資格・試験の受験料等を事業主が負担する場合も対象となるものである。

(イ) 高度情報通信技術資格
(ロ) 実践的情報通信技術資格
(ハ) 公的職業資格(資格又は試験等であって国若しくは地方公共団体又は国から委託を受けた機関が法令の規定に基づいて実施するものをいう。)
(ニ) 教育訓練給付指定講座分野・資格コード表(最新版)に記載される資格・試験の資格試験

ここは令和6年度から変わったと思われる部分が多い。

ざっくりまとめると、以下の通り。

  1. 受験料は対象だが、支給対象は1回分(訓練終了後6か月以内に受験)
  2. 証明書の発行手数料や検査の費用もあらかじめ試験案内等に記載があれば支給対象
  3. 受験料は当初から訓練カリキュラムに記載されておかなくても対象
  4. 資格・試験の対象は公的資格などに限定(私的な受験料は対象外?)

雇用開発関係助成金の私見⑳ ”激アマ”という表現を使うユーチューバーにご用心

社労士の方が最近困っているという話をまた聞きで聞いた。以下その内容。

「最近、事業主の方から、YouTubeで紹介されている”激アマ”助成金を自社でも貰いたいから手続きしてほしい、と言われて困っている関係者が多い。なぜ困っているのかというと、”激アマ”=「楽にお金が手に入る」と誤解されているから。また投稿者が、社労士や弁護士以外*1*2が多いこと、加えて”社労士”と名乗る人でもサムネで”激アマ”と煽る人もいることも問題がある。事業主がそれを真に受けて、顧問社労士に申請するよう依頼してくるから困っている。酷い場合はそんな”激アマ”情報を提供しないのはなぜかと怒ってくる」

さてYouTubeを見ると、内容がそもそも間違っているか、サムネで煽る投稿があるようだ。それに釣られる人がいる。動画を見れば”激アマ””誰でも簡単に高額の助成金が貰える”、ほとんどが助成金の紹介動画であるようだが、サムネだけで真に受ける人が多いらしい。なぜ彼らは高額の助成金を薦めるのか?それは彼らは受け取った助成金額の〇割、という率で成功報酬を受け取っているからである。彼らも商売として情報商材として動画をアップしている。また一部のユーチューバーは助成金の趣旨に反する説明をしている人もいるが、趣旨に反することをすると助成金は不支給、最悪不正受給になる。(内容はキャリアアップ助成金の記事で書いたのでこの記事では省略。)

そもそも高額の助成金があるのは事実。そしてそれを利用できれば経費が削減できるのも事実。ただ助成金はそもそも「要件を満たす」必要があり、また高額なのは「国が重点政策に沿うよう企業を誘導したい」からであって、誰でも100%に近い確率でお金がもらえる、甘い汁が吸えるという意味ではないだろう。(勿論例外もあるだろう)。例えば「業務改善助成金」の”要件”の「設備投資」に「パソコン」が含まれるからといって、パソコンを買ったら経費の一部を業務改善助成金で補填できます、という意味ではない。

かつてあった大盤振る舞い、かつスピード支給だったコロナ特例の雇用調整助成金等だって、”労働者が大量解雇されて失業者が急激に増加することで生活苦、治安悪化、社会不安、政治不信が発生するのを防ぐ”というのが目的だろうし、”甘い汁が吸える”と思って不正に手を染めているところは”不正受給”した企業として何社も報道されている。そりゃ今でも不正がバレていないだろう会社もあるだろうが、それは税金だって脱税するヤツはいるだろう。あなたは不法行為をするのか?という話だ。

激アマの定義は”甘い”汁が吸える助成金、または審査または支給要件が”甘い”助成金、のどちらかだろう。最近では能登半島地震の被災者のための特例の雇用調整助成金を”激アマ”と紹介しているサムネを見たことがある。それを見ても自分も、と思うような人は、そのユーチューバーと同じ穴のムジナだから勝手に申請すればいい。

そもそもユーチューバーはただ紹介、情報提供しているだけ。不支給、場合によっては不正受給になっても責任を取らない。実際代行した社労士は不正になったら連帯責任になる場合もある。

