巧遅は拙速に如かず

仕事、メンタル、労働法、転職、書評に関するエトセトラ

Xになってもバカッター(バカ発見機)は健在

昨日、Xでとあるバカな経営者の投稿がタイムラインででてきた。全容はわからないのだが、とにかく内定を辞退した学生を罵る投稿である。学生どころか親の教育が悪いと親まで罵っていた。

さすがバカ発見機と言われるだけのことはある。そして今もその機能は健在。就職活動中の学生たちはよくよくこういうバカなことをいう経営者や人事担当者の名前や会社名を覚えておくといい。

といっても別に内定辞退を薦めているわけではない。そもそも内定をもらって辞退することは良いことではない。だが、初めて入社する会社を選ぶ時には色々なこともあろう。こういう脅しをする人間に臆して妥協することなく、自分の希望に沿った会社に入社できるよう頑張ってほしい。未経験者での転職はハードルが高いのだから、やりたいことを叶えるためには希望する職務の経験を積む第一歩として最初の会社の選択はかなり重要だ。

新卒の人が第1希望1社だけ受けて終わることはそうそうない。第1希望が一番最初に内定をくれる場合はそうそうない。1社の内定だけで就職活動が終了することはそうそうない。また仮に第1希望が内定をくれたとしても、折角の多くの会社のことを知る機会なのだから、自分が知らない会社の説明会で話を聞くことも、面接で直に話をすることも人生で貴重な経験だ。その結果、第1希望が変わる可能性だって十分あり得るし、希望が変わってもいいと思う。

そして、大抵の会社はその新卒の事情も、複数の会社を面接し内定を取っていることも知っている。内定を多くとっている人ほど、さらに内定を取りやすい傾向は今も変わらないだろう。採用担当だって、他の会社が内定をもっていない人とそうでない人では見る目が変わる。就職活動中の人の態度も就職先を確保できたことで余裕が生まれるのか対応力があがるからかもしれない。また超大手企業だって本人の希望に沿う企業が現れれば、自社の内定が蹴られることも想定済だ。

勿論、内定を辞退されて気分がよいはずがない。内定を辞退されて腹が立つのは自然だし、その辞退の仕方にも礼儀が必要だ。だが、それは求職者だってお祈りメールが届いていい気分がしないとの同じことだ。

それでは何がバカだと言うと、内定を辞退をされて憤ったことをわざわざ社名と本名を明らかにしてSNSに投稿していることだ。

普通の経営者・採用責任者/担当者は、内定辞退されて腹が立っても、わざわざSNSに投稿しない。

そういう人間は多分その投稿自体をおかしいと思っていない。現にその投稿者も反論してきた相手をバカとかアホとか汚い言葉で罵っていた。論破が好きな暇人と見下していた。投稿した行為を何も間違っていないと本気で思っている。炎上狙い、バズ狙いのインフルエンサーとは違い、本気でそう思っている。

そういう会社に入社したとしよう。もしなにかミスをしたら、そのエピソードをSNSに投稿される可能性がある。Z世代はこれだからとネタにされる。さらに早期に退職するとなると、晒されるうえに、退職で揉める可能性がある。

まあ、こういう会社があるから退職代行が流行るのかもしれない。

この投稿に対して、わざわざリポストして反論する必要はない。わが社は労働者のことをSNSで晒す会社です、と自ら申告、公言しているのだし、からんで無駄な時間を費やす必要はない。

そういう会社だとして応募先のリストにないか確認しておけばよい。取引先だってそうだ。関係が悪化したらSNSに投稿して晒してくるだろう。会社として人として関係をもつことを避ける指針となりうる。

ちなみにその投稿した会社は私は存じ上げない会社だった。ここで会社名や代表者の名前をいうのは彼と同じバカだといっているようなものなのでいわない。ただ、わざわざ公言してくれたおかげでそういう代表取締役がいる会社と知ることができた。自己紹介、どうもありがとう。