転職面接の際、求職者がメンタル疾患経験者であることが分かった場合、面接官は必ずと言っていいほどメンタル疾患についての質問をしてきます。今回は、自分が実際に受けた質問とそれに対する回答集。
- Q1「メンタル疾患になった原因は何ですか」
- Q2「メンタル疾患は完治されていますか?弊社に入社した後、再発することはありませんか?」
- Q3「A社(メンタル疾患になった会社)での業務内容や実績を教えてください」
- 答えたくなければ答えなくても結構ですが、といわれて答えたくないと回答した場合
Q1「メンタル疾患になった原因は何ですか」
A1-1「原因は不明です。」
原因が1つに特定できれば苦労しません。
原因はあれだったのではないかと、色々想像はできるでしょうが、検査で明確な数値がでるものではないため、現実的にはこの答えになるはずです。
現実問題、特定できたなら、誰もが事前に、早めに対処できるでしょう。
A1-2「長時間労働、ハラスメント、過大なノルマ、人間関係が原因です。」
おそらくこれが事実でしょうが、これだと「他責傾向」がある人物だと面接官に判断されるようです。
長時間労働、パワハラが未来永劫発生しない会社は100%ないでしょう。(発生しないように努力はしているでしょうが、絶対はない、という意味です。)
よって、よほどのことがない限り、転職先でもメンタル疾患になるリスクはあると想定される回答になってしまいます。
例外は、前職が報道されるぐらい有名なブラック企業の場合。「あの会社ならば仕方ないね~」ということで理解されるらしい。(本当かどうは不明)
A1-3「自己管理ができなかったからです。今後は大丈夫です。」
転職エージェントや採用担当が好む「自責思考」です。でも本当に自分のせいと思っている人の方が、再発するリスクが高いと思っています。自分のせいにすること、つまり自分で背負い込む考え方が最大の原因だと考えられるからです。
あと今後は大丈夫というのも、絶対はありません。嘘です。仮にそう答えても証拠はありません。「それ、あなたの感想ですよね?」
結論
どう答えても無理。この質問をされた時点で、減点です。他の質問で挽回するしかありません。
Q2「メンタル疾患は完治されていますか?弊社に入社した後、再発することはありませんか?」
A2-1「メンタル疾患に完治はないので、一生のお付き合いです。再発するかどうかはわかりません。」
メンタル疾患に完治はないです。日常生活にも仕事にも支障がないほど回復した場合は緩解といいます。完治ではありません。
メンタル疾患の再発率は50%ぐらいあるそうです。よって、採用された後、再発し、休職、退職する可能性はあります。つまり、採用責任者は、求職者がメンタル疾患の患者と分かった時は再発リスクがあることを知りながら採用するかどうか判断するわけです。
当然、すぐに再発した場合には採用担当者に採用した責任がのしかかります。
A2-2「完治しました。そして、再発することはありません。」
嘘です。再発率は50%です。再発した場合、面接の時に嘘をついた、と咎められる可能性もありますし、虚偽の回答をしたという理由でそのまま退職せざるをえなくなる可能性もあります。
そもそも面接官は、”完治””再発なし”と言うのを望んでいるのでしょうか?
結論
本当のこと、嘘、どちらをいうか。どちらでもリスクはあります。
Q3「A社(メンタル疾患になった会社)での業務内容や実績を教えてください」
A3「〇〇〇」
A社の業務を遂行していた時にメンタル疾患になったんです。A社での実績が好成績だったからといって手放しに喜べません。その好成績はあなたが無理をした結果です。A社と全く同じことをしたら再発する可能性があります。
そもそも、メンタル疾患になった時の自分の仕事の取り組み方を見直すことで、言い換えればA社に居た時と別の自分になることでメンタル疾患から回復したわけですから、A社の実績などほとんど無意味です。
ですが上記のような話をしようとしたなら、言い訳がましい他責思考(笑)の人間、と評価されます。
メンタル疾患から回復した後の会社やメンタル疾患になる前にいた会社の経験のほうが有益なはずなんですが、面接官はどうもメンタル疾患の時のことを聞きたがるようです。
結局私がなにがいいたいかというと、メンタル疾患になった時の過去を捨てて、新しい自分になったことで回復したはず。過去でなく、今、そして未来のために生きているのです。
ですが、面接ではその捨て去った「過去」についての質問が集中します。そのためメンタル疾患の質問はいい回答ができないんです。
ちなみに、私は過去の転職時に”採用され入社した”会社では、メンタル疾患について質問がありましたが、そこからさらに踏み込んだ質問はされませんでした。今募集している職務を遂行する能力があるかどうかが重要という考えだったのでしょう。あと、急募なので過去の病歴を気にしなかっただけかもしれません。
もし面接官が、メンタル疾患に質問を集中してきた時は、再発、休職、退職リスクを気にしています。採用時にリスクはできる限り取り除きたいはずです。
ですが、メンタル疾患の質問が多かった時点で、求職者は次の会社の面接に気持ちを切り替える方が心理的にいいかもしれません。
答えたくなければ答えなくても結構ですが、といわれて答えたくないと回答した場合
面接官は上記の質問の前に、「答えたくなければ答えなくて結構ですが」と前置きしてくる会社が結構ありますが、「では答えません」と求職者が回答した場合、どうなるのでしょうか?
99%不採用です。