まあYouTubeはCMも問題ありのものもあるし、助成金に限らず、真偽不明、玉石混合、著作権違反などなんでもありだ。あくまで時間つぶし用、娯楽・趣味用だろう。それを実務にそのまま使うのはどうかと思う。だが助成金は殆どが自ら申請しない限りは貰えない。勝手にお金は振り込まれない。ホームページには紹介されているが、一部の政策推進の助成金以外は受け身ではその情報は得られない。興味があったら、”激アマ”かどうかに関わらず自分で調べたらよいだろう。そう、わたしのように、だ。(己惚れ)

尚、ここは匿名ブログだし、自分用のアウトプット用だから、内容が正しいかどうかも一切保証できない。あしからず。

*1:自社の従業員が代理人をつとめる場合は別として、他の第三者代理人となる場合、社労士または弁護士以外が代理人になると社労士法に違反する可能性が高い。意外と知られてないようだが、助成金の共通要領で規定があるのでそちらで確認されたい

*2:”税理士”とか”コンサルタント”とか”〇〇のプロ”という肩書を名乗る方を確認したところ。

人材開発支援助成金の私見Ⅰ 令和6年度改正 全体版

1年ぶりの人材開発支援助成金に関する私見。今月は人材開発支援助成金の変更点を中心に何度か記事にするつもり。今回は複数あるコースのうち「人材育成支援コース」について。詳細については令和5年度版で書いたので、そこからの変更点についてザックリ書いていきたい。尚「人材育成支援コース」はさらに「人材育成訓練」「認定実習併用訓練」「有期実習型訓練」の3つにわかれるのだが、共通する部分も多いので分けないことにする。

はじめに ホームページの公表が遅い!

何度も何度も書いているが、また今年も年度初めの4月1日にその年度の改正版をホームページにあげてきた。果たして対応できる会社がどれだけあるというのか?何かの某知事が「第1次産業の人は知性が低い」(どうやら県職員の知性は第1次産業の人と違って高いといったらしいが)という意味あいの発言をして辞職されるらしいが、静岡県と違って国家公務員は知性が低いのかな?さすがに4月1日に令和5年度版の計画届を提出したら却下したりしないよねえ。(まだ猶予期間の記載を見つけていない)。まあ、毎年のことだから今更言う気も失せた。

ガイドブックと提出用紙の文字が大きくなり見やすくなった

人材開発支援助成金の提出書類といえば、文字が小さくて読めない!と某CMの俳優が怒りだすようなものだったが、ガイドブックも計画届も文字が大きくなり、レイアウトも見やすくなった。特に「人材育成支援コース」は2面に大きく広がった感じでこれはわかりやすい。ガイドブックも文字も行間も大きくなり、今まで誤解していたものも読んで発見できたのでこの変更は実に良い。ガイドブックの最初の1ページ目の各コースの違いもわかりやすい。今回のガイドブック作成者(レイアウト担当者)は知性が高い。

変更点① テレワークの就業規則

ガイドブック4ページに令和6年4月1日の変更点が列挙されているのだが、そのうち6番が気になった。以下抜粋。

⑥ OFF-JTをテレワークにより自宅等で実施する場合は、企業としてテレワーク制度等を導入していることがわかる就業規則等の提出が必要となりました。 (従来OJTのみ必要であったもの)

これだけ読んでもピンとこなかった。だがガイドブックを読んでいくとどうやら23ページのEラーニングと通信制の説明が書いてあるページのなかの下記のことを指すのではないかと推測している(令和6年4月2日時点)

⚫eラーニング又は通信制によるOFF-JTを、在宅またはサテライトオフィス等において実施する場合は、テレワーク勤務の制度を、労働協約又は就業規則等で定めていること 

勝手に要約すると、Eラーニング又は通信制の訓練を在宅でする場合、つまり会社の中で行わない場合は、テレワーク勤務について”計画届提出時点で就業規則等で定めないといけなくなったのではないかと思われる。もともと、Eラーニングも通信制も”業務命令”でおこなうものであり労働時間として行うのがこの助成金のルール。(支給申請時に提出する書類に「”業務命令”で労働時間に当該訓練を実施し…」というところにチェックを付ける箇所があることから)自宅等で労働時間として訓練を行う以上は”テレワーク”に関する規定がないと労働時間なのかどうかわからない、ということであろうか。

これは衝撃であり、Eラーニング、通信制の訓練を計画しているところは支給要領も含めて確認された方がいいと思う。自宅で受講する計画の場合は特に。

変更点② 提出書類が少なくなった。

ガイドブック4ページには提出書類が省略されたと記載がある。何がなくなった、または提出不要になったかというと

・事業内職業能力開発計画【人材育成訓練、認定実習訓練】
・様式17号【人材育成訓練】
OJTの様式の統合(9-1号、9-2号→9号)【認定実習訓練、有期型実習訓練】
・教材の目次等の写し(但し、公共職業訓練等の一部の対象訓練機関のみ。また対象訓練機関の修了証等が追加された)

・職業能力開発計画は提出不要になった。(作成不要という意味ではない)

・様式17号というのは、有期契約労働者、無期契約労働者が訓練対象の場合に出す書類だったが、区分が「パート」「アルバイト」とか書いてあって、はっきり言ってどう書けばいいのかわからなかった。どうやら計画届の表紙に統合されたのだと思う。

OJTの訓練日誌もこれ作成するの面倒くさいなあというのが統合された模様。

教材等の写しは一部訓練機関については提出不要になったようだ。またこの一部訓練機関については8割以上出席したかどうかの確認さえも不要になったようだ。

以下要望。提出様式のExcelは一括ダウンロードできるようにしてほしいです、厚生労働省さん。あと赤字の注意書きを印刷するためカラー印刷したら、提出用紙が黄色が多くてカラー印刷代が…。

ガイドブック変更点① 対象外Off-JTの加筆 オンラインサロンは助成対象外

ガイドブック35ページに対象外のOff-jT訓練の一覧があるのだが、その中の⑤が以下の容器変わっている。

令和5年度版

⑤実施目的が訓練に直接関連しない内容のもの
(例)時局講演会、研究会、座談会、大会、学会、研究発表会、博覧会、見本市、見学会 等

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令和6年度版

⑤実施目的が労働者の職業能力開発直接関連しない内容のもの
(例)時局講演会、研究会、座談会、大会、学会、研究発表会、博覧会、見本市、見学会、視察旅行、ビジネス交流会、オンラインサロン

わざわざ追加したのは上記3つを訓練だと主張する事業所があったからで、この3つは今回、目的が職業能力開発ではないと厚生労働省が断言したに等しい。オンラインサロンの言葉の定義では、WEB上の訓練だとも思えるが、明示してまで否定してきたのは何か厚生労働省に意図があるのだろう。正直、オンラインサロンで有名なところを思い浮かべて、助成金を貰おうと申請する事業所が本当にあるのかと私は思うが…。WEB上とかデジタルに関係すればなんでもいい、というわけではないらしい。視察旅行…まあエッフェル塔でポーズとっている政治家がいるのに、なんでうちの場合は認められないんだ!と苦情でもあったのだろうか?

もうひとつ追加。

令和5年度版

⑦知識・技能の習得を目的としていないもの

(例)意識改革研修、モラール向上研修等

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令和6年度版

職業又は職務に関する知識・技能の習得を目的としていないもの

(例)意識改革研修、モラール向上研修等

知識・技能に関して補足のような表現がついた。しかしこれは対象外訓練の制限のようで宣言ではない。例えば労働者の意識、感情、メンタルに関するものはそれ自体【知識】もしれないが、職業・職務に関する【知識】ではないからである。

尚、基本は令和5年度版と同じなので過去の記事のリンクを貼っておきます。

 

kesera22.hatenablog.com

 

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サッカーは玉蹴りに過ぎず、野球は球を投げて打つにすぎない。

世の中には「サッカーは赤の他人の玉蹴り」と評する人間、「野球は赤の他人が球を打って投げているだけ」と評する人間がいて、その発言に対し怒りを覚える人がいるらしい。

私は別に怒る必要はないと思う。野球やサッカーは球技、つまり球を投げたり売ったり蹴ったりするスポーツの一つに過ぎないのだから。だが、各選手が観る人を魅了できるほどの卓越した技術を磨き、チームプレイとして戦術化し、地域、国対抗とし、ルールをわかりやすくし、どちらが勝つかかという結果はやってみないとわからないなど、いくつの要素を組み合わせた結果、観戦すること自体を、そして観戦後に他の人と語り合えることを可能にした娯楽に昇華させることに成功し、国対抗となれば多くの国民が視聴する高視聴率が見込めるコンテンツに成功させたものであることも知っている。

同じ球を扱う競技であっても、競技、国、地域、人種、男女によって興行として成り立たない球技がある。そもそも興行として成功するかどうかは各選手や興行主などの関係者のこれまでの長年の努力の賜物。そして興行的に成功した競技に携わる選手は活躍すれば一般の人より遥かに多くの収入を手に入れることができる。そしてそれは大人も子供も憧れる職業の一つに昇華させた。

でもじっと見てみればよくわかる。サッカーも野球も数多くの球技の中の一つでしかないことを。球技の中には興行として成り立たず、選手も収入を獲得できないので仕事にできない球技があることを。そしてその差はだれか一人が努力すれば解決できる問題でもなく、政治闘争や国や権力者の強制で獲得できるものでもない。

それに「赤の他人が球を動かしているだけで見ても楽しくない」という感想をもつのも一理あるのである。その発言に対し怒る人は日本人がでていない試合、または日本人がでているだけのシーンだけしか見ない人が、名前も知らない外国人だけがプレイしている時間「楽しくない」という感想を言っても同じように怒るのか。おそらく怒らないはずだ。

なぜ怒らないか?それは「見て楽しい」ということは、どちらかが勝つか興味があるからであり、どちらかが勝ってほしいと願うからであり、勝つか負けるかハラハラできるからであり、〇〇という選手、〇〇というチームに感情移入し活躍してほしい、勝ってほしいと願うからであり、そう感情移入できることで興行が成り立つ。

でもその感情はあっという間に消え去る場合がある。ある出来事で興が覚める時がある。そして、その球技の結果がどうなろうと自分の人生になんの影響もない、自分の生活を豊かにしてくれるわけでもない、むしろ自分のお金と時間をかけてまで観戦する価値がどこにあるのか、という事実に気づく人がいるのも事実である。娯楽について、その興が覚める人、そもそもその娯楽に興味がない人を誰が責められようか。

また球技に限らず過去の経験から、団体の競技が嫌いな人も一定数いる。運動が得意でない人の中には相手チームに自分が弱点として自分が集中攻撃を受けた人(野球ならば自分の前で敬遠したり、自分の守備のところにボールが行くよう打ったりする)がいる。自分のミスのせいでチームが負けたと責められた経験を持つ人もいる。彼ら彼女らの中には団体競技は見たくもない人もいるだろう。その感情を否定できるだろうか?

だからこそ、興味がない人がいようと、負の感情を持つ人がいようとおかしくはないのである。ただ、それを興味があって楽しみにしている人に向かってわざわざ「何が楽しいの?」ということは、他人の興味を否定することであり、人としてどうかとは思う。他人の娯楽や余暇の過ごし方を否定する権利は誰にもない。勿論その逆も然りで、楽しくないと思っている人をおかしい人、冷めている人、人として、日本人として欠陥があるかのように決めつける人もおかしい。他人が何に興味を持つか口出しする権利もないはずだ。

ちなみに私はメジャーリーグは見ない。去年の野球の代表選も一試合も見なかった。一人の選手だけにスポットを当てすぎて興が覚めていたからである。サッカーのワールドカップは見るが、アジアカップは見なかった。その理由は今欧州リーグにいる日本代表選手の1人がその試合に仕方がないので嫌々出場している、日本代表にされたので仕方がないという発言で興ざめしたからである。別に日本代表は徴兵制ではない。早く負けて欧州に帰りたいのなら招集を拒否すればいい。嫌々やっている人の競技を見るほどこちらも暇ではない。

一方私は日本のプロ野球のご贔屓のチームを見る。ただ、その選別を他人に強制はしない。他人の娯楽にケチをつける権利などない、ただそれだけである。だが、あれは”娯楽”である。日の丸を背負うプレッシャーとか選手がどう思うかなど知らん。観客は日本代表になることを強制していないし、ゴシップ記事がでたからといって国会議員でもないので日本代表選手から外れる必要もないと思っている。

何を話すかが「知性」であり、何を話さないかが「品性」…?

最初の発言者がどなたか存じ上げないが、成程と良かったので、記録に残しておきたい。

より詳しく言うと「話さなくてもよいことを敢えて話さないのが”品性”のある人である」

テレビでもインターネットでも職場でも近所でも、あの人「品性」がないなあ、という人がいないだろうか。実績や実力や知識も豊富だが品のない人。なぜ品性がないか?と問われると、上手く言語化できなかったのだが、上記の表現でまさに我が意を得たりと思った次第。

ちなみに「品性」を辞書で検索すると以下のように定義されている。

「品性(ひんせい)」…個人の道徳的・精神的な資質を指す。それらが充実した人を「品性が高い」と表現します。

つまり人として、大人になるにつれ身に着けておくべき成熟度が足りないともいえる。家柄や経済的な成功でどんなに金持ちであろうとも、備わらないものともいえる。急に金持ちになった人間、生まれた家柄にあぐらをかいてきた人間が該当しやすい。その充実度を図る指針として的確な表現だと思う。

あえて他人を見下す必要がない。あえて対立する必要がない。あえて知識や過去の実績をひけらかす必要がない。そんな場面で求められていない、話す必要のないことをどや顔で話す。そこに道徳的・精神的な成熟度が図れるというわけだ。

あの司会者や実業家や同僚、上司は受け付けない、どうも嫌いだわと思ったときは、その人に「品性」が感じられないからだろう、と思えばそれでスッキリする。さあ、テレビやネットを消して、席を離れて距離を置こう、という話。

追記:この話の元ネタの方をインターネットで検索したら今休業中のコメディアンの方だそうだ。今となっては皮肉でしかない。このコメディアンが今沈黙している理由は「品性」があるからでなく、権力者に対する服従、忠誠、そして怯え。今の裏金問題の政治家も知らないとして何も話さないが、それはむしろ「品性」がないからではないだろう。

エンターテインメントは”感情”を動かすこと

とあるYouTube動画を見ていた時に、実に興味深い発言を耳にした。曰く

「賢い人にとって”感情”はエンターテイメント(娯楽)である。」とのこと。

成程と思った。確かにエンターテインメント、つまりテレビ、インターネット、イベント会場で出演者が視聴者や聞き手に提供するのは”感情”を揺さぶる事である。

この発言での一番の肝は、”笑い”や”感動”とはいっておらず、”感情”と言っていること、つまり、他の感情である”怒り”や”不安”もエンターテイメントでしかない、と言っていることである。

だから、見る側を怒らせたり、不安がらせたりするのもエンターテインメントなのだ。見る側にとっては、笑いや感動だけでなく、怒りや不安も”娯楽”にすぎず、また同等の扱いであり、提供側の商売も、視聴者の感情を動かすことが商売なのである。”嫌い”という感情の反対語は”無関心”とはよく言ったもので、感情を動かせてナンボだから、無関心というなんの感情も抱かせないぐらいならば”嫌い”のほうが娯楽業にとってはマシなのだ。

だとしたら、一生懸命ネタを考えて”笑い”を提供したり、大作ドラマを作って”感動”を与えるのは、タイパやコスパが悪い。マスコミは視聴者が怒らせるような出来事を見つけて放送して、それを司会者やコメンテーターと一緒に「あいつは悪い奴だ」と一緒に怒ること、それが娯楽を提供している、という話。インターネット配信者の場合は外に出て撮影するのはお金や人手や時間がかかる。だとしたら、一番コスパがいいのは、スマホやパソコン画面を見ている視聴者をバカにし挑発し怒らせることか、あるいは「〇〇はヤバい」などと不安を煽ることである。なぜならそれも”エンターテインメント”なのだから。

なぜ彼らは敢えて怒りを誘発し不安を煽るのか、マスコミが皇室の方の伴侶の噂話のジャンルを「エンターテインメント」扱いにしているのも、やっと理解できた気がする。

「〇〇する奴はクソ」という発言は感情を揺さぶるエンターテインメントなのだ。それに自分の貴重な時間を費やし、精神的に揺さぶられたいかどうかを決めるのは、視聴者自身である。スポーツを自分でするか、または、赤の他人が丸い球でなにかしているのを金と時間を払って観るのも同じ娯楽である。

最後にこの話を記事にした理由について。娯楽を否定するわけではない。仕事ばかり、真面目な話ばかり、悲しい現実ばかりに向き合い続けるのは精神的によくない。娯楽の時間は必要、だからこそ有効に生かしたい。

ただ、娯楽業はそれぞれの客にとって気分のいいことだけを提供しているわけではない。”感情”という負の感情も含んで娯楽。SNSは提供者にとっての感情の発露であって閲覧者の娯楽ではない。だったら娯楽はテレビやインターネットの提供側が用意するものに依存するのではなく自分で取捨選択して選びたい、というお話